声優魂 (星海社新書)
「明夫さん、なんで私に仕事が来ないんでしょう……」
 ある時、私にそう相談してきた若手がいました。一番下のランクであがいている声優です。
 同じ現場にも入ったことがある私はすぐに答えました。
「下手だからだよ」

 大塚明夫『声優魂』を読み終えました。

 これはちょっと快心の名著ですね。相当に売れてもいるようで、ぼくは自宅周辺の書店では入手できず、Amazonでも見つけられずに、結局、書店横断検索をしてブックオフオンラインで購入しました。

 手間をかけた甲斐のある読書だったと思います。

 ぼくは特に声優に興味があるほうではなく、もちろんこれから声優になるつもりもさらさらありませんが、「プロフェッショナルであること」について学ばせてもらったような気がします。

 ただのカン違いかもしれませんが。いや、カン違いであるとしとても、実に充実した読後感です。

 素晴らしい内容なので、特にこれから就職して社会に出るような世代の人たちには全力でオススメします。

 「社会人としてのあり方」を学習するためにはこれ以上ない一冊かと。

 本書の趣旨は一貫しています。

 「声優だけはやめておけ」。

 これに尽きる。

 一見すると