カレンダーはもうすぐ6月。全国的に例年より早く梅雨入りして、ジメジメジトジト、洗濯物が思うように乾かない季節が訪れました。出勤の朝など、雨が降っているとそれだけでちょっとブルーですが、そんな気分を払拭してくれる素敵な傘をご紹介します。
トンボのマークが印象的な「前原光榮商店」は皇室御用達の洋傘店です。
「前原光榮商店」は「生地を織る」「骨を組む」「加工」「手元」という4つの工程に並々ならぬこだわりを持っているそう。生地は甲斐織物の産地であった山梨県の富士山麓にある伝統的な機(はた)により丹念に織られ、骨は角材を少しずつステッキのような形状に削り、熱を加えながら少しずつ真っ直ぐに仕上げます。その後で磨き上げた中棒に「はじき」を全て手作業で埋め込んで骨を組みます。
加工職人は何とこの道50年以上の大ベテラン。生地を裁断・縫製し骨組みに張っていきます。加工職人の腕一つで完成後の良し悪しが決まるそうですよ。最後に作られる手元には様々な木が使われるとのこと。手間を掛けた曲げと塗りが深みのある手元を生み出すのです。
「傘」という文字にある4つの「人」の文字に、生地・骨・手元・加工の4つの工程を受け持つ匠の数を重ね合わせているとのこと。匠の技の融合なしでは完成できない洗練された傘なんですね。
女性用の傘はシンプルな無地のものから花柄を基調としたものまで、エレガントで上品なデザインばかり。カラーバリエーションも豊富なので迷ってしまいます。お買い求めの上、貴婦人になったつもりでお出かけしてみてはいかがでしょう。男性用の傘も充実していますので、父の日のプレゼントやパートナーへのギフトにもおすすめです。
憂鬱な雨の日は、この洋傘を差すだけで心が晴れるはず。身のこなしにも磨きをかけて、本物の紳士淑女を目指してみましょう。
(文/六島京)