コロナ禍により昨年3月10日に予定していた18周年記念ライブ【18TH ANNIVERSARY DAY/6576】を中止することを決めて以降、ずっと沈黙を続けていたthe GazettE。だが、長い空白の間も彼らは休んでいたわけではない。その証となるニュー・アルバム『MASS』が5月26日にリリースされる。最新のthe GazettEの魅力が詰め込まれた同作を聴くと、彼らの音楽やバンドに対する熱意が全く薄れていないことを感じ取れる。
コロナ禍の日々や沈黙の裏側にあったthe GazettEの思い、新作『MASS』についてなど、様々なことをREITA(b)に話してもらった。
Interview:村上孝之
――『MASS』のベースはすごく重厚でいながらフレーズが聴きとれるクリアさも備えていて、音色にさらなる磨きがかかったことを感じました。ディングウォールのベースを入手したのは正解でしたね。
REITA:俺も、そう思っています。自分が買ったディングウォールはすごくバランスが良くて、当たりだったなと思うし。それに、「BLINDING HOPE」は録った2ヶ月後くらい……ミックスの直前にベースを録り直したんです。8月に録ったときはディングウォールとアンペグ、サンズアンプというセットアップで弾いて、これでミックスしてくださいといってエンジニアに渡していたんですけど、ミックスのちょっと前くらいに、もう1本ベースを買ったんです。それもディングウォールなんですけど、最初に買ったヤツよりも4倍くらい値段が高いヤツ。
そのベースでもう1回「BLINDING HOPE」を弾いてみたら、“絶対こっちのほうがいいじゃん!”ってなって。それで弾き直して、アンプもアンペグの実機を家に持ち込んで、リアンプしたトラックを渡しました。その後『MASS』の本格的なレコーディングが始まったので、今回はディングウォールの高いほうのモデルをメインで使ったんです。
――世の中には深く考えずに1番高いタイプを買う人もいるようですが、いきなりハイエンド・モデルのディングウォールを買わない辺り、REITAさんが健全な経済観念を持たれていることを感じます。
REITA:俺は庶民派なので(笑)。それに、後から高いのを買ったのには理由があるんですよ。ディングウォールのことはあまり知らなかったので、とりあえず試奏しようと思って楽器屋にいって、実際に弾いてみて、やっぱりいいベースなんだと思って買うことにしたんですね。買ってからいろいろ調べていくうちに上位機種があることを知って、しかもそれが2020年のNAMM Showに出品されたショー・モデルだったんですよ。つまり、1本物ですよね。すごく弾いてみたくなったけど、そのベースは大阪にあってコロナの中で大阪まで試奏しにいくのは無理だった。
試奏しないで買うのはヤバいだろうという気がしたけど、ショー・モデルだからすぐに買われてしまうかもしれないと思って、毎日ネットでチェックしていたんですよ。それで、悩んでいても仕方ないし、レコーディングもこれから10曲くらい録るわけだから、もうイチかバチかで買うことにしたんです。要は、ネット・ショッピングですよね。だから、“これで音が変だったらシャレにならないな”と思って、ベースが届くまでずっとドキドキしていました。2日後くらいに家に届いて、弾いてみたらすごくいいベースで、“ああ、よかった…”という(笑)。
――いい出会いがありましたね。話を『MASS』に戻しますが、同作の楽曲は生々しいバンド感を押し出しつつ無機質なシーケンスなども採り入れて独自のテイストを生み出したものがメインになっています。この方向性には、どんな印象を持たれていますか?
REITA:the GazettEは昔からシーケンスが入っている曲が多くて、最近は逆に全く入っていない曲のほうが珍しいくらいになっているんですよね。かなりデジタリックな方向に振った時期もあって、シーケンスの使い方のノウハウを持っているというのもあるし。シーケンスが混ざっているのがthe GazettEの音になっているような感覚があるので、『MASS』の方向性には全く違和感はないです。
――ノウハウを持っているというのはまさにその通りで、バンドのサウンドやグルーブをメインにしながら、それを補足したり、楽曲の世界観を深めるシーケンスの在り方が絶妙です。ということは、今回10枚目のアルバムということで、原点回帰してバンドだけの音で表現しようという声が出たりすることはなかったんですね?
REITA:10枚目ということは5人ともあまり気にしていなかったので、そういう話は一切出なかったです。逆に、新しいことをやろうとも考えていなかったし。つまり、the GazettEの集大成でもないし、新たな挑戦でもないんですよね。『MASS』は今の等身大の自分達を詰め込んだアルバムという印象です。
――とはいえ、新しさや新鮮さも感じさせる一作になっています。では、『MASS』の収録曲でREITAさんの中で、特に印象の強い曲をあげるとしたら?
