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小飼弾の論弾 #141 「宇崎ちゃんよりも大きな「いらすとや」問題」
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小飼弾の論弾 #141 「宇崎ちゃんよりも大きな「いらすとや」問題」

2019-11-30 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2019年10月29日(火)配信その2をお届けします。

     次回は、2019年12月10日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2019/10/29配信のハイライト(その2)

    • 宇崎ちゃんよりも大きな「いらすとや」問題
    • 英語の民間試験をめぐる天下り問題を解決するには「捨扶持」?
    • 吾妻ひでお逝去とギャグマンガ作家の寿命の縮まり方

    宇崎ちゃんよりも大きな「いらすとや」問題

    山路:じゃあ、宇崎ちゃんの話からいっちゃいます?この献血のところで、宇崎ちゃん、私このマンガを知らなかったんですけど、これマンガなんですかね?

    山路:『宇崎ちゃんは遊びたい』というポスターが献血のところにありまして、それに対してこういう胸の大きな女の子で献血を呼びかけるのはいかがなものかと、けっこう噛み付いて来た人もいて、それでまぁちょっと話題になってますよね。

    小飼:ちょっとこのリンク、何かっていうと、じつはですね、僕21日ちょうど1週間ちょい前に献血行って来たんですよ。別に宇崎ちゃんが云々とかぜんぜん関係なく、たぶん宇崎ちゃんよりも、献血を促すメールのほうがウザいかなというのはあるんですけども。
     僕が問題だなと思ったのは、宇崎ちゃんのほうじゃなくって、この「いらすとや」のイラスト。

    山路:ええ、そこ?宇崎ちゃんではなくて、いらすとや。

    小飼:うん。いやなんでそもそもこっちを問題にしないんだろうかね?特に、絵かきのプロの皆さん。これ宇崎ちゃんのやつと比較してみると、この宇崎ちゃんというのは、まぁいわば、今回はキャンペーンのトップダウンできてますよね。だから献血の日本赤十字の組織の上のほうでコラボレーションが決まって、各献血ルームにポスターが配られるという形ですけども、翻ってこのいらすとやさんのイラスト。
     単にいらすとやさんがこのために描いたのではないですよね。現場の人がいいたいことを描くのに、要は部品として、素材として使ってますよね。これ献血だけじゃないじゃないですか、今いろんな、たとえばレストランとかバーとかもいらすとやのイラストも使ってますし、もちろん役所も使ってますし。

    山路:いらすとやさんによると20点以上まとめて使う場合は、金払ってくれみたいなことはあるらしいけど。

    小飼:とにかく安心してお金を払わずに使える素材イラストというのは、本当にいらすとやに席捲されてますよね。

    山路:それは、問題と考えるべきなんでしょうか?

    小飼:問題と考えるべきだと思います。だって、要は一昔前の言い方で言うと、クリップアートですよね。世界における多様性というのが、ごっそり失われて。

    山路:ただそれでいうならば、Linuxとかそういうオープンソースウェアみたいなものって、これに近いことだったりしません?つまり今までプロプライエタリがソフトを作っているそういう業界の人たちからみたら、オープンソース、Linuxみたいなもんって、まさにいらすとやのように見えるんじゃないかなとか。

    小飼:それはイエスでもありノーでもある。というのもLinuxというのは現代的なコンピューター用のオペレーティングシステムとして、必要なものというのを一通り持っている。じゃあいらすとやのイラストのみで、世界を均一出来るの?だからもちろんそれに近いことをネタとしてやっている人たちはいるよ。あのヤクザガンダム(『鉄血のオルフェンズ』)の、最終回の一歩手前の「止まるんじゃねぇぞ」というのを全部いらすとやでやったりとか。

    山路:それちょっと見てみたいな、後で検索してみよう(笑)。

    小飼:うん、ネタとしてやっている人はいるけれども、でも本気で色んなところのイラストというのを、いらすとやさんので全部出来るの?いらすとやさんで、ある日、もう無料で使うことはまかりならん、というふうに言ったら皆さんどうするの?過去にあるものも含めて。

