Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは……
かつてのオレのジュース濃度はトロピカーナより高かった
チェール・ソネン、ベラトールで電撃現役復帰
元UFCタイトルコンテンダー、”アメリカン・ギャングスター”、トラッシュトークの鬼、チェール・ソネン(39)(29勝14敗1分)とベラトールと複数年契約(3年間、6試合とみられる)を交わし、現役に復帰することが明らかになった。
ベラトールはここにきて、ベンソン・ヘンダーソン、マット・ミトリオン、ローリー・マクドナルドら、UFCファイターを相次いで獲得、シェーン・カーウィンとの契約も確実視されているとされ、選手層は着実に厚くなりつつある。
ソネンは2014年のヴァンダレイ・シウバ戦に先立つ抜き打ち薬物検査で、HGH(ヒト成長ホルモン)、EPO(エリスロポエチン)を含む複数の禁止物質が検出され、ネバダ州アスレティック・コミッションから2年間の出場停止処分を受けていた。今年7月に出場停止が明けたソネンは、UFCアンチドーピング・プログラムに従い、USADAによる薬物検査の対象者に登録、すでに4回の抜き打ち検査を受けていたというから、本人はUFCでの復帰を念頭に置いていたものと思われるが、一転してベラトールでの再出発となった。なお、4回の抜き打ち検査の結果は全て陰性(合格)であった。
ソネンのベラトールでのプロモーショナルデビューは米国時間11月19日に開催されるサンホセ大会、対戦相手はティト・オーティスが濃厚だとみられる。今回は復帰を果たすソネンの発言をまとめてみたい。
- 現役に復帰することについて
現役復帰は少し前から備えていた。ここしばらく、ダイエットをして体調を整えたり、スパーリングもゆっくりと再開していた。準備はできている。
(復帰しないと明言していた時期もあった)別段、けむに巻いてやろうと思っていたわけではない。ある時オレは、「どの程度MMAをやりたいのか」を考えてみたんだ。しばらく考えてみて出た結論が、「まだしばらくはやりたい」ということだった。それで練習に戻っていたら、なんだ、結構身体が覚えているじゃないか、と思った。みんなそういうことを言うんだが、自分で実感したのは初めてだった。
(そもそもなぜ復帰)オレにはこれしかできないからだよ。MMAはオレ自身であり、オレにとっての社会でもある。もともと友だちつきあいも多い方ではないし、最近は自由時間が多すぎた。オレは自由時間が嫌いなんだ。
”試合後うつ”という言葉があるが、それって勝ったか負けたかは関係ないんだ。華やかな舞台であらゆる注目を浴びる。勝てば大きな達成感が味わえる。でも次の日の朝、目が覚めて自問自答するんだ。「で、どうするっていうんだ?」。そうすると一段と大きなうつがやって来る。
- なぜUFCではなくベラトールで復帰することになったのか
最初は、現役復帰といえばUFC以外にはないだろうと思っていた。UFCで復帰することが前提だと思っていたんだ。
裏話は今は伏せておきたい。そのうちお話ししよう。今はまだ話す準備ができていない。まあ、デイナはシャークだよ。これは褒め言葉だぞ。それ以外には言葉が見つからないよ。
1つ言えることは、UFCはペイ・パー・ビューのビジネスモデル、ベラトールは視聴率のビジネスモデルだ。自分はそのどちらで働きたいのか、という選択ではあったんだ。