――新日本プロレスの両国国技館大会でオカダ・カズチカ選手のIWGPヘビー級王座に挑戦した柴田勝頼選手が試合後に緊急搬送され、硬膜下血腫が発覚。5時間にもの及んだ手術を無事に成功しましたが、沖縄大会で頸椎損傷で搬送された本間朋晃選手に続いてのアクシデントになりました。
――柴田選手のヘッドバットじゃないかという話もありますね。仕掛けた柴田選手の頭から出血するくらいでしたし……。
Z うーん、あれも直接的な原因ではないと思うんだけど。
――過激なファイトスタイルが原因じゃないかという声も挙がってますね。いまの新日本はかつての「四天王プロレス」ようにエスカレートしていってる、と。
Z オカダ選手で言えば、東京ドームのケニー・オメガ戦からスタイルが変わった印象がある。いままでのオカダ選手ってどこかクールなイメージがあって、比較的余裕の感じさせる勝ち方をしてきた。今年に入ってからは「誰がオカダ・カズチカを倒すのか」というテーマにもなったことで接戦が多くなったぶん、激しさが増してきた。
――超激闘型になってますね。
Z ここ最近の新日本プロレスというと、アメリカンプロレスのスタイルに寄っていると言われがちだったけど、試合の中身は「さすが業界の盟主!」と唸りたくなるほど激しいものになってる。
――00年代中盤からの新日本はフィニッシュを大切にする流れがありましたね。
Z オカダ選手の場合はいかに必殺技のレインメーカーまで繋げるかがテーマだったけど、徐々にレインメーカー自体のバリエーションが増えていった。今回の柴田戦でもクイックで連打したり、一撃必殺の技でなくなっている。
――試合の流れが変わってるんですね。
Z そうなった理由を推測すれば、新日本って前哨戦を含めて手を合わせることで試合のクオリティを上げていくほうに舵を切っていた。選手の顔触れがそこまで変わらないからカード編成自体にマンネリだという声もあるけど、蓋を開けてみると試合内容のレベルは高くてやっぱり面白いんだよね。
――試合内容で信頼を勝ち得てるんですね。
Z オカダvs鈴木みのる、オカダvs柴田も新鮮味のあるカードのはずなんだけど、「やっと実現した!」という待望感はなかった。だったら、そのぶん試合のクオリティを上げるしかない。それがいまのオカダ選手の激闘型のスタイルなんじゃないかなと。
――新日本プロレスワールドには海外の会員がかなり多いそうですし、この夏はアメリカで興行もある。中邑真輔を引き抜いたWWEという目の前の敵に対してし、ハードなスタイルを武器にしていこうとしてる感はありますね。
Z 日本独自のプロレスだよね。オカダvsケニー戦のときも「これはWWEにはできないだろ!」というムードは漂っていたし。