2016/01/23

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「コミックジャック」を昨日観た。木戸邑弥・内藤大希くんと大久保聡美さん出演。
とても物語に好感が持てた。
ネタバレになってしまうけど、そこを語らないとこの舞台の良さが伝わらないと思うので、
語ってしまうけど、許してください荒木田さん。

漫画の原作者がマンガの世界に入り込んでしまい、
自分が作ったマンガの世界の中の登場人物達と語り合い、
自分が作った意図を越えて
勝手にキャラクターたちが自分の人生を自分の自由に過ごしたいと主張する、
そうすると物語が行き詰まり書けなくなり、
締め切りに遅れて編集者に怒られると他人のせいにしていた自分がいて、
そんなキャラクターたちが勝手に物語るようには
ストーリーを進行させたくないと当初は思っていた原作者も、
語り合っているうちに、キャラクターたちの主張を受け入れて、
編集者が主張するお客に受けるような読み物としてではなく、
キャラクターたちが主張する人生が
実は自分が本当に描きたかった事であり自分の生き方だったと思いだす。

設定としてはよくある設定の、作り手が作った作品世界に入り込むパターンだけど、
登場キャラクターたちに教えられて自分の生き方を変えることも、
少年の時代に漫画の道を志した原初に立ち戻るという結末のつけ方も素直で心地よい。
しかも語り口に漫画作品への愛があふれていて、そこも好感が持てた。

一つだけ辞めたほうが良いと思ったことがある。
役者のギャグが語りすぎやりすぎでだいたい面白くない。
しかも舞台の進行を遅らせリズム感を殺す。
でも親友の「ドラゴンボール」編集者の鳥嶋和彦さんや
僕のプロデュースした「キテレツ大百科」のブタゴリラを
ネタにしてくれたんだから大目に見ようかなと思ったけど、
それにしても舞台の編集者役はキャラクターとして悪役に徹していて
最後に翻るという事のほうがたぶんメリハリが効いて面白いだろう。

物語としてまともで、普段アニメ漫画の世界を仕事にしている僕には、
ストーリーと人物像を考えるときに、
この舞台で語られていることはとても大切だ、と改めて感じさせられた。
作中人物に物語の進行を勝手に委ねるというのはよく言われることではあるが、
このように目の前の出来事として提示されるととても納得がいく。

2.5ミュージカルのいわば源流にある漫画の編集者も含めた作り手たちの気分を、
こんな形で2.5とは違った舞台作品の中で味わえるなんて、
観に行く前には想像していなかった。
この舞台を観ると漫画→アニメ→2.5が一体だという事を感じることが出来る、
ハッピーな読後感味わえる舞台だった。
2.5ミュージカルを愛している方々、ぜひ観てほしい。


終演後楽屋に行くことがこんなにドキドキものだった舞台はそうはない、
なんてったって超絶美少女の大久保聡美さんに会える、
舞台上で初めて登場する場面がなんとも言いようのない素敵な姿だった。
光バックにした華奢なシルエットですぐ聡美さんだとわかった。
オフホワイトの鎖骨がやや見えるぐらいの胸空きの木綿のワンピース、
肌の白さと細さのすっきりと伸びた腕を見せるノースリーブ、
包み込んでいて隠れているのに細い長い脚を感じさせるロングスカート、
そこからほんのわずか出ている生足のアキレス腱、
素足のサンダル、
そんなに顔を隠さないでと言いたくなる大きな麦わら風の帽子、
良く分かっている人たちが作っている。
こんな女性がいたら誰だって好きになる。
楽屋で会った瞬間にハグしたらキャッと叫ばれて、
あっいけないことしたのかなと思ったけど、
舞台観た後にハグするのは僕としては最上級の感謝のしるしなんです、ごめんなさい。
一昨日神奈川芸術劇場で「JYAM TOWN」を観て
松浦雅さんを楽屋に訪ね
「自然な演技と舞台上の落ち着いた存在感に感心した」と
伝えたこと話したら聡美さんも一緒に喜んでくれた。
二日連続で僕プロデュースのミュージカル「セーラームーン」で
一緒に仕事した若い女優二人の成長を見て若干興奮してしまった。
たまたま居合わせたセーラムーンの演出の平光琢也さんと三人でパチリ。

声が心配な熱演の木戸くん、
概ね弱気の漫画原作者を、
弱気でも好感持てる人柄にじみ出るところに持って行くって演技だよね、
良かったですよ。
彼にも聡美さんと同じ意味でハグして、こちらは写真を撮らせてもらった。
木戸くんファンの方に不安を感じさせるとやばいので言いますが僕はノーマルです。

このブログ書いた後で見つけた舞台写真がとてもいい感じだったので、
撮影者のローソンチケットさんには無断ですが、
チケット情報を張って置くので勝手に許してもらう想定で、あげておきます。
大久保聡美さんも木戸邑弥くんも二人とも素敵な一瞬です。
「コミックジャック」
チケット情報はコチラ⇒http://l-tike.com/comicjack/