最近、アニメ版が完結したばかりの『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』という小説をご存知だろうか? じつはぼく、先日、そのアニメのほうを一気に見てドハマりし、いま、原作を全巻まとめて買って読んでいるところなのだ。

 いやあ、面白い。めちゃくちゃ面白い。まだ暫定だけれど、今年のベストはこれかな、というくらい。

 ただまあ、そこまで才気走った話ではない。世にも秀抜な傑作かというと、そうでもないかもしれない。しかし、ぼくはこの話が非常に好きだ。アニメを繰り返し流したり、小説を何巻も延々と読みつづけたりしてしまうほどに。

 それでは、この作品の何がそれほど優れているのか? それはひっきょう、主人公の「悪役令嬢」カタリナ・クラエスの魅力に尽きる。

 悪役令嬢ものというジャンルの解説は省くので気になる人は自分で調べてほしいが、この作品における「悪役令嬢」であるカタリナはじっさ