REITA:「MOMENT」かな。この曲は全編アコギじゃないですか。麗と葵の2人が全編アコギというのは、初めてだと思うんですよ。曲調的にも翳りを帯びていながらすごく温かみがあって、今までのthe GazettEにこういう雰囲気がなかったわけじゃないけど、新しいと思う。そういう意味で、「MOMENT」は印象が強いですね。
「MOMENT」は制作の中盤くらいにRUKIから「バラードできたよ」みたいな感じでデモが送られてきて、それをアレンジして今の形に仕上げました。ベースはサビで結構動いているけど、自分が考えたベースラインを送るたびに、RUKIからもう少し動いてほしいという声が返ってきたんです。「OK、OK」といってフレーズを考えていった結果、かなり動きのあるベースになりました。
――「MOMENT」のようなゆったりとした6/8拍子の曲は、ベースが大きなポイントになりますよね。この曲のたゆたっている雰囲気のベースはすごく心地好いです。
REITA:ありがとうございます。「MOMENT」は音作りも結構難しかったですね。他の曲は激しいので、その流れの音でこの曲を弾くと合わないんですよ。アコギとの馴染みも良くないし。それで、結構難しかったんですけど、意外にも歪ませたほうが馴染んだんですよね。歪ませると倍音が多くなるから音の隙間を埋められるし、楽曲の温かみも増すんです。「MOMENT」」は、そういう発見もありました。
――ベースの音を歪ませることで、ギターとドラムをつなぐ接着剤としての役割がより強まったんですね。
REITA:そう。“接着剤”という言葉はいいですね。たしかに、ちょっと接着剤っぽいベースだなと思います。
――「MOMENT」に限らず、REITAさんのベースは常にグルーブの接着剤として機能しています。新しいということではハードネスとラテン・テイストを融合させた「ROLLIN'」も新機軸のナンバーです。
REITA:「ROLLIN'」は、仮タイトルが“ラテン”でした(笑)。これもRUKIが原曲を持ってきて、1コーラスくらいできていたんですよ。で、「BLINDING HOPE」のミックスをしているときかな。RUKIが「続きを持ってきたよ」といって「ベース・ソロ入れておいたから」と言われて、「マジで?」みたいな(笑)。それで、曲調を踏まえて、ベース・ソロはスラップをやることにしました。
たしかに、この曲は新しいですね。それに、ミックスに一番時間がかかったのが、この曲でした。曲順が「BLINDING HOPE」の次じゃないですか。「BLINDING HOPE」は今回一番最初に録って、そこから時間を空けて他の曲を作ったから聴こえ方に差があったんですよ。それに、「ROLLIN'」はストレートな曲ではないというのもあって、この曲はミックスに一番時間がかかりましたね。
【第一回目はこちら】https://ch.nicovideo.jp/club-Zy/blomaga/ar2022590
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【第三回目はこちら】https://ch.nicovideo.jp/club-Zy/blomaga/ar2022596
the GazettE INFORMATION
the GazettE
NEW ALBUM 『MASS』
2021.05.26 OUT
2018年には北米・南米・EU・アジアなど全世界・全61公演に及ぶワールドツアーを開催するなど、国内だけでなく海外でも非常に高い人気を誇るロックバンドthe GazettE。 彼らの待望の新曲「BLINDING HOPE」(読み:ブラインディング・ホープ)が、バンド結成19周年の2021年3月 10日にストリーミングとダウンロードで全世界リリース!!
昨年のコロナ禍の影響でライブが中止となった後、長く沈黙を貫いていたが、2021年1月29日に突如、新曲とニューアルバムに関するトレーラー映像を公式YouTubeチャンネルで公開し、世界中のファンから大きな驚きと熱狂的な反響を巻き起こした。
そして遂に2021年5月26日には記念すべき通算10枚目となるニューアルバム『MASS』をリリースする。 the GazettEのフルアルバムのリリースは実に3年ぶりとなる。待望のニューアルバム『MASS』は4種類の仕様で発売される。
世界の有り様が大きく変化した2021年、満を持して放たれる最新型the GazettEサウンドとバンドからのメッセージ。その全貌が遂に明らかになる。
the GazettE 『MASS』
01. COUNT-10(instrumental)
02. BLINDING HOPE
03. ROLLIN'
04. NOX
05. HOLD
06. 濁
07. THE PALE
08. MOMENT
09. BARBARIAN
10. FRENZY
11. LAST SONG
VOCAL:RUKI GUITAR:URUHA GUITAR:AOI BASS:REITA DRUMS:KAI
ALL WORDS:RUKI
ALL MUSIC:the GazettE
TOTAL PRODUCE:the GazettE
・MASS 【LIMITED EDITION BOX A (完全生産限定)】
CD+Blu-ray+特製アートブックを同梱した豪華BOX仕様
10,500円(税込) SRCL-11770~11772
[CD収録内容] 全11曲
[Blu-ray収録内容] “BLINDING HOPE“MUSIC VIDEO+Making of “BLINDING HOPE“ MUSIC VIDEO
・MASS 【LIMITED EDITION BOX B (完全生産限定)】
CD+DVD+特製アートブックを同梱した豪華BOX仕様
10,500円(税込) SRCL-11773~11775
[CD収録内容] 全11曲
[DVD収録内容] “BLINDING HOPE“MUSIC VIDEO+Making of “BLINDING HOPE“ MUSIC VIDEO
・MASS 【初回生産限定盤】
CD+DVD 2枚組仕様
4,600円(税込) SRCL-11776~11777
[CD収録内容] 全11曲
[DVD収録内容] “BLINDING HOPE“MUSIC VIDEO+Making of “BLINDING HOPE“ MUSIC VIDEO
・MASS 【通常盤】
CD only
3,300円(税込) SRCL-11778
[CD収録内容] 全11曲
東京都新宿区西新宿7-2-5 TH西新宿ビル6階
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