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17,200時間、地球約17周の無駄について。
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17,200時間、地球約17周の無駄について。

2013-02-21 20:03
    17,200時間、地球約17周の無駄について。

    今回は寄金 佳一さんのブログ『Handmade Future !』からご寄稿いただきました。

    ■17,200時間、地球約17周の無駄について。
    17,200時間、地球約17周の無駄について。
    往復2時間の通勤を年間200日、22歳から65歳まで続けたら、17,200時間。40年ちょっと働いて、うち2年間に相当する時間は、通勤のためだけに費やされる。

    仮に片道40kmだとしたら、688,000kmの移動距離。数千万人が地球を約17周するエネルギーって、いったいどれほどのものなんだろう。人間は、本当にこんなに移動しなきゃいけないんだろうか。

    真剣に「変だ」と思わない?

    ●移動しないのが最も省エネ
    よく妻が「セールだから買い物に行こうよ」と言うので、何を? と問うと、特に買う物が決まっているわけじゃない。だから僕は、安いものを買うより、何も買わないほうが安く済むよ、と言う。

    もちろん、妻の気持ちはわかるんですけどね。ただ、我が家の場合、好きなものを好きなだけ買える富裕層ではないので、買ってしまったら何かを我慢しなければならなくなる。もっといいお金の使い方があるんじゃないの? という問いかけなんです。

    同じような話は、世の中にいくらでもある。車メーカーは燃費の良さや排出ガスの少なさを競ってるけど、車が一切なくなるほうが遙かに環境にいいし、年間4,000~5,000人も事故死している人の命が救われる。省エネ家電を使うより、電気を使わないのが最も効果の高い節電。

    17,200時間、地球約17周の無駄について。

    また、もっとも地球環境に優しいのは人間が存在しない状態だ。人類の存在を否定しないのなら、人間が活動しないのがもっともエコ。生命を維持するのに充分なだけの栄養を摂取して、寝て過ごす。アクティビティはすべてバーチャルリアリティで……つまり、映画『マトリックス *1』のような世界が、最高に効率がいい。

    *1:「マトリックス_(映画)」 『wikipedia』
    http://ja.wikipedia.org/wiki/マトリックス_(映画)

    ●通勤は本当に必要な労力なのか?
    非現実的な提案をしよう、というわけじゃないんです。もちろんこれはトレードオフの問題。車が一切なくなればいいと言ったって、現実問題として車がなければ「健康で文化的な最低限度の生活」が難しいケースがある。自動車メーカーや関連会社の雇用が失われる問題もある。電気を使わないと言ったって限度がある。冷蔵庫や洗濯機が使えなかったら、真剣に困る。

    移動についても、例えば東北復興のために新幹線で頻繁に被災地入りするのは必要な労力。お金や物資を投じて当面の生活を助けるフェーズは終わり、被災地そのものが自立してやっていけるように、組織作りや事業のノウハウを持った人的資源を投入する段階に入っているから。人が行かなきゃ解決できない課題が山積している。

    問いかけるべきは、

    今あなたがやっていることは、17,200時間、地球約17周の労力をかけるだけの価値があるんですか?

    もっと有意義な(あるいは、満足できる)時間とエネルギーの使い方は無いんですか?

    人は、社会で生きるのに一所懸命になっていると、宇宙の広大さを忘れてしまう。同じように「自分は地球を17周している途中なんだ」という境遇も忘れてしまう。違和感がなくなってしまう。

    でもいい加減に、真剣に考えませんか。

    ●きっかけさえあれば変えられる
    かく言う僕は、東日本大震災を機にフリーエージェントになって、「通勤」という概念を消した。

    でも正直に言って、通勤が嫌でフリーエージェントになったわけじゃない。「いつか通勤なんか止めてやるぜ」とは思っていたものの、それだけを理由にフリーエージェントになる決断はできなかった。そんなことを妻に言ったら蹴飛ばされるだろう。

    何を犠牲にしても、子育てがしたかった。これだけは絶対に譲れなかった。子供とすごす時間を確保するための選択肢として、僕にはフリーエージェントという道しか残されていなかった。

    いま、労働時間は平均して10時間前後。一つ屋根の下8人分の夕飯も用意している。子供とすごす時間がどこから捻出されているのかと考えると、それはまるまる通勤の時間だ。完全な裁量労働にして、通勤時間を削減する以外に、僕には方法がなかった。

    僕は子育てがきっかけだった。今はどうにもしようがなくても、何かしらきっかけさえあれば、誰でも現状は変えられる。

    「仕事をしているからそれは無理」ではなく、「こうしなきゃいけないから仕事はどうしよう?」と考えられるかどうか。きっかけが訪れたときにゼロベースで柔軟な発想ができるように、今か今かとチャンスをうかがい、爪を研いでおこう。

    執筆: この記事は寄金 佳一さんのブログ『Handmade Future !』からご寄稿いただきました。
    寄稿いただいた記事は2013年02月18日時点のものです。

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