タイトルはマンマ(イタリアで母親の事)でありまして、誕生日にJAZZDOMMUNISTERSのライブがあり、その一週間後にペペトルメントアスカラールの十周年記念コンサートが2日連続であり、その間に人間ドック(日帰り=逆にハード)があった。という事です。
なかなか難しいかもしれませんけれども、ワタシに移入して頂きたい。「健康に大変な自信があって、まだ年齢も若く、落命するような病気に蝕まれる可能性も殆どなく、友人知人も全員元気で、日頃から健康に気を使った生活をしており、つまり人間ドックなんて、どうせ何も出ないに決まっているのだが、一応、毎年の習慣、というか、代表取締役としての、職業的なハフトゥーゴーとして面倒くせえけど行くしかねえか」という様な事でしたら、相当気が楽か、そもそも予約をキャンセルしていたでしょう。
今となってはどういう順番かも憶えていませんが、とにかくこういう並びになりまして、心気症(自分が重篤な病気にかかっていると信じ込む神経症の症状)の患者だったら、誕生日のライブが人生最後のライブに成るのだと決めつけ、あらゆるシミュレーションをして上で、嘆き悲しむか、覚悟を決めるか、余りに症状が酷い場合は、10周年ライブの後に尊厳死とばかりに自殺し、死後「あのコンサートは自らの死を覚悟した上で臨んだ」かなんかで、まるで故・松田優作氏のブラックレインみたいな事に成るのだ、と、ヒロイックに絶望し、陶然としていたでしょう。
ワタシは幸いにして、そもそも心気症の患者ではありませんが(大槻ケンヂさんのお父上は重症の心気症で、毎日かかりつけの医者に行って、自分は胃がんではないかと聞くのが日課だったので、業を煮やした医師が「あんたは胃がんじゃないがノイローゼだ」と言った。という有名のエピソードがありますが)やはりこの歳になり、同世代や年長なら兎も角、年下の友人までが無くなったり大病したりするのを目の当たりにすると、「まあ、いつ何が出てもおかしくねえよな」と思うばかりですが、特に健康に気を使っている訳でもなく、シンプリーアイセイ、好きなように生きているので、特に何もしていません。
ただワタシは「<健康に気を使う=病気に成らないように生きる>という確実な方法を人類は実のところ一切知らない」と考えていますし(予防医学の権威が友人におりまして、酒席でその話をすると、怒られると思いきや「まあ、、、、そうなんだよな」と言われて「良いのかよそれオレじゃなくてお前が言うの」と突っ込んでいます)、絶対に間違いないのは、ワタシも含め、総ての人類は最後には死ぬので、要するにワタシは安く見積もってもかなりの運命論者だと言う事が出来、人間ドックが好きなのは(いま「え?好きなの(笑)」と思った方もいらっしゃるでしょうが)、占いが好きな女性と同じで、自分の現在の状態。というものをかなりの精度で目視出来る。という事に尽きる訳ですが、まあそれにしてもですな、年がら年中休み無く名盤を製作しながら、名ステージを繰り広げ、名講義を毎日のように行うという日々の務めを欠かさない上に、引退寸前の保安官にホールドアップされたり、業務上の(音楽上の、ではありまえん。エグゼクティヴとして)トラブルが絶えなかったり、サプライズもいっぱい。と、我ながら随分とジャジー(馬鹿騒ぎ)な暮らしだなと思うばかり。
もしドックで何か出たら、それが神からのレストの合図だと思う事にしよう。と毎年思っているのですが、どうやら神はワタシにまだまだやれと仰っているご様子で、今年は、過去6年間(現在の病院に定めてから。それ以前は別の医院で人間ドックを受けていました)の中でも最も良い数値と、最も綺麗な写真(内視鏡というのはあれはスパイの道具ですな。どんなに過酷な環境の中でもバンバン鮮明な写真が撮れます。これからは、セルフ内視鏡写真という究極の自撮りがインスタグラムを席巻するでしょう。可愛い男の子の直腸の中を、独特のテクニックを使ってすげえ可愛く撮る!!「小胃袋効果」!!「S字結腸を利用したアヒル口」!!!)が撮れました。
