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10月13日(日本時間14日)にブラジルのリオデジャネイロで行われた『UFC153』。
本来はここに、メインイベントでフェザー級タイトルマッチでジョゼ・アルドvsフランク・エドガーのドリームマッチが組まれていたが、アルドの怪我によりこの試合が延期になった。
その穴を埋めるために、ミドル級の絶対王者アンデウソン・シウバが、準備の時間もない中で男気を見せ、3年ぶりに1階級あげてライトヘビー級でステファン・ボナーを相手にメインイベントで戦うことになった。
テレビ中継されるメインカード6試合のうち、2試合がカード変更となる少し不安な大会だったが、終わってみれば、メインカード6試合の内5試合がKO、1本勝ちによる完全決着。
さらに判定の1試合もとてもスイングした好勝負で、ブラジルの観客の盛り上がりも半端じゃなく、とても面白い大会だった。
1階級下げてウェルター級で戦うデミアン・マイアの試合は、相変わらずの安定したグラウンドテクニックで、リック・ストーリーに何もさせず、これからのトップ選手達との戦いを期待させる試合だった。
またマイアと同じ階級で、長らくこの階級でNO.2と言われ、選手間でもファンの多い玄人好みのジョン・フィッチが、若手のホープ・エリック・シウバを相手に、局面局面での強さを見せつけ、落ち気味だった自分の評価を完全に復活させたと思わせる試合ぶりで判定勝利。
グ ローバー・ティシェイラの1Rの残酷な肘の連打で、ファビオ・マルドナドの顔がボッコボコになった試合も、凄くエキサイティングだったし、記憶に残る試合 は他にもたくさんあった。しかし、やはり自分の中でのベストファイトはアンデウソンがステファン・ボナー相手に圧倒的な強さを見せ付けて勝った試合だ。
3年前も1階級上のトップ選手フォレスト・グリフィンを相手に圧勝していたので、今回のステファン・ボナー戦でも、アンデウソンの圧勝は容易に想像できたが、想像を上回る圧勝ぶりでアンデウソンの底なしの強さに、ただただ興奮した。
本来ストライカータイプであるアンデウソンが、組んで勝負をしたいボナー相手に、金網際でも動かずに、相手をノーガードで挑発し、さらには上体だけでパンチをかわし、勝負に出たと思ったら、あっと言う間にKOしてしまった。この恐るべき攻撃力と試合運びは、まさに達人だ。
アンデウソンが、力の差がないとできないような挑発をするのは今回が初めてではない。むしろ、良くやっている。もし自分が、アンデウソンのような挑発的な動きをするとしたら、やはり実力差がある相手にしかできないだろう。
ア ンデウソンから見て、あの挑発的な動きはタイトルマッチで対戦するトップコンテンダーや、今回のような1階級上の選手でも、かなりのレベル差を感じている からできるのか? いや、もしかしたら無理してでもすることによって、今回のような圧倒的な勝利や今の絶対的な強さを維持しているのかもしれない。試合中 の精神状態等を、アンデウソンに会って本当に詳しく聞きたい。
この試合の前日に、アンデウソンに勝ったことがある長南と、ある雑誌の取 材で対談した際に、そのときの話が出た。聞けば聞くほど改めて長南は本当に凄いことをしたんだと思った(詳しくは、その雑誌でど~ぞ)。10年20年経っ てMMAが世界に完全に根付いたときに、アンデウソンから勝ち取った、日本人選手の勝利は本当に特別なものになっているだろう。
それでは皆さんまた来週!
(大沢ケンジ @kenjiosawa)
本来はここに、メインイベントでフェザー級タイトルマッチでジョゼ・アルドvsフランク・エドガーのドリームマッチが組まれていたが、アルドの怪我によりこの試合が延期になった。
その穴を埋めるために、ミドル級の絶対王者アンデウソン・シウバが、準備の時間もない中で男気を見せ、3年ぶりに1階級あげてライトヘビー級でステファン・ボナーを相手にメインイベントで戦うことになった。
テレビ中継されるメインカード6試合のうち、2試合がカード変更となる少し不安な大会だったが、終わってみれば、メインカード6試合の内5試合がKO、1本勝ちによる完全決着。
さらに判定の1試合もとてもスイングした好勝負で、ブラジルの観客の盛り上がりも半端じゃなく、とても面白い大会だった。
1階級下げてウェルター級で戦うデミアン・マイアの試合は、相変わらずの安定したグラウンドテクニックで、リック・ストーリーに何もさせず、これからのトップ選手達との戦いを期待させる試合だった。
またマイアと同じ階級で、長らくこの階級でNO.2と言われ、選手間でもファンの多い玄人好みのジョン・フィッチが、若手のホープ・エリック・シウバを相手に、局面局面での強さを見せつけ、落ち気味だった自分の評価を完全に復活させたと思わせる試合ぶりで判定勝利。
グ ローバー・ティシェイラの1Rの残酷な肘の連打で、ファビオ・マルドナドの顔がボッコボコになった試合も、凄くエキサイティングだったし、記憶に残る試合 は他にもたくさんあった。しかし、やはり自分の中でのベストファイトはアンデウソンがステファン・ボナー相手に圧倒的な強さを見せ付けて勝った試合だ。
3年前も1階級上のトップ選手フォレスト・グリフィンを相手に圧勝していたので、今回のステファン・ボナー戦でも、アンデウソンの圧勝は容易に想像できたが、想像を上回る圧勝ぶりでアンデウソンの底なしの強さに、ただただ興奮した。
本来ストライカータイプであるアンデウソンが、組んで勝負をしたいボナー相手に、金網際でも動かずに、相手をノーガードで挑発し、さらには上体だけでパンチをかわし、勝負に出たと思ったら、あっと言う間にKOしてしまった。この恐るべき攻撃力と試合運びは、まさに達人だ。
アンデウソンが、力の差がないとできないような挑発をするのは今回が初めてではない。むしろ、良くやっている。もし自分が、アンデウソンのような挑発的な動きをするとしたら、やはり実力差がある相手にしかできないだろう。
ア ンデウソンから見て、あの挑発的な動きはタイトルマッチで対戦するトップコンテンダーや、今回のような1階級上の選手でも、かなりのレベル差を感じている からできるのか? いや、もしかしたら無理してでもすることによって、今回のような圧倒的な勝利や今の絶対的な強さを維持しているのかもしれない。試合中 の精神状態等を、アンデウソンに会って本当に詳しく聞きたい。
この試合の前日に、アンデウソンに勝ったことがある長南と、ある雑誌の取 材で対談した際に、そのときの話が出た。聞けば聞くほど改めて長南は本当に凄いことをしたんだと思った(詳しくは、その雑誌でど~ぞ)。10年20年経っ てMMAが世界に完全に根付いたときに、アンデウソンから勝ち取った、日本人選手の勝利は本当に特別なものになっているだろう。
それでは皆さんまた来週!
(大沢ケンジ @kenjiosawa)
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