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大会後恒例の笹原圭一RIZIN広報インタビューです! 今回は大晦日の振り返りを15000字で(聞き手/ジャン斉藤)
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・鈴木千裕「中原選手は強敵! 平本蓮は頭おかしい! 今年は地獄の1年!!」
――笹原さん、あけましておめでとうございます! 昨日の大晦日RIZINは面白かったです!
笹原 あの盛り上がりを見ていて「アレ、今日最終回だっけ?」って思いましたから(笑)。
――朝倉未来vs牛久絢太郎、斎藤裕vs平本蓮、皇治vs芦澤竜誠、パッキャオ参戦を発表しといてじつは最終回。「俺たちの戦いはこれからだ!」って打ち切り漫画の最後ですよ!(笑)。
笹原 あらゆる具材をぶち込んだ超てんこ盛りシェフの気まぐれサラダですよね(笑)。まぁ喜んでいただけたなら何よりです!
――サプライズといえば、ネイト・ディアスのインスタの匂わせはなんだったんですかね?
笹原 こっちが知りたいですよ! ネイトに問い合わせをしたいくらいです。
――ハハハハハハ! RIZINもよくわかっていない。
笹原 いままでは具材を必死こいて買い集めていたわけですよ。「すいません、RIZINという料亭をやらせてもらっています」「は? 聞いたことねぇぞ。ウチは信頼を置けるところにした卸さねぇから。シッシッ、あっち行ってろ」みたいな感じだったのが、「RIZINさん、いいマグロが入ったんですよ。どうですか?お安くしておきますから」みたいになってきたってことです。
――みんなRIZINに絡もうとしているってことですよね。
笹原 そうです。なのでたまに「あれ、これどこから仕入れたんだっけ?」みたいなことが起こるわけです。
――その具材、心当たりが多すぎですよ!(笑)。
笹原 ネイトの件も、ネイト本マグロを本人が売り込もうとしているのか、それとも誰かが売り込もうとしているのかってことですね。
――AJマッキーから、レペゼンや日本統一まで、RIZINはあいかわらず闇鍋ですね(笑)。
笹原 過去最高のラインナップと自画自賛できるほど贅沢な大晦日だったと思うんですが、例年と違うところはまだ具材が残っていることなんですよね。
――いつもは大晦日ですべて出しきって、開幕戦のマッチメイクに苦労する感じですよね(笑)。大晦日に発表された朝倉未来vs牛久絢太郎、斎藤裕vs平本蓮、皇治vs芦澤竜誠は3試合とも別の大会でやるってことですか? 皇治vs芦澤竜誠は大阪でやるんでしょうけど。
笹原 そのあたりは記者会見で明らかにしますが、とにかく2023年のRIZINは開幕戦からアクセル全開で突っ走っていくので、みなさん振り落とされないように付いてきてください! で、去年の正月はシバター久保問題で1ミリも安息がなかったので、今年のお正月はゆっくりします、というかゆっくりしたいので、関係者の方は私に電話してこないでください!
――ゆっくりされる前に大晦日を振り返っていきたいんですが、まず第1試合のYUSHIvs中澤達也。
笹原 これは負けちゃいましたけど、中澤選手はよかったですよね。何もできなかったと言われればそれまでですけど、最後まで諦めない根性を見せる、という自分の仕事をやり切ったと思います。
――途中にカット・インする人気任侠ドラマ『日本統一』のキャストの皆さんもいい味を出してましたよね。中澤選手は俳優として『日本統一』に出演していて。
笹原 バックステージにも『日本統一』好きの関係者が結構たくさんいて、ちょっとした記念撮影祭りだったんですよ。
――ボクの非格闘技フォロワーが反応していたのがパッキャオ、シバターvs久保優太、そして『日本統一』ですからね(笑)。
笹原 賛否両論ある試合でしたが、まぁでもオープニングの試合としてはアリなのではと思います。だって、YUSHIvs中澤で始まってサトシvsAJで締める格闘技イベントなんて世界中探してもウチくらいでしょうから(笑)。
――最初は映画キャストが集団で入場して、最後はお札が降っていますからね(笑)。第2試合“ブラックパンサー”ベイノア vs宇佐美正パトリックは宇佐美選手がノックアウト・オブ・ザ・イヤーなKO勝ち。
笹原 宇佐美選手はRIZINというサファリパークでのびのびと暴れている感じですよねぇ。なんか解放されている感じが伝わってきます。
――RIZINって、外から来たファイターに寛容ですよね。
笹原 いや、寛容というか放ったらかしですよね(笑)。「オマエの好きなことをのびのびやれ」というスタンスです。もちろん迷ったり、悩んだりしたときには手を差し伸べますよ。
――一方で負けてしまったベイノア選手、キャラクターは完全にできあがってますが、これからどうやって立て直していくのか。
