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記憶と結びつきの強い嗅覚を刺激する!注目される香りマーケティング施策10選
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記憶と結びつきの強い嗅覚を刺激する!注目される香りマーケティング施策10選

2024-02-06 06:30
    人間の記憶を呼び起こすとされる「香り」。その現象はプルースト効果と名づけられているほど昔から認知されています。そんな特徴を用いる香りマーケティングとは、五感のひとつである嗅覚に働きかけて行う販促活動です。記憶との結びつきが強いことを有効に活用することで、高いマーケティング効果が期待できます。

    2023年には香りを活用したマーケティング施策が数多く登場しました。その中から厳選した10事例をまとめてお届けします。

    ・※1参照元:『においと記憶』富田 雅義(日本医師会のニュースポータルサイト・日医on-line)

    1.旅の思い出は自分だけの香りにしてお持ち帰り!アイランドハーブ伊豆アロマの新プログラム

    伊豆下田にあるアイランドハーブ伊豆アロマから「香りのある旅」の提案として、アロマオイル作り、アロマエステ、アロマディフューザーなどの体験ができるホームページがリリースされました。

    伊豆の美しい景色を堪能して、お宿に着いたら、旅の思い出の記憶として、お好みのアロマオイルを選び、ブレンディングして、自分だけのオリジナルアロマスプレーが作れるというプログラム。旅の思い出を香りと一緒に持ち帰れば、自宅でも日常を癒してくれる「特別な香り」になります。

    漂ってきた香りで特定の思い出がフラッシュバックするといった経験は誰しもあるのではないでしょうか。そんな心理を旅の思い出と結びつけようという施策。お気に入りの香りが完成したら、また行きたくなりますし、あれこれ気分に合わせてつくってみたくもなります。また、地元の農産物をリサイクルしてアロマオイル加工しようという取り組みも素敵です。

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    2.LEDビジョンからキャラメルポップコーンの香り? 新たなデジタルサイネージの可能性

    透過性LEDビジョンだからこそ実現できる”WOW”なプロモーションを提案するデジタルサイネージメーカーK&G Visual Japanが、国内最大級のライブ・エンターテイメント展示会「LIVeNT 第10回ライブ・エンターテイメントEXPO」に出展し、『ポップコーンの香り』がする映像展示がなされました。

    できたてのポップコーンがその場に現れた驚きの体験のできる『香りのするLEDビジョン』では、高精細な映像からキャラメルポップコーンの匂いが漂うという演出とともにパンフレットもポップコーン風にして展示されるというおもしろい掛け合わせがありました。

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    3.香りを嗅ぎ当てられたら1年分をプレゼント 観覧車×消臭芳香剤の異色コラボキャンペーン

    “観覧車2.0:観覧車の常識”を覆すことをコンセプトとしている日本一の大観覧車「オオサカホイール」では、2023年5月15日より“消臭力 Premium Aroma”とのコラボレーションを実施しています。そして、8月に2日間限定のコラボレーションキャンペーンが追加実施されました。

    今回のコラボでは、「香りの観覧車」として、18分間の乗車時間をよりリッチに体験してもらえるよう「消臭力 Premium Aroma」をレギュラーゴンドラ内に設置し、香りの演出を提供。月替わりでさまざまな香りを季節や景色とともに楽しめる施策となっています。

    また、8月の限定企画では、観覧車のゴンドラに乗って「消臭力香り当てゲームに挑戦しよう!」と題して、クイズに正解すると『消臭力 Premium Aroma 1年分』が当たるキャンペーンを実施されています。

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    4.香水×本、五感を刺激する読書体験ができる! 即日完売の人気企画が再び

    ハイブリッド型総合書店「honto」は、タイトルを伏せ、テーマで本を選んでもらう企画商品「本のガチャ」のコラボレーション商品となる「本のガチャ×香水ガチャ®」第2弾をhonto本の通販サイトで販売しました。

    今回はニッチフレグランス専門店「NOSE SHOP」の6周年を記念して「NOSE SHOP 新宿」をはじめ、honto提携リアル書店の「丸善 丸の内本店」「丸善 お茶の水店」「ジュンク堂書店 池袋本店」DNPが運用するオープンイノベーション施設「DNPプラザ」内の「外濠書店」でも販売しています。

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    5.“言葉”ד香り”の文筆調香とコラボ、オリジナルな香りでヘアサロン体験を特別に

    文筆調香家の文香ヒロ(あやか・ひろ)さんが、「言葉」と「香り」を組み合わせたプランニング手法である「文筆調香」を活用し、渋谷の人気ヘアサロン「LECO」を象徴する「Scent Identity™」をプロデュース。

    今回のプロジェクトでは、渋谷の人気ヘアサロン「LECO」で代表の内田聡一郎氏をはじめ、スタッフの方々へインタビューを行いながらLECO「らしさ」を言葉として落とし込んでいったそうです。LECOの皆さんと生み出したコンセプト「LECOは、きっかけです。」を12種類の天然香料をブレンドすることで香りに昇華させ、LECOが持っている「らしさ」を可視化・可嗅化しています。その結果、顧客はもちろんスタッフたちもLECO「らしさ」を視覚と嗅覚で認識できるようになりました。今回製作したオリジナルの香りは「Chapter One(第一章)」と題し、LECOの店舗受付やお手洗いなどで展開されています。

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    6.こすると“香り”がする不思議なカードでクイズに挑戦!「カーネルズ・デーカード」とは

