『HUNTER×HUNTER』のゴンはなぜ病んだか。レバレッジで成長する代償は深刻。（2233文字）

　こういう人生訓めいた記事はあまり人気がないと思うんだけれど、自分自身のメモとして書いておこう。その時々での「気づき」は、ちゃんと書き留めておかないと、すぐに忘れてしまったりするからね。

　さて、ぼくはこのブログで何回か「正しい努力」「正しい成長」という言葉を使っています。こういった言葉の背景には「ひとが成長するためには正しい順序で努力を積み重ねていくことが重要である」という考え方があります。

　この場合の「正しい順序で積み重ねる」とは、成長の階段を飛ばさずにていねいに登って行くことを意味しています。自分に負荷をかけて一足飛びに成長し飛躍しようとするのではなく、一段一段、自然に階段を登って行くこと、それがまっとうな人生においては重要なのかな、と。

　自分に過剰な負荷をかけレバレッジ（てこ）の原理で飛躍しようとすれば、たしかに大きく成長できるかもしれないけれど、その代償は大きい。『HUNTER×HUNTER』のゴンを見ていればわかりますが、そういう手段を使うと精神も肉体もボロボロになってしまうものなのです。

　一時的な飛躍のかわりに長期的な成長を犠牲にしているといってもいい。それこそゴンのように、そういう手段がどうしても必要な場合もあるでしょう。ぼくはそのことを否定しません。しかし、しょっちゅう使える手ではないこともたしかです。

　いつもレバレッジで成長していけばあっというまに大人物になれるように思えますが、それは危険な錯覚です。じっさいには、一人前になる前に人生そのものが破綻しているでしょう。めんどうでも努力はていねいに積み重ねる必要があるのです。

　こう書いても、ぼくが何をいわんとしているのかピンと来ない方もいらっしゃると思います。もう少しくわしく説明しましょう。