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ウクライナ選手ひとりの行進=ソチパラリンピック開会式(撮影:越智貴雄/3月7日)

ウクライナ情勢が緊迫感が増すなか、17日にソチ・パラリンピックが閉幕した。大会前にはボイコットを示唆していたウクライナ選手団だったが、開会式直前に参加を表明し、金メダル5個を含む25個のメダルを獲得した。

一方でウクライナの選手達は、競技会場などでの政治的な宣伝活動を禁じる「五輪憲章」に反しない範囲で、静かに抗議の意志を示した。現地で取材を続けた越智貴雄氏の写真とともに、ソチ・パラリンピックを振り返る。(協力/カンパラプレス http://www.kanpara.com )


■メダル授与式での沈黙の抗議
 
ウクライナの選手達は、メダルセレモニーではメダルを左手で隠して「沈黙の抗議」をしていた。笑顔で授与式を迎えたいはずなのに。
 
ただ、選手によって異なるが、日ごとに表情も変わってきた。例えば、国旗掲揚中にメダルを隠すのは変わらなくても、ウクライナの選手が自ら笑顔でロシア選手に握手を求めたり、観客からの声援にはにかんだりもしている。選手は、純粋に4年間の成果を喜びたいのだと思う。見ていて心が痛かった。

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■急転直下、開会式直前の参加表明

ウクライナ・パラリンピック委員会(UPC)は、7日夜に開かれた開会式の直前に参加を表明した。

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ウクライナ選手団の大会参加を発表するウクライナ・パラリンピック委員会(UPC)のヴァレリー・シュスケビッチ会長。会見では「平和を強く願う」と訴えた(撮影:越智貴雄/3月7日)

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バイアスロン代表のグレゴリー・ボブチンスキー選手。「私たちはスポーツへの愛情と誇りを持っています」と話した(撮影:越智貴雄/3月7日)

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頭を抱えるヴァレリー・シュスケビッチ会長(撮影:越智貴雄/3月7日)

<越智貴雄(おち・たかお)プロフィール>
1979年、大阪生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業後、東京に拠点を移し、ドキュメンタリーフォトグラファーとして活動開始。ライフワークとして、2000年から国内外のパラリンピックスポーツの撮影取材に携わる。2004年、パラリンピックの競技スポーツとしての魅力を多くの人に伝えたいとパラリンピックスポーツ情報サイト「カンパラプレス」を立ち上げる。写真は、報道、広告、写真展など数多くの媒体で使用されている。
2012年には、陸上アスリート中西麻耶選手の競技資金集めに協力するため「セミヌードカレンダー」を1万部出版し、国内外で話題となった。2013年9月のブエノスアイレスで開催された2020年東京五輪パラリンピック招致の最終プレゼンテーションで、佐藤真海選手のスピーチ中に「北海道で撮影した跳躍写真」が使用され話題となった。2013年より、義肢装具士・臼井二美男氏の作成した義足を使用する女性たちにフォーカスした「切断ヴィーナス」の撮影に精力的に取り組んでいる。