極限まで低い解像度、究極に抽象的な表現。元任天堂デザイナー運営の「DOTOWN」とは

元・任天堂デザイナー前田高志と共に“デザインの楽しさ”を追求するクリエイター集団「前田デザイン室（現：マエデ）」は、素材ダウンロードサイト「DOTOWN（ドッタウン）」を運営しています。そんな「DOTOWN」が、中国を代表する国際デザイン賞のひとつ「DIA2023」で「Honorable Mention」を受賞しました。

DOTOWNとは、可能な限り低い解像度で、究極に抽象的な表現をした「粗ドット素材」をダウンロードできるサイト。「動物」「文房具」「バレンタイン」などのキーワードで検索すると、ぴったりの素材一覧が表示されます。全ての素材は無料でダウンロードや商用利用が可能とのことです。

ドットの集合で成り立つデザインは、抽象的でごくシンプルな中にも多くの情報が詰め込まれており、ぱっと見で誰でも理解できるようになっています。こうしたユニークな表現が幅広い国籍・年代に受け入れられ、今回の受賞につながりました。

AIや映像技術の進化により、広告やPR業界のクリエイティブは斬新さや精巧さ、美しさなどで評価されることが多くなりました。そんななか、あえて解像度の低い、究極に抽象的な表現をした「ドット絵」がいま評価されています。レトロゲームを思い出すような懐かしいデザインは、見る人に親近感を与え、「他にはどんな素材があるのだろう？」とワクワク感まで与えてくれるもの。ドット絵に秘められた可能性を感じる事例です。

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