不安でたまらない人たちへ―やっかいで病的な癖を治す

 不安だ。何がどう恐ろしいというわけではないのだが、ただ何となくこれからのことが心配で胸がさわぐ。心が乱れる。

 あしたの会議、失敗したらどうすればいいだろう。会社を解雇されたら、この先どうやって生きてけばいいのか。来年の受験、目標校を落ちたらどうしたらいいだろうか。両親は許してくれないかもしれない。そうだ、もし火事が起こったら、病気になったら、恋人にふられたら、自分はどうすればいいんだろう。ああ、どうしよう。どうしよう。どうしよう……。

 そんな、あいまいな、漠然とした、根拠のない不安。それが心を強くさいなんで、どうしても眠れない。あなたにはそういう夜はないだろうか。ぼくのばあい、近頃でこそ少なくなったが、かつてはしょっちゅうだった。