    山路:過去に、でも自由に使っていいっていったやつをたとえば、ある時からそれ以降は使えないということができても、過去には許可してたんだったら、過去のやつを回収しなきゃいけないということになるんですか。

    小飼:なりますね。なりうるというの風に、たとえばAmazonの中の人が判断した場合というのは、いらすとやのイラストが使われている作品というのをKindleから引き上げちゃうかもしれないですよね。

    山路:うーん、なるほど。

    小飼:だから未来永劫、何をどうしても無料ではないんですよね、いらすとやさんの。

    山路:ある意味、その作者の方の胸先三寸、もう本当に腹づもりにかかってると。

    小飼:うん、だから何種類かはなければいけないんですよね。やっぱり無料のイラストというのは。いらすとや、何重もの意味で凄くて、まず上手いですよね。

    山路:上手いですね。

    小飼:まず普通のイラストレーターが取り上げないような素材というのも、果敢に取り上げてくれますよね。

    山路:けっこう、ブラックなネタとか。

    小飼:そうそう、時事ネタとかっていうのをサッと拾ってくれますよね。それだけではなくて、一目見ていらすとやってわかるよね。

    山路:あれ、一人で描いてるんですかね?本当に。

    小飼:いや、だからこれ本当に凄いですよね。

    山路:これしかし、ただそれに対する対抗って、なかなか難しくないですかっていう。あれだけのアセットを、種類のアセットを、しかも人に受け入れられる、なんかクスッと笑えるような形であれだけの膨大なやつを無料でクリエイティブ・コモンズか何かで提供するみたいなことっていうのが、相当難しいわけじゃないですか。

    小飼:相当難しいんですけども、でもこの現状が続くというのはヤバい。だから現場で少しでもいじって使うイラストというのは、もう本当にいらすとや以外になくなりつつある。まだこれなら一昔前のMicrosoft Officeについてたダサいクリップアート、コピペしてもらった方がマシなんじゃねという。

    山路:Microsoftやめちゃいましたもんね、なんかあの辺のやつ。

    「いらすとや補完計画」(コメント)

    小飼:だからそのいらすとやのイラスト、前に比べればそれこそ数あるコラボレーションキャンペーンのキャンペーンガールの1人の胸の大きさなんていうのは、それこそ小さな問題。

    山路:なるほどね、少なくともこのなんかいらすとやに席巻されている……。

    小飼:これの問題というのは、いらすとやはぜんぜん悪くないよね、全く悪くないどころか誉めることしか出来ない。誰も責められない。誰も責められないんだけれども、何かそこにこのまま放置しておくとヤバい問題があるという例では、いらすとやのイラストの蔓延という方が、よっぽどでかいですよ。

    山路:それは何というかそれこそ、たとえば植物とか動物とかでもある一種のやつが全部広がっちゃって、なんか米の品種もとっても美味しくてどこでも獲れて、丈夫な米が日本全国すべてそれになった時に。

    小飼:そうそう磯焼けした磯になりつつあるんですよ。

    山路:なんか伝染病が起こった時に、一挙に全滅しちゃうという。

    小飼:だから生物界における葛ですとか昆布ですとか雲丹ですとか、そういうものにいらすとやのイラストはなりつつありますよね。

    山路:アニメの『PSYCHO-PASS サイコパス』とかでもけっこうそういうネタを使ってましたよね。そうか、多様性をどこかで維持する努力というか、方向っていうのを、何となく皆が持ってないと、ただ安易に、楽だからとそこだけに流されてると危険に……

    小飼:だから、そのうちに宇崎ちゃんがいるところも、もういらすとやのイラストになるんじゃないかと。

    山路:文句つけにくいんですもんね。いらすとや、あんまり色っぽくないから、アハハ。うーん、なんか老若男女に問題ない形のやつを選べちゃいますもんね。へえ、ちょっとなかなかそれは面白い。

