梅雨の時期も終わりに近づき、地方によっては梅雨明けしたところも。
さぁ、夏だ!と外に出て遊びたい季節になるのだが、特に女性は日焼けが気になるところ。
日焼け止めが手放せないこれからの時期、本当に日焼け止めになるのかどうか実験してみた。
紫外線とSPF・PAのお勉強
その前に、日焼けの根本と、SPFやPAのことについてお勉強しておこう。
日焼けが紫外線によって引き起こされるのは広く知られている常識だ。
その紫外線とは何か。ちょっと難しいが、ラジオやテレビ、携帯電話の電波や光(可視光線)、電子レンジのマイクロ波、赤外線、レントゲンでおなじみのエックス線や放射線として知られているガンマ線などとともに、紫外線も電磁波の一種。
電磁波は波なので、その波長(波のスタートから底、頂上を経てスタートラインに戻るまでの長さ)によって分けられている。紫外線は目に見える可視光線よりも波長が短く、エックス線よりも長い波長の電磁波のこと。
波長が短いほど、なんでも透過してしまい危険になる。エックス線は体の中を一部通り抜けるので、骨だけが写真に写るし、さらに波長の短いガンマ線は生体の設計図であるDNAを傷つけてしまうので、放射線障害となる。
さて、この紫外線はさらに細かくUV-A、UV-B、UV-Cに分類される。
最も危険なのはUV-Cだが、これはオゾン層により地表にはほとんど到達しないので気にするほどのものではない。
UV-Bがいわゆる日焼けの主因であり、人間はメラニン色素を生成して皮膚を守る防御態勢をとる。
一方、UV-Aが照射されると、人間は生成されたメラニン色素を最終的に褐色から黒く変化させ環境に適応しようとする。適応するのはいいのだが、これは後々シミの原因となる。
では、日焼け止めに書かれているSPFやPAとは何のことか?
いずれも数字や+が多いほうが良いという感覚が一般的だろう。
SPFは主にUV-Bを防ぐもので数字の単位は、すばり「時間の倍」だ。
つまりSPF50は、時間で50倍日焼けするのを遅らせる効果が期待できるということで、50倍日焼け止め効果があるわけではない。
一般論としては日焼けまで20分程度とすればSPF50の場合、1000分=16時間40分は効果が期待できるということになるが、時間とともに効果は薄れてくるので塗りっぱなしというわけにもいかず、そのあたりはやはり目安と考えたほうが良い。
また注意を要するのは、相対表示であって絶対表示ではないということ。
例えば、10分で日焼けする人がSPF50を使用した場合は500分は大丈夫かなという意味で、30分で日焼けする人がSPF20を使用した場合は600分は大丈夫かなということになり、個人差により期待値が変わるということだ。
ちなみに、SPF50+は51以上という意味。
一方、PAはUV-Aを防ぐ効果を表している。+から++++までの4段階で、PA++++は極めて高い効果があると定義されている。
検証開始のはずだったが
お勉強はこれくらいにして、さっそくモデルさんの協力で実験開始!となったのだが、雨は降るわ霧はかかるわで、日焼けどころではなくなったので検証中止。
日を改めることになった。
再検証
日を改めて、検証再開。天候は晴天ではない曇天。
使用したのはカネボウ化粧品のALLIEブランドのエクストラUVジェル(ミネラルモイスト ネオ)。特別な商品ではなく、どこでもいつでも手に入るものでSPF50+、PA++++。
写真はビフォーのもの。
メーカーに聞いた推奨のやり方で左腕だけに塗っていく。
検証結果
そのまま屋外で4時間ほど過ごす。
写真向かって左側の塗っていない右腕がなんとなく赤いような気がするが、よくわからない。
そこで、マクロレンズを使って近接撮影。いずれもオリジナルのもので補正は一切行っていない。
写真は日焼け止めを塗った左腕。
そして、塗っていない右腕。
赤くなっていた。日焼けの初期症状だ。
日焼け止めの効果は確認できたが、前述したように個人差があり絶対的な表示ではないので、日焼けの仕組みや表示の意味をよく理解して、それぞれの選択でサマーライフを楽しみたい。
※写真はすべて記者撮影
モデル 大山聖生(さとみ)
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか