今回はほんたべさんのブログ『ほんものの食べもの日記partⅡ』からご寄稿いただきました。
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■遺伝子組み換えナタネの自生調査に行ってきた
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ラウンドアップ耐性GMナタネの自生はけっこうな問題になっております。
見ただけじゃわからないから「きれーだな」って思ってる人の方が多いでしょう。
人知れず道端にGMナタネが生えてるなんて、すんごくヤーな感じ。
春ですねえ。あちこちに菜の花が咲いていますよ。
多摩川べりに自生してる菜の花はとってもきれいでおいしそうなんだけど、そう言えば食べたことないなあ。
ハッと気づいたらいつも全開で食べごろ逃してるんだよね。
まあ、いいか。
さて、この菜の花。
とある国道の中央分離帯や道端に生えてるやつに、遺伝子組み換えナタネが混じってる可能性があるってことは一般的にはあまり知られていない。
とある国道ってのは、大きな港のそばにある国道のことで、全国に何か所かある。
なぜそこで遺伝子組み換え(以降GM)ナタネが自生するかと言うと、港から製油工場や飼料工場に運ばれる間に、GM作物がこぼれちゃってるからなのである。
「「平成22年度遺伝子組換え植物実態調査」の結果について(PDFデータ)」
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/c_data/pdf/22_natane.pdf
「遺伝子組換え植物実態調査結果(平成18~20年実施分の取りまとめ)対象植物:ナタネ類(PDFデータ)」 平成22年8月 『消費・安全局 農産安全管理課』
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/c_data/pdf/keka18-20.pdf
実はこれ、GMナタネだけじゃなくて大豆やコーンも見つかっている。
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道端におっこちてたトウモロコシ。GMかどうかはわかんないけど
ほんとに落っこちてるのだなあと不思議な気がしたです。持ち帰って
ほんたべ農園で栽培しようと思ってたのに、レンタカーに忘れちゃった(泣)。
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中央分離帯に自生してる菜の花。在来ナタネだったりするけど
GMナタネの可能性もある。鹿島港ではこんな感じでへろへろ生えてました。
自生して花が咲けば種もできるわけで、また、花が咲けば花粉が飛ぶわけで、その花粉が地域の在来ナタネと交雑しちゃう可能性もあるわけで、GMに汚染される可能性が全くないとは言えないわけで。
ということで、春になると「ナタネ抜き取り」をしたり「GMナタネ自生調査」をしている市民団体がいくつもある。
んで、今回「遺伝子組み換えいらない!キャンペーン」さんの調査に同行させていただき、茨城県の鹿島港に行って来た。
鹿島港周辺には飼料工場がたくさんあり、いいにおいが漂っている。
でかいトラックがスピード出してバンバン通るなか(怖かったよう~)、自生しているナタネを見つけて、簡易キットで調査してみた。
調査の対象はセイヨウナタネ、カラシナ、在来ナタネの3つ。
自生しているものを採取し、葉の形で分類するのだ。
意外と面白かったのだ。
そして、結論。
今回は12検体採取し、GMナタネは一検体も出なかった。
去年は一検体だった。れれれ? 意外と少なくない?
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簡易キットでは葉っぱを水に浸してよくつぶしこういう試験紙を浸します。
んで横線が2本でたら陽性(GMナタネ)ってこと。これは陰性。
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昨年鹿島港で出た陽性(写真左から二番目)。こういう事言っちゃなんだけど、現物を見たかったなあ。いや、出ないのが一番なんすけどね。
(写真提供・大地を守る会)
鹿島港はGMナタネが自生している率が少ないと、キャンペーンの方は言う。
その理由はなんだろう?
農水省の調査結果を見ると、鹿島港では平成19年・20年と、GMナタネは見つかっていない(22年には見つかっている)。
19-20年に見つからなかった理由は不明だ。
ちなみに、鹿島港は日本で一番最初にGMナタネが見つかった港である。
調査結果ではGMナタネは千葉・四日市・博多港でとくに多く、調査したものの60%以上にもなっている。恐ろしいぞ。
その他の港でも陸揚げされているが、見つからないところも多い。
おそらくその理由の一つは、密封コンテナを使用する等のこぼれ落ち対策を取っているからってことのようだ。
つまり、努力の結果ってことよね。
全く減っておらず増え続けている港と、着実に減っている港。
農水はこぼれ落ち対策について、とくに熱心に聞き取り調査を行っていない。
物理的な対策を取っているか取ってないかの違いなら、徹底すれば結果が出ることは自明のような気がするんだが、その他にも理由があるのかな。そのあたりは調査結果からは読み取れない。
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昨年は地震の液状化などで道路がグダグダだった鹿島港だけど今年はきっちり修繕されてました。港のすぐ脇にある昭和産業のでかい工場。
昭和産業といえば、GM食べない一か月のときにてんぷら粉のことで電話したなあ。
ここにあるのはナタネじゃなくてでんぷん用のコーンだよね。
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GMナタネをかぎわけるGM犬!? ってわけではなく、かわいいので大きさの比較のため、モデルになってもらったです。
このナタネもGMナタネではなかったです。
鹿島港でこぼれ落ち対策を取られているかどうかは不明だ。
しかし、鹿島港では今年はGMナタネの自生はゼロだった。
菜の花自体がなかったから、天候の具合もあったのかもしれない。
あるいは刈り取ったのかもしれない。
農水省の調査結果にもよるけど、
なんとなく、茨城県でアブラナ科の自家採種をしている農家は一安心かも。
交雑したりしなかったりって話より、自生してないのが一番である。
(交雑してるって結果も出ているからね)
しかし千葉港は違う。
ここんとこずーっとGMナタネの発見率は高まっている。
千葉港につながる国道沿いの菜の花は、2本に1本はGMナタネってことだ(博多も四日市もだ)。
ってことで、千葉港界隈の国道をドライブする際に菜の花を見つけたら抜いちゃってください。
あと、そこいらの菜花は食べない方がいいと思いますです。
執筆: この記事はほんたべさんのブログ『ほんものの食べもの日記partⅡ』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年04月13日時点のものです。
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