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part85


◎「魔法の煽りVをつくる男」 RIZIN演出統括・佐藤大輔17000字インタビュー

◎世界的な詐欺事件? パンクラス商標騒動を追う

◎プロレス格闘技界運命の1991年■斎藤文彦INTERVIEWS

平本蓮のアメリカ修行先5つの候補はこれだ!!■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

◎プロレスの青春! 新日本プロレス学校の最後を見届けた男■渡辺宏志

◎カーフキックの世界的猛威! マクレガーよ、おまえもか!?

◎MMAスーパーサラブレッド鶴屋怜「流行りだから、やるわけじゃない」

◎K-1からKNOCK OUTへ…「K」の職人・宮田充は何を考えているのか

◎「新日本プロレスでは何かが起こる」……リアルとファンタジーの虚実皮膜

ケイプ夜叉坊はなぜ負けたのか

◎キラー浜崎朱加、降臨!! 「浅倉カンナ選手が強くなっている感じします?」

◎朝倉兄弟とYouTube論■菊地成孔

摩嶋一整「あきらかに下の選手とやるのは、ファイターとして納得いかない」

◎KENTAがAEWに電撃登場! 非WWEで何が起きているのか■斎藤文彦INTERVIEWS

武藤敬司と秋山準、Wタイトル奪取&入団の衝撃■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

◎男性から女性へ……性転換手術レスラー家族の新しい旅立ち

◎よみがえった伝説の実況アナウンサー“ボイス・オブ・WCW”!!

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多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回のテーマは世界的な詐欺事件? パンクラス商標騒動を追うです!!(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)


 

――
パンクラスの商標事件についておうかがいしたいと思います! というか、パンクラスは大変なことになっているらしいですね……。

シュウ これ、日本ではまったく話題になってないんですかね?

――
ちょっとザワザワしているぐらいでしょうか。

シュウ
 じゃあ、流れを簡単に説明しますと、アメリカで『パンクラス ・ハイブリット・レスリング』というイベントをやると言い出したエリックさんという方がいるんですが、まず、彼はドキュメンタリー映画を作っているということで、それの中でパンクラスのロゴを使わせてもらいたい、と。その許可を得るために、日本のある方……仮に「X」さんとしましょうか。その「X」さんにコンタクトを取って「使っていいいよ」と了承を得て使っていたんですね。そこまではまだよかったんですけど、そのあとなぜか話が、アメリカで「パンクラスという大会をやります」という話になりまして。

――
話が大きくなった(笑)。

シュウ
 日本でもご存知のガイ・メッツァーさんがそのトップに就任するということで、FacebookやTwitterなどいろんなSNSで「アメリカで『パンクラス・ハイブリット・レスリング』をやります!」と告知したんです。じつはボク、パンクラスのチャンピオンであるアンディ・メインとか、あそこらへんのコーチとも仲がいいんですけど、彼らからも「パンクラスがアメリカに来るらしいぞ」と聞きまして。でも、それを聞いてボクは「おかしいなあ」と。なぜなら、アメリカで開催するのに、あんなにPR好きな酒井(正和・パンクラス代表)さんが自ら発表しないわけないじゃないですか。

――
まあ、大々的に記者会見を開いてもおかしくはない話題ですよね。

シュウ
 でしょ? だから「絶対におかしい」と思っていたら、アメリカでパンクラスのロゴや商標、なんかそういうのが5種類あるらしいんですけど、そのエリックという人が持っている『ブロウン・ファルコン(Blown Falcon Productions LLC)』とかいうプロダクション会社が商標登録の申請をし始めたんです。

――アメリカで商標登録を、ですか?

シュウ
 でも、もちろんパンクラスのロゴは酒井さんの会社である株式会社スマッシュが持っていますので却下されるわけです。で、これはちょっと複雑な話なんですけど、5つのロゴのうち1つは2019年かなんかに一回権利が切れちゃってたみたいで、その更新手続きをしていないあいだに、うまいことエリック側の申請が入り込んじゃったみたいなんですよね。ただ、アメリカの商標の法律というのは、それをやられても過去20数年間使っている実績があったら勝てるんです。

――そういう事故的なことを防ぐために。

シュウ そういうわけで、5つのうち4つが完全に却下されましたと。アメリカでは却下されても6カ月の猶予があって、そのあいだに控訴、つまり不服申し立てができるんですが、なんとエリックの会社はここで控訴するんですね。

――凄い執念ですね(笑)。

シュウ
 で、その控訴の際に出してきた契約書がじつはありまして。

――
正当性を主張するための契約書が。

シュウ
 「オレは日本の権利を持っている『X』と、ちゃんと契約書を交わしているんだ」ということだったんですけど、アメリカって面白いもんで、こういう書類も全部閲覧できるので確認したところ、「これ、グーグル翻訳で書いた?」というぐらいめちゃめちゃヒドい英語で。しかも1ページなんです。「これ、覚書にもならないよ」という(笑)。

――
1ページって、いったいどんな契約書ですか!(笑)。

シュウ
 いや、笑っちゃいますよねえ。その主張も、今年の1月15日に正式に全面却下されました。
――ああ、よかったですねパンクラス。

シュウ ただ、彼はしぶといというか、あるアメリカのポッドキャストに登場して「酒井さんは嘘つきだ」と発言しているんですよ。「アイツはビデオライブラリも持ってないし、UFCファイトパスも切られて、パンクラスの権利なんかほとんど持ってない」とか言い出して……。まあ、全部ウソだと思いますよ(苦笑)。でも、このポッドキャストでいろんな人の名前を出しはじめちゃって、なんと、皆さん大好きなアントニオ猪木さんの名前まで飛び出しちゃったんです。

――
ええええ! というか、どういう経緯で猪木さんの名前が?

シュウ
 彼いわく「アントニオ猪木さんとオレは仲がいい」と。「アントニオ猪木の娘の寛子さんがやっている会社が、オレのPR会社だ」と言うんですね。

――ほ、本当ですか??? 本当なら凄いつながりですよ!

シュウ
 真実はわからないですよ(苦笑)。でも、彼の主張はそうです。で、挙句の果てに酒井さんに対して「こっちが握っている事実をアイツに見せつけるために、猪木さんが行って会って話してくれた」とまで言ってて。

――
そんなことで猪木さんは会いに行かないと思うんですけど……(猪木さんの関係者に確認を取ったところ、エリック側からそういった話は持ちかけられたことはたしかだが、猪木さんが酒井さんに会った事実はない模様です)。