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日本文学でめぐる色街 幻風景の旅「神町紀行」
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日本文学でめぐる色街 幻風景の旅「神町紀行」

2016-06-09 18:23

    昭和戦後期の一大集娼地帯となった山形県の基地の町「神町」。

    戦後日本の縮図を描いた『シンセミア』の世界を歩いた。

    阿部和重の長編小説『シンセミア』は山形県東根市神町が舞台である。小説は阿部の故郷である神町でパン屋を営む実家を中心にして、かつて神町に存在した米軍基地と町の歴史を絡めながら物語は進行していく。中学生と肉体関係を持ち続ける警察官や町中で盗撮を続ける集団などが登場し、次から次へと、事故や失踪事件が発生していくその根底には、アメリカによって占領された日本の影が常につきまとう。

    山形の田園地帯に米軍が駐留することがなければ、この『シンセミア』という小説は生まれることはなかった。終戦の年から神町に駐留した米軍は朝鮮戦争の終結とともに神町を去った。ただ、町には米軍がいた時代の名残があるという。

    私は、神町へと向かった。

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