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高野孟:ワシントン・パレードが米政府に「辺野古断念」を決断させる
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高野孟:ワシントン・パレードが米政府に「辺野古断念」を決断させる

2014-12-29 11:11
    沖縄の翁長雄志県知事の誕生とそれに続く総選挙での同県全4区での「辺野古ノー!」統一候補の全勝という目覚ましい結果をもたらした下支えというか張本人は、今年7月に各界代表を幅広く集めて結成された「島ぐるみ会議」であり(7月30日付本欄参照)、同会議の選挙後初の総会が那覇市内で23日に開かれるというので傍聴に行った。翁長知事が冒頭で挨拶に立ち「辺野古基地建設の撤回を実現するこれからの長期戦をみなさんと共に闘っていく」との決意を述べた後、オール沖縄の思いを全国に、米国に、国連を通じて世界に伝えていくための行動計画が提起され議論された。

    翁長知事は、1月に前知事の辺野古建設承認手続きについての検証チームを発足させ、その手続きに瑕疵がある場合は(あるに決まっているが)その承認を取り消しもしくは撤回し、国と法的に争う構えである。2〜3月県議会での予算審議を終えるまでには「ワシントン駐在員事務所」を開設して米政府・議会・メディアなどへの直接の働きかけを開始し、4月以降には知事が沖縄各界の代表を率いて訪米して県としての外交交渉を行う。それと並行して、島ぐるみ会議は、まずは全国46都府県に衆参議員はじめ同会議の発起人・共同代表などの有力者を送り込んで、沖縄の基地問題の解決は日本全体の安全保障と民主主義の未来に関わることであることをアピールする集会やシンポジウムを開き、各地方議会の支持を求めるキャンペーンを展開する。そして、知事の訪米とタイミングを合わせて、沖縄だけでなく本土の支援者や在米沖縄出身者を大挙動員し、米国の平和団体・環境団体とも協力して、米議会・ホワイトハウス前で数百人、出来れば数千人規模のデモを行う「ワシントン・パレード」を計画する。

    翁長知事誕生の発端となったのは、昨年1月28日、当時那覇市長だった翁長を先頭に全市町村長・議会議長・議員が「オスプレイ配備撤回、普天間基地閉鎖、辺野古移設断念」の「建白書」を掲げて東京で集会してデモ行進し、それを官邸に突き付けた「東京行動」にあったのだが、それを今度は米国の首都で、もっと大きな規模で再現しようというわけである。これが実現すれば、米メディアも大きく取り上げて、米政府を「辺野古断念」に傾けさせる大きなきっかけとなるに違いない。23日の総会が終わった後、島ぐるみ会議の中心幹部と懇談する機会に恵まれ、その席上、私自身も年会費1000円で同会議の個人会員になると共に、ワシントン・パレードには必ず参加したい旨を表明した。▲

    (日刊ゲンダイ12月25日付から転載)

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    <高野孟(たかの・はじめ)プロフィール>
    1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊。2002年に早稲田大学客員教授に就任。05年にインターネットニュースサイト《ざ・こもんず》を開設。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。
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