第46回衆院選が公示され、本格的な選挙戦が幕を開けた。普段、辻説法をしている姿などついぞ見たことがない議員も、“無職”となったこの選挙期間だけはこまめに駅前や繁華街を回り、実績やビジョンをアピールし、頭を下げる。その姿はまるで就活生のごとし。
ところで、選挙演説をしている彼らの足元に目を向けてみよう。都心では選挙カーの上から声を張り上げる候補者が目立つが、少し郊外に移るとプラスチック製のミカン箱やビールケースを踏み台に利用している候補者も多いようだ。首相経験もある某大物政治家はビールケースを踏み台として愛用しているし、東北出身の御大は愛媛県でプラスチック製のミカン箱の上に立った。
このプラ製のケース、ダンボールパックと缶ビールが主流となった現在ではあまり見かけないアイテムになってしまったが、政治家にとっては身近なものらしく、彼らの足元を支えるのに活躍している。
だが、専用の踏み台を用意したほうが頑丈で安定するはずのところ、あえてミカン箱やビールケースを選択する理由は何なのだろう。総資産20億円以上とも推定される東北の御大は言うに及ばず、他の候補者たちも、没収される恐れのある供託金300万円をポンと払えるご身分の人たちだ。まさか踏み台が買えないほど貧乏なわけでもあるまい。もしかしたら、理由というよりも何らかの意図があるのかもしれない。
選挙中になるとミカン箱やビールケースの上に立つ政治家。この謎を日本の選挙戦七不思議の1つに数えたい。
画像:ビールケース(amazon.co.jpより引用)
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