弱いなら弱いままで。
『黒いトランク』と双璧をなす鮎川哲也の長編代表作である。途中で人物の出入りがあるため狭義のクローズド・サークルには入らないが、のちの新本格の綾辻行人や有栖川有栖の「館もの」に膨大な影響を与えたと思われる歴史的な小説だ。
昔、ある実業家によって建てられた「ライラック荘」は、その実業家が株の暴落によって自殺して以来、「りら荘」と呼ばれ、芸術系の大学の保養地となっていた。そのりら荘に大学の美術部と音楽部の学生たちが訪れる。日高鉄子、行武栄一、尼リリス、牧数人、橘秋夫、安孫子宏、松平紗絽女の七名。
それぞれに愛憎を抱えたこの七人が集ったりら荘で、恐怖の連続殺人事件が発生する。最初の死者は炭火焼き小屋の中年男。そしてその死体の傍らにあったのは、どこへともなく消えたトランプのスペードのエースだった。
やがてそれに続くように殺人が起こり、その傍らにはスペードの2が置かれていた。そしてまたそ
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
2012/11/08(木) 21:54 【無料記事】電子書籍『Kindleでいますぐ読める傑作小説101』を企画中。(1651文字)
2012/11/10(土) 13:57 【無料記事】依存性の強さはヘロイン以上! タバコもまたドラッグ。(1812文字)