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この記事は青木真也vsクマエフを語ったDropkickニコ生配信を記事にしたものですが、原型を留めていないどころか、インタビュー形式となっています(語り:ジャン斉藤)
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・【史上最大のMMA対抗戦】榊原信行とスコット・コーカー、敗れざる者たちの逆襲
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――ONEシンガポール大会メインカードの日本人は4敗1試合不成立という厳しい結果になりました。
斉藤 徹底的に打ちのめされたから面白かった、とも言えますよね。「vs世界」という「死にゲー」の絶望に憂鬱になりながらも刺激的で。退廃的なものに身を委ねるからこそ、生きることの実感って湧いてくるところはあると思うんですよ。
――ドM格闘技って達観しすぎてますよ。ONEのCEOチャトリさんは「ここ30年のあいだに日本の格闘技はレベルが下がっている」と発言して物議を醸してますね。
斉藤 これは前から言ってるんですが、日本は格闘技カルチャー&ビジネスの中心地だっただけで、日本人が無双していたわけじゃないんですね。ホントね、日本人選手が負けるたびに、ずっとつらい思いをしてきたんですよ(笑)。
――K-1もPRIDEも外国人がスターでしたね。
斉藤 96年のバーリトゥード・ジャパンで日本勢が惨敗したときの『格闘技通信』の表紙コピーは「日本最弱」でしたし、プロ格者の合言葉はルッテンにボロ負けした船木誠勝の「明日また生きるぞ!」だったわけじゃないですか。日本が興行の中心だったことで日本人選手が活躍しやすい環境だったことはたしかですが、近年は世界的な競技人口の増加に伴ってレベルが向上している、という見方のほうが適切かもしれません。ただ、これは昔から言ってるんですが、日本のプロレス格闘技って「日本人だから」って理由で無条件に応援していたわけじゃないんですよね。
――日本人vs外国人でも外国人選手に声援を送る格闘大国でしたし。
斉藤 だからって共産党の議員さんみたいに「サッカー日本代表が勝って残念」なんてマインドじゃないですよ(笑)。いまは「vs世界」が最も盛り上がるアングルのひとつかもしれないですが、なんか外国人とやるだけで「vs世界!」と煽りがちですよね。それにそこはだいぶ渋滞しているというか、RIZINvsベラトールみたいな歴史的な企画をやられちゃうと、ほかの「vs世界」は無効化されがちですよね。
――安っぽく見えるものも出てくると。
斉藤 そのRIZINもこのあとは大変ですよ。2023年一発目のカードが発表されたときは「大晦日のカードとクオリティが全然違う!」ってお叱りの声が殺到しそう(笑)。
――RIZINという躁鬱MMAイベント。
斉藤 単なる「vs世界」アングルで終わらなかったのが今回のONEのアオシンvsクマエフですね。アオシンというのはDEEP佐伯代表夫人のテルミさんが青木真也につけたあだ名ですけど、使ってる人はあまりいないんですよ。
――恒例の紹介ですね。
斉藤 アオシンは負けてしまったけど、どんなファイターでも3~5年でキャラクターやストーリーがリセットされがちな消費速度が早い時代にずっと青木真也を通しているのはすごいなと思いました。変な話ですけど、アオシンって試合前から試合後まで毎回、同じ印象があるんですよね。芸風が同じなのに刺激的ってすごくないですか?
――有名落語家の十八番の噺を楽しむような。
斉藤 芸人さんだって芸風は変わるんだけど、明石家さんまのような変わらないモンスターもいますよね。つぶさに見ればずっと昔どおりではないんですけど、そう見える。勝っても負けてもキャラクターをやりきる強さがあるってことですよね。
――今回は試合後は泣きながら「秋山成勲戦で気持ちが切れていた」「本当はつらかった」とコメントしてますよ。
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https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar2129474
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