とはいえ今の所は脳のMRIの結果待ちと、これは人によっては恐ろしいと感じる方もいらっしゃるでしょうが、今回ワタクシ、初のオプション検査として「若年性のアルツハイマーに罹患するかどうかの可能性チェック」を2万数千円盛って行いまして、これの結果もすぐには出ません。これは「アリスのままで」という、若年性アルツハイマーを扱った映画を見まして、いやあオレとか一番成りそう(母親=産みの方。もそうだし→若年性じゃないけど)。もしなったら(以下、ご親族に患者がおられる方には不謹慎の誹りは免れませんが、「御親族に患者がおられる方」にはワタシも含まれるのは直前記した通りです)なんというか、あくまでワタシ自身が思う、ワタシ自身にとって、ですが、一番それらしい感じかも。とか思ってしまい、回りはワタシをどう扱うのだろうか、恐らく最初に気がつくのは大谷君だろうな。とか想像しているうちにオプション料金を支払っていました。この結果も包み隠さずご報告致します。
と、一読するに辛気くさくも思える段落を作ってしまいましたが、全然そんな事はなく、不謹慎だから記していないだけで、笑いながら書いています(笑)。
というか、そんな事は、本当にどうでも良い事で、ワタシの人生は演奏が出来れば、演奏を聴いて下さればそれで良い訳です。今回も御陰さまで両日とも満席頂戴し、感謝に絶えません。ステージでも申し上げましたが、あの規模の、非常にコスパの悪いオーケストラを、モダンアートの方々や、なんだか知らないが企業や自治体や何らかのアソシエーションみたいなものからスポンサードを受けておられる商業音楽の方々と違い、皆様からの木戸銭だけで維持して来られたのも、皆様と我々の共闘関係が勝利し続けているという事であり、その事実を誇りに思います。そしてその事をありありと実感出来るのは実際に会場に来て頂くのが最も確実である。という事であります。今回の2日間の中で、個人的なピークは、クラーベを導入し、中南米テイストで下部構造を改築した「行列」でした。クラーベを叩きながら、久しぶりで演奏中に実際のヒーラー/エクソシストになってトランスするかな。と思った瞬間が何度もありました。
今後も演奏し続け、そして、二次元で無料で得られる物だけで満足できると思ったが最後、ワタシの事などビタ一文も解らない遥か以前に、待っているのは、得意満面で妄言を吐きながら精神と肉体の餓死を待つしか無いという真実に対する警句を記し続ける所存であります。
とはいえ、えー、コホン。遠方にてなかなかライブに来られない。という方の為に初のDVD作品を出しましたので、えー、コホン。お買い上げ頂けると幸いです。それでもまだ、あれですら記録媒体に過ぎませんが、ワタシのオブセッションである「映画」に、より近づける様にディレクションしています。会場に来たファンの方に、握手とサインをくっつけて売りつける、中身薄なファングッズなど作るぐらいなら、明日からアルツハイマーになるほうが、ワタシにとって遥かに豊かで誠実な人生でしょう。
月末は大阪と京都に伺い、特に京都では、前回のアートイベントは余りにファンミーティング化し、京都が嫌いになりかけてしまいましたので、今回は、最前列のマダム達が全員寝ようと、聴講者全員が途中退場しようと、ガチンガチンのレクチャーをがっつり行います。
