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小飼弾の論弾 #36「生産性、働き方についてマジで考えてみる(その3)」
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小飼弾の論弾 #36「生産性、働き方についてマジで考えてみる(その3)」

2017-04-14 07:00

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。2月20日(月)配信の「生産性、働き方についてマジで考えてみる」を3回に分けてお届けします。動画も合わせてぜひご覧ください。

    次回のニコ生配信は、4月17日(月)20:00。「日本一有名なニート」、phaさんをゲストにお迎えして、「一億総ニート計画」について語る予定です。

    次回もお楽しみに!

    ■2017/02/20配信のハイライト(その3)

    • 給料は能力ではなく、相場で決まる
    • 視聴者からの質問:好きなことで食っていくには?
    • 我々が搾取されるのは、搾取している結果である
    • 視聴者からの質問:面白い仕事の見つけ方
    • 視聴者からの質問:小飼弾はどうやってプログラマになった?
    • 視聴者からの質問:大学を中退しなかったら何をしていた?
    • 今の学校は、子どもの「嫌い」を増やしている
    • 視聴者からの質問:好きなことをやって収入が減ったら?

    給料は能力ではなく、相場で決まる

    小飼:それでホイホイ入ってしまう人がいるんでしょうね。しつこいようですが、給料というのは能力ではなく、相場で決まります。

    山路:業界であったり、会社であったり。

    小飼:そうです。だから5ヶ国語を流暢に話せても、それが斜陽産業であれば高い給料は出せなくなるというのは当然ではありますよね。

    山路:アニメーターの年収がメチャクチャ低くて暮らしていけないって話を聞くじゃないですか。超一流のアニメーターじゃなくても、アニメーターなら普通の人よりずっと上手く絵を描けるわけじゃないですか、それだけの高スキルを持っていてもワーキングプアというのは、いる業界が悪いとしか言いようがない……。

    小飼:うん! まったくそうですね。
     それに対して今やディズニーの一部門になったピクサーは、サンフランシスコのエメリービルに立派なスタジオを構えました。今は亡きスティーブ・ジョブズが場所を確保して。ピクサーはかなり給料が高いだけではなくて、社内でいろんな教育コースを受けられるんですよ。CGに限らず。

    山路:ウォルト・ディズニーも、アニメーターに鹿の動きを学ばせるために、鹿を実際に解剖して教育したみたいな話を聞いたことがありましたけどね。

    小飼:いずれにせよ、「女工哀史」みたいなことというのはないですね、そこでは。
     日本のアニメ業界は、日本のアニメーターの給与ですら高すぎて、外注に回すということをずっと昔からやっていたんですよね。
     日本のアニメが成り立つには、「ブラックアニメーター」の存在が欠かせなかったのではないか。

    山路:搾取のうえに、日本のジャパニメーションが花開いた。手塚治虫が悪いんですかね。

    小飼:彼は、自分自身がブラックな働き方をしていたからねえ……。その結果、医者なのに自分自身のガンにも気が付かなかったという。

    山路:高い給料がもらえないと思ったら、速攻その業界から逃げるしかないってことなんですかね。

    小飼:「唯々諾々と働いているお前が悪い」、「もっとお賃金が欲しかったらもっと考えろ」っていうふうに言われるけど、たかが金のためになんでそんなにウザいことしなければいけないのって本当に思う。
     もちろん、好きでないことをゼロにできませんよ? 例え仕事をしてなくても、「朝起きるのが嫌い」とかっていう人もいるでしょうし。

    視聴者からの質問:好きなことで食っていくには?

    小飼:残念ながら今の我々には、不労所得だけで週休7日制を全員に行き渡らせるほどの実力がまだないと思う。ですが、週休3日制を実現できる程度の不労所得というのは配れるはずなんですよね。どう計算しても。
     節約上手な人なら、それで週休7日にできるかも。でも普通の人はそこまで節約はできないだろうから足りない分は働いて補う。あとは、とにかく好きなことをやっていると。で、ごく稀にPPAPとかハリー・ポッターとか当てる人が出てくる。

    山路:大当たりしたヤツが金をちゃんとばら撒いてくれればいい。

    小飼:実はそこなんですよね。そうなった時に金を再び再還流させるための仕組みというのはすごく貧弱なんです。

    山路:視聴者から質問が来ています。

    「じゃあ好きなことで食っていくにはどうすればいい」(コメント)

    小飼:好きなんだろ、人に聞くなよ!……という気概でいてください。
     「好きなことをしてどうやって食っていけるだろう」って言っているうちは、あなたはそれが十分に好きではないの! 少なくとも、好きなことで食えないっていう言い訳を自分自身にしているじゃん。
     あなたは、それでそれが本当に好きだって言えるの?

    山路:怒られちゃいましたね。質問した人(苦笑)。
     もうひとつ。

    「好きなことで生きていくというのがYouTubeのキャッチコピーですが私には好きなことがありません。もう社畜になって生きていくしかないのでしょうか」(コメント)

    小飼:社畜が好きであればいいじゃないですか。「好きで社畜」というのはあると思いますよ。そういう人たちにまで社畜やめろというのはそれはそれで罪なことだと思う。

    山路:うーん。

    「どうやってマネタイズするか、やり方を聞いているんじゃねえの」(コメント)
    「どうやって儲けるかってところまで好きなら考えつく」(コメント)

    小飼:ただ、換金するっていうのはやっぱりウザいし、ある程度後ろめたいものなんですよ。そういうのがウザくて、つい本当はお金取れるものを無料でやっちゃうっていう人も少なくはないです。

    山路:オープンソースソフトウェアを公開している人とか。

    小飼:うん。そういう人はいいエージェントを見つけることですね。

    山路:ああ、自分の代わりにマネタイズをしてくれる人を。

    小飼:そう。マネタイズそのものが好きだという人はいるんですよ。人の仲介をするのが好きだって人もいるんですよ。日本はそういうエージェントが少ないですよね。エージェントにきちんとお金を払いませんよね。

    我々が搾取されるのは、搾取している結果である

    山路:よくTwitterでは、「ソーシャルゲームの会社からイラストレーターがタダに近い値段で発注される」みたいな話を見ます。

    小飼:みなさんが搾取されるのは、みなさんが搾取している結果でもあるんですよ。
     
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