「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
今回は、4月3日(月)の配信から番組のハイライトをご紹介。

次回のニコ生配信は、いつもと曜日が変わって5月9日(火)20:00から。

ユーザーインターフェイスの研究者、増井俊之氏をゲストにお招きしています。
増井氏は、iPhoneに搭載されている日本語予測変換機能や、知識共有サービスScrapboxなど、これまでにない仕組みを生み出し続けているユーザーインターフェイス研究の第一人者です。

といった内容を予定しています。お楽しみに!

 番組では、皆さんからの質問に小飼弾が答えます(すべてのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください)。小飼弾への質問はこちらまで!

■2017/04/03配信のハイライト

  • 異様な盛り上がりを見せる『けものフレンズ』
  • オープニングの歌の通りに作品が作られている
  • 人間がいないからこそ、ハッピーエンドになった
  • 知恵は特別なものではない
  • かばんとボスによって、「ヒトとは何か」を問う作品になった
  • 『けものフレンズ』の元ネタは、『あなたの魂に安らぎあれ』?
  • 人間がいたら、トレードオフが発生してしまう
  • フレンズたちは、2つの煩悩から解放されている
  • 方舟宇宙船を舞台にした『サイレントランニング』
  • オスはもういらない?
  • 残されたさまざまな謎

異様な盛り上がりを見せる『けものフレンズ』

山路:じゃあそろそろ、『けものフレンズ』行きますか。

小飼:なんか頭デッカチな人ほど、騙されているよね。これ。

山路:じゃあ、この、今すごくニコ生なんかでも、「けものフレンズ」盛り上がったりした訳なんですけれども、弾さんはめちゃくちゃ、ハマっているじゃないですか?

小飼:全人類向けの作品でしたね。

一同:(笑)

小飼:面白い、面白くない、というのではなくて、例えばそうですね。裸の王様の話とかっていうのは、みんな知っているわけじゃないですか? うん。そうなるべき作品……ですね。

山路:私、話題になっていると聞いて6話だったかな? その辺のやつをぽつんとそれだけ見たんですよ。ただそれでは全然わからなかったし入り込めなかったですかね。え? これでみんな熱中しているのか? みたいな。なんかとても入り込めなかったんですよね。そういう人って結構多いんじゃないかなって気がするんだけど。ああ、「わからなくて正しい」ってコメントで言ってくれた。

小飼:正しい。

山路:「6話だけ見てもねえ」(コメント)って。そうなんだ。「3話までで諦めた」(コメント)という人もいますね。コメントで「第1話で考察していた人がいてすごい」って。私も一応最初から見たんですけど、あの第1話だけ見て凄さって弾さんわかりました?

小飼:いや。でも、最終話見た後に1話見るとこれはもう唸るしかないよね。
 こう言うのもなんですけれど、擬人化っていうのは古くて全然古びれない手法じゃないですか? それこそミッキーマウスとかというのも、もろ動物の擬人化でしょ? 動物を擬人化するっていうのはそれぐらい歴史があるんですけれども、僕自身はけものフレンズの擬人化っていうのはいまいち乗れなかったのね?
 なぜかと言うと、ケモ耳があるのに人耳が残っているじゃないですか。

山路:あの耳は外れるんですか? サーバルちゃんとかの耳は。

小飼:今でも気になっていますね。ぼくはケモ耳があるんだったらちゃんと人耳は取ってくれ派なので。ケモ耳化した耳かどっちかにしろ派なので。だからまずそこでそんなに乗れなかったんだよね。

山路:配信が始まるまで、弾さんがジャパリパークとか歌っていてびっくりしました、ここまでハマっていたんだみたいな(笑)。

オープニングの歌の通りに作品が作られている

小飼:まず、獣耳の女の子を見て癒される話じゃないんだという最初の徴候があのオープニングの歌なんですよね。全話見た後、振返ってみると、ホントにあの歌の通りに作られている。更に調べてみると、歌が書かれたというのは、脚本が上がる前だったんですよね。先に歌があったんですよ、先にあの歌ありきだったんですよ。

山路:その企画段階で作詞家の方が。

小飼:そう、おーいしおにいさんが。

山路:歌詞を勝手に、著作権の関係で出せないと思うんですけど、かなり幼児向けっぽい歌ではあるじゃないですか、楽しげな。

小飼:でも「けものはいても、のけものはいない」ってよく見つけたな。っていう、あれで作品の運命が決まったんですよ。

山路:確かに本編でも、ネガティブなことを絶対に言わないですよね。

小飼:なんでそれが可能になったのかっていうのが実はポイントなんですけども、なんで『けものフレンズ』はハッピーエンドにできたのかといったら、人がいないからなんですよ。