その為に日帰りの予定を返上し、レクチャーの時間を延ばして頂く様、ワタシ自身から申請させて頂きました。本当に音楽の、特にリズムの事を知りたい人は、世界中にいる筈です。最前列席取りのマダムは、そういう人々に席を譲るか、あるいは聴講自体をキャンセルし、今からキャンセル席を増産して下さい。もしワタシを愛しておられるとおっしゃるなら。話も聞かずに最前列でウットリされるよりも、そうして頂いた方がワタシは愛されていると実感します。木戸銭主義というのは、金さえ取れればそれでよしとする、ドラスティックなアイドル商売ではありません。客筋を落とさず、つまりメゾンのブランドカラーを誇りを持って守るという事です。ライブはいくらでもあります(既にやりすぎだと言われています・笑)。
来月はdCprGのツアー、再来月はソロライブとなります。会場でお会いしましょう。今の日本人は、自分でも理由が解らないまま呪い合っています。呪われるのも辛いが、呪うのは遥かに辛く、それが証拠に、実感としては辛さはそんなになく、むしろ没頭してしまう。呪いから自分を切り離しましょう。何も難しい事は無い。料金を支払って会場に来て、リズムとサウンドと一体化して体を動かせば良いのです。これは人類史上、最も古い祓呪や去呪の作法なのです。
いつ行っても気が思い着替え部屋。一日ドックは早朝8時入りで、要するに寝る時間である。導入剤を使って数時間の仮眠を取り、病院へ。
オプション群。何と見えない政治的な闘争がデザインに現れまくっている。文中にあるように、若年性のアルツハイマー(この広告にはなく、医師から口頭で勧められた)チェッカーを足す。
古くからのご贔屓にはおなじみの入り口。内視鏡操作では東京でも5指に入るそうで、その先生が筆者のファン(笑)。今回は「綺麗なもんだよー。まだまだやれるよー。TABOOレーベル」と言われた(苦笑)。
着替えました。ここから全行程9時間、ハワイまでのフライトとほぼ同じ。「人間ドック付きフライト」があれば良いのに、というか、実際、病因自体が機内みたいに思えて来る(患者を飽きさせない為に「オーションズ11」とか「MI 2」とかを院内のモニターにエンドレスでローリングしているので)
筆者の長年にわたる声枯れの原因が、何と咽頭系ではなく(胃部内視鏡で、鼻孔以下、声帯近くから食道直前までつぶさに見た結果、何も無かった)、何と「逆流性食道炎」による、胃散の逆流が声帯周辺を非している事が解った。要するに「声がかれる程飲み過ぎ、喰い過ぎ」ていたのである(苦笑)
症状の一つに上げられている。他の症状は少ないのだが、喉狙いに来ているのだ。自分の胃酸が(苦笑)。
こんなに酷くはないんですけどね。声が枯れる程度。というのも、良くわからないが(笑)。
という訳で、採血もレントゲンも視聴覚検査も終わり(高域の難聴は更に悪くなっていた)MRIは東部も腹部も終わり、胃部内視鏡検査の結果、ポリープひとつない、ピロリ菌一匹もいないツルッツルの胃であることが解ったが、いよいよコッチになる。
今年最大の衝撃。腸管洗浄剤(下剤)の名前が「ムーベン」でなくなったこと(笑)。なんだ「ニフレック」って(笑)。
ここから、腸内がからっからになるまで、4時間かけて下剤を飲み続ける。もう冗談じゃなく、海外旅行中の機内と思わないとやってられない。
まず、30分かけて一杯。
トイレには10回ぐらい行って、最終的に、飲んだ下剤がソックリそのまま出るまで続ける。ある意味完全なデトックスであり、流行のファスティング(食抜きダイエット)でもあるのだが、筆者がどちらも信用しないのは、毎年コレをやっても毒が抜けてスッキリした気にも、代謝が変わって体の作りが変わった事も無いからである。
いつも寝る前に見る「スッキリ」。テリー伊藤引退後は苦しい。そして下剤を飲み続けるオレも苦しい。頑張れ加藤浩次と菊地成孔。
と、実際の検査の写真等取れる訳も無く、総て終わって、今、とんかつ屋でほっとしているところ。とんかつ屋はドックを受けるとチケットをくれる。以下有料世界へ。