    小飼:そろそろこの現状でいいんですか?という風に言っておかないと。

    山路:それになんとかしようと思ったら、けっこう金を積んだりとかして、そういうイラストみたいなものを、金をつぎ込むとかなんかそういう政策もとらざるを得ないんじゃ……

    小飼:今までのOfficeについてたクリップアートとかと違うところというのは、個性がはっきりしているところなんですよね。もう一目見ていらすとやじゃないですか。もう本当に多様性を確保する場合にも、そこを注意しなければいけない。だから匿名のクリップアートを復活させるのではなくって。いらすとやとガチンコ勝負出来る人材が欲しいわけですよね。

    山路:難しいな、それ(笑)

    小飼:難しいよなあ(笑)

    山路:凄えなそれ、超難易度高いですね。政府主導でなんか無料クリップアート作ったら絶対つまんないやつになりそうですもんね。

    小飼:うんうん。

    山路:これは誰も悪くない上に、なんかじつは危機が迫っているという難しい問題だな。

    小飼:危機だと思わないのであれば、それはそれまでなんですけども。

    山路:本当ね、いらすとやさんがそれこそなくなっちゃったりとかしたって、それだけでも。

    小飼:まだ1桁年ですよ、2012年ということは。

    山路:ああ。じゃあもう1つ社会関係で、軽いネタではないですけども、お笑いネタになるんですかね、もうこれは。マラソンが札幌になるかもしれないという、これは(笑)

    小飼:いや、そのニュースが流れた時に、虚構新聞が「うちが出したニュースじゃないから」という凄い、虚構新聞すら匙を投げるという、これ謝罪記事よりも更にレベルが一歩上がりましたよね。

    山路:アハハ

    小飼:うん、虚構新聞が敗北宣言を出したというのは。

    山路:しかもこれに対して、東京都が打ち出したのが午前3時にスタート。

    小飼:もう益々ひどいというのかね。

    山路:五輪のマラソンに対してはさんざん報道されている通りなんですけど、最近この現実の虚構化が進んでいるというか、本当に俺たちは現実の世界に生きているんだろうかということが疑わしくなるような事件が多くないですか?

    小飼:いつの間にかあれですよ、我々の肉体もいらすとやのイラストになるんですよ。

    小飼:というかもともとそうで、我々じつは、Vチューバーのアバターだったという、そういうオチがつくかもしれない。というのか、もうこの世界自体が仮想なんだからどうでもいいやって、本当に匙を投げたくなるような、もうニュースなのか何なのか。

    山路:もう今さら聞くのも何ですけど、札幌でマラソンやることについてどう思います?どっちゃでもいいですよね、弾さん(笑)

    小飼:うーん。

    山路:いやまぁ、ただ出場のために頑張ってきた人とか、そのボランティアの人とかは大変だろうなという、いろいろ思いますけど、これは今言ってももう何かしょうがない話ですけれどもね。

    「ルームランナーでいいやあ」(コメント)

    小飼:もう本当に。

    山路:国内、競技場何かでグルグル回ったらいかんのかみたいな話は出てますけどね。

    小飼:いや、だから選手、みんなVチューバーでいいじゃん。

    英語の民間試験をめぐる天下り問題を解決するには「捨扶持」?

    山路:じゃあええと、この英語の民間試験の話、ちょっと行きますかね?

    小飼:だから何で文科省はあんな風にするっていうことにしたのか?しかも英語だけ。天下り確保以外に合理的な理由っていうのは、ありえる?

    山路:今までの試験の何が良くなかったいうのが、正直ちょっとわかんないんですよね。

    小飼:少なくとも、英語に関しては大学を受験する前に6年もやってて、この程度なのかというのは感じますね。でもそれをやるのであれば、まず真っ先に変えなければいけないのは、あれですよね。

     
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