    創業者カーネル・サンダースの誕生日である9月9日の「カーネルズ・デー」に合わせ、全国のケンタッキーフライドチキン(KFC)店舗で、「カーネルズ・デーカード」を2023年9月9日(土)から数量限定で配布されました。

    レトロな色合いでどこか懐かしさを感じる「カーネルズ・デーカード」の最大の特徴は、なんと“香り”です。 カードオモテ面に描かれているカーネルの似顔絵を指でこすると、お馴染みのあの“香り”がするのだとか。 この時点で、なんの“香り”かは、まだ秘密となっています。「レッド」「ブルー」「イエロー」の3種類のカードそれぞれで異なる“香り”が用意され、カードウラ面のQRコードを読み込むと、“香り”の答え合わせができるようになっています。

    実際にカードをもらった人もそうでない人も、SNS上での投稿で盛り上がった施策となりました。

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    7.ヒットは小説から生まれる時代か 人気投稿小説と“香り”がコラボ

    ヒットチャートを席巻する「YOASOBI」を生み出した、ストーリーエンタテインメントプラットフォーム「monogatary.com」と「マッチのように擦って火をつけるお香」を展開する「hibi」がコラボ。原作小説の世界観をイメージした新たなお香スティックを、全国の蔦屋書店などで発売開始しました。

    今回、monogatary.comとhibiはコラボ企画として「10分間の恋」をテーマにした小説を募集。その大賞作品「そして手紙は羽になり/著・夕記すい」を原作として新たに開発されたhibi「はじまりの空」は、“主人公が夢に向かって羽ばたく凛とした姿をイメージした、甘く爽やかな香り”になっているということです。

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    8.香りのシールで事故抑止!? 大阪府東警察署の秋の交通安全キャンペーン

    大阪府東警察署は、イベントやライブなどで香り演出を行うSceneryScentと共に、安全運転をサポートする香りのシールを制作。香りのシールは9月末の「秋の全国交通安全運動」で配布されました。

    大阪府下の交通情勢は厳しく、昨年の交通事故死者数は全国ワーストを記録。自分本位で心にゆとりのない「いらち運転」を抑止し、交通事故を減らすべく、香りを生かした今回の施策が行われました。

    今回制作された香りは、集中力を高めつつ、精神的な緊張を和らげて眠気やイライラを抑えるもの。爽やかな柑橘にスッキリとしたハーブ、リラックス効果のある木の香りを配合し、運転時に最適な香りが完成しました。香りのシールを受け取った運転手からは「爽やかな香りで目が覚めながらもリフレッシュできる」「自分の好きな所に気軽に身に着けることができて便利」などの声が寄せられているといいます。

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    9.香りを言語化するAI登場。言葉からイメージされる香りを選べる!

    「嗅覚」のビジネスデザイン集団であるSCENTMATICは、ロンドンで開催されたデザインイベント「ロンドンデザインフェスティバル(London Design Festival) 2023」内にて、香りと言葉の融合体験ができるAIシステム「KAORIUM」を、2023年9月16日(土)から24日(日)まで出展しました。

    KAORIUMは、香りに対するイメージの言語化や、AIの言葉を頼りに自分の好きな香りを探すことを可能にするツール。イベント中は800人以上が体験し「イギリス中の店舗でKAORIUMを活用したい」「KAORIUMは多くのお店で導入されるべきだ」などの感想が寄せられたといいます。

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    10.焼酎が持つ香りの変化を若い世代にも楽しんでほしい、定期便「旬の蒸留酒」誕生の理由

    千葉の本店をはじめ、お酒のセレクトショップ「IMADEYA」を展開する株式会社いまでやは、宮崎県で焼酎などの蒸留酒を生産する酒造と共同で、蒸留酒をテーマにした初のサブスクプラン「旬の蒸留酒」を開発しました。「本格焼酎の日」と制定されている2023年11月1日より数量限定で、2024年1月配送分からの予約を開始しました。

    この定期便は、焼酎が持つ香りの変化を若い世代にも楽しんでもらおうと開発されました。ジンやウイスキーなどの蒸留酒がブームになる一方で、同じ蒸留酒である焼酎の市場規模は減少傾向にあります。しかし焼酎は本来、その多様な香りを楽しめる蒸留酒。そこで、この定期便では、12種類の香りを野菜や果物などの作物に例えて、その作物の時期に合わせて届けます。日本酒の新酒や、ワインのヌーヴォーのような「旬」を感じづらい蒸留酒ですが、この定期便で蒸留酒の旬を味わい、楽しんでもらえるきっかけを提供しています。

    届けられる商品は、IMADEYA、宮崎県の小玉醸造、柳田酒造、渡邊酒造場、若手クリエーターの3者によって共同開発されました。生産者は、香りの方向性が異なる12種類の蒸留酒を開発、その香りをいまでやが季節の野菜や果物に例え、外部の若手クリエーターがネーミングやデザインを設計しています。

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    香りマーケティング10選

    商品やサービスがあふれる現代は、機能的価値のみの訴求では広い認知は進まなくなってしまいました。そのため、感情を揺さぶることで価値を高め、ストーリーで売り込む戦略が重要となっています。

    香りによる嗅覚への働きかけは、記憶のすばやい呼び起こしや気持ちの効用による記憶の定着をもたらします。また、視覚や聴覚への働きかけよりも大きな効果が期待できることも知られています。そのため、香りをマーケティング活動に活かすことが注目され、さまざまな形での活用が登場しています。

    今後もどのような活用のアイデアが誕生するか期待したいところです。

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