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百田尚樹氏がやしきたかじん氏(享年64)の晩年を描いたノンフィクション『殉愛』(幻冬舎)に対し、たかじん氏の長女・Hさんが週刊朝日で反論インタビューに答えたことが、波紋を広げている。

参考記事:週刊朝日で故・やしきたかじん氏の長女が『殉愛』に反論!

本日発売の週刊朝日(12月26日号)では、先週に続き、たかじん氏の死去3カ月まえに結婚した32歳年下の妻・さくら氏が、遺産相続を巡ってどのような行動をしていたかを検証する記事を掲載した。記事によると、Hさんには遺産の4分の1を相続する権利(遺留分)があるため、弁護士はさくら氏にHさんに1億円を渡すことを提案したが、さくら氏は「主人(たかじん氏)の遺志とは大きく異なる」と拒否し、不信感をもったさくら氏は最終的には弁護士を解任した。そのほか、たかじん氏の遺言書に書かれていた一般社団法人などへの計6億円の遺産遺贈先にさくら氏は遺贈放棄を迫り、その話し合いの場には百田氏も同席していたという。

一連の疑惑について、百田氏は週刊朝日のインタビューに応じ、一問一答形式で反論している。本が出版された当初、さくら氏の「無償の愛」が話題になったことについては、「『殉愛』の中で『無償の愛』とは一行も書いていない」と語っている。

この騒動をめぐっては、週刊文春、週刊新潮、フライデーなどが大筋で百田氏とさくら氏の主張をそのまま掲載し、週刊朝日、サンデー毎日、女性自身が批判的な視点で取り上げるという、ニュース系週刊誌の論調を二分する展開になっている。その背景には、書籍販売の売上げで経営を支える文藝春秋や新潮社では、売れっ子作家の批判は「作家タブー」として取り扱いが難しいことなどが指摘されている。

ある週刊誌関係者は、「百田氏の作品を販売していない朝日・毎日の新聞系週刊誌だから批判記事が書けたのでしょう。ただ、ネットではすでに作品への疑問の声が高まっているので、フリーランスのジャーナリストたちも『殉愛』の検証を始めています。この人たちは手加減しないから、週刊朝日よりも激しい批判記事になるのではと噂されています」と話す。

論争の行方はどうなるのか。Hさんが幻冬舎に起こした出版差し止め訴訟は来年1月に始まる。