菊地成孔さん のコメント
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<極端なコスパの悪さ=敷居ばかり高くて、対して美味くもねえ名店が笑うぐらいクッソ高い>は、昭和から令和にかけて、この東京にさえ絶えたことがないので、立派な伝統だと言える。
こうした店は「有名店になりたい」「美味しいものを提供して、すべての人々、特に有名人に喜ばれたい」という欲望を持つ店主の、ある意味むちゃくちゃ健康的で、ある意味むちゃくちゃ倒錯的な欲望をセントラルドグマにして回転してきた。
ミシュランが日本に来てからは、下手に目的が明確になった上に国難が続き、景気も悪くなったんで、むしろ全方位的に趣味の良かった90年代(特に前半)ステイリッシュを、ゲスく切り崩したとも言えるが、まあたとえば寿司でいえば「あら輝」だし、和食で言えば「龍吟」である。両店とも値付けは半額が適価だ(それでも高い)。
昭和の銀座だったらトゥールダルジャンとか、洋食の煉瓦亭とか、どちらも外食文化的にはとっくに切り崩されている。<コスパ>なんて言葉がない頃から、こうした<アンチコスパの悪しき老舗>の切り崩しは、 SNS なき時代の、正義の人々によって、(今では驚くべきことにだ)本名も顔も出したままの、かなりストレートな悪罵が浴びせられたもの。
ああ抹茶さんってレペゼンが金沢なんですね!!びっくりしたあ! 僕、金沢めちゃくちゃ好きなんですよ。金沢と大阪と沖縄が死ぬほど好きで、嫌いなところなんてないですけど、京都がややいけすかないかな?と思うぐらいです笑。
片町は本当に素晴らしく、2年前にジャズストリートにクインテットが出た時、小西さんに案内していただいたんですけど、ああこれがコロナ後の、理想的なウエッサイだと思いました。トー横はサグすぎというか、シャイカゴ(シカゴ)に近いんで笑。8店舗ぐらいしか入ってないですけど、きっとまずい店一件もねえんじゃねえかと思ってます。
毎度お馴染み、東宝「社長シリーズ」にも、金沢は、だいたいそうですね、ヨーロッパでいうとプラハとかライプツィヒみたいな「大学都市」みたいに描かれていて、日本史と日本地理に弱いので、実際の姿は、「今」しか見えません。ただ、21世紀美術館は、21世紀の美術を推すのだという意気やよし、ど20世紀のタレルルーム以外、特に外国人作家(そのほとんどがチーム)の委嘱作品とか、何回見ても、近くから見ても遠くから見ても、コンセプトシート読んでも読まなくても、全く何も感じず(良いとも悪いとも思えないです笑)、シンプルに、「これだったら、オレのがイケテルの作れると思うけど、、、、」と誤解しちゃうんですよ笑。
現代美術は、20世紀で終わったと僕は思います。そして、そのリスクの最大のものは、僕がそう思ったように、北野武さんや香取慎吾さんが「オレにもできる」と思い込んで、あまつさえポンピドゥーが金さえ出せば場所貸してくれる(それがリベラル?笑)ことだったと思っています。野爆のくっきーとは一緒に仕事もしましたが(六本木新現美のバスキア展の解説笑)、彼が超北野&香取なのか、何か持ってるのか全然評価が定まらなく、「ガレージ系のギターカッティングは本当にヤバいよな」というのも相まって、ずっとムズムズしています笑
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