笹原 MMAに専念すると聞いています。覚醒するにはもう少し時間がかかると思いますが、あの身体能力と空手で鍛えた打撃がMMAにフィットすれば、それこそ鈴木千裕みたいになりますよ。
――第3試合は中原由貴 vs鈴木千裕。
笹原 いやあ、この試合が今年の大晦日でいちばんビックリしたかもしれないです。W杯で日本がスペインに勝ったみたいな話ですよ(笑)。
――ブラボー!!(笑)。
笹原 それくらい中原選手の実力は頭抜けていますから。いまRIZINに参戦しているフェザー級ファイターの中で、ある意味ジョーカーみたいな存在だったのが中原選手で、クレベルを仮に完封しても驚かないくらいの選手ですからね。
――中原選手にこんな勝ち方ができるフェザー級日本人がいたんだ……って驚きですね。
笹原 ボクは鈴木千裕の「桜木花道説」を唱えたいんですよ。
――『SLAM DUNK』の新作映画が好評な時期に荒れることを言わないでください。
笹原 「こいつを見ていると勝負したくなる」という千裕選手の感じ。中原選手からすれば、あれだけペースを握っていたんだから、もっとゆっくり落ち着いてMMAをやれば全然勝てたはずなんですよ。でも、鈴木千裕と戦うと無理やり打撃戦を挑まなきゃいけなくなるというか。
――そういえば山本空良選手も打ち合いにいっちゃいましたね。
笹原 しかも殴り合いになると当て勘も破壊力もあるので、試合をものにしちゃうんですよね。
――キャラクターが誤解されているのもいい味なんですよね。平本蓮選手のイジリも面白いんですけど、あれを真に受けて「鈴木千裕、嫌い!」となっちゃう人はもったいないなあと思ってて。
笹原 鈴木千裕のあのネジが外れた感じ最高ですけどね(笑)。本人は格闘技に対して超真面目で、花道のように1週間に2万本シュート練習をしちゃうような選手なんですけど、それがストレートに伝わらずになぜか誤解されて伝わるところも含めて鈴木千裕から目が離せないですよね。この中原選手からの勝利で、一気にタイトル戦線に絡んでくるでしょうね。
――次はジョニー・ケースvs大尊伸光ですが……公開計量のときの大尊選手のアキラ100%なパフォーマンスにヌルマゴが怒った説が流れています。
笹原 なんかそうみたいですね(笑)。
――やっぱり(笑)。
笹原 だからって大尊選手を「けしからん!」とは思わないですし、逆にヌルマゴがああいうパフォーマンスを嫌う姿勢も理解できます。過去にも、リング内外でのパフォーマンスはどこまで許されるか問題って取り沙汰されたことあるじゃないですか。
――でも、メイウェザーvs那須川天心があった公開計量のときは、メイウェザーに気を使って全裸の大尊選手に服を着てもらったんですよね。
笹原 そんなもん、問答無用で着てもらいましたよ!(笑)。
――ハハハハハハハハ! あのときはダメ。
笹原 あのときのメイウェザーは何か嫌なことがあったら即帰るモードだったんですよ。「明日、試合をしない」と言い出しかねないから「大尊、とりあえず服を着てくれ!」って。全裸にもTPOがあるってことですね。
――そもそもヌルマゴはベラトール軍のキャプテンという立場じゃなかったでしったけ?
笹原 これもなかなかおもしろい話があるんですよ。今回のヌルマゴってRIZINからもベラトールからもお金もらってないんです。貸しを作りたくないから自費で来日して、ガジ・ラバダノフのセコンドだけをやると。ベラトールもアン・コントロールな存在。じゃあベラトールのキャプテンという話はなんだったのかといえば、スコット・コーカーが思わずそう言ってしまったみたいなんです(笑)。
――なるほど!(笑)。そんな話があるなら同じタイミングでRIZINもキャプテンを用意しますよね。
笹原 ベラトールスタッフは「あー、またスコットのリップサービスが始まったぞ」というくらいの感じなんですよね。
――要するにサービス精神が旺盛だってことですね(笑)。
笹原 そこはプロモーターの宿痾なんですけど、とりあえず口に出す。それがあるときはホントに実現することもあれば、逆に自分の首を絞めるときもある。周囲からすると「えっ、そんな話は聞いてないんだけどな……どうするんだろう?」と戸惑いながら物事は動き出すんですよね。
――ということは笹原さんも榊原さんに対して「あー、社長のリップサービスが始まったぞ」という、はた迷惑な感情があるってことですね。
笹原 まぁ社長がこのインタビューをチェックしているとは思えないのではっきり言いますけど、そんなの毎日です(笑)。
――笹原さん、まだ無料公開ゾーンですよ!
笹原 なのでスコット・コーカーのそうしたリップサービスも全然理解できるんですよ。もう皆さん麻痺してますけど、メイウェザーを呼ぶ話も最初はありえなかったじゃないですか。社長も自分で口に出して、自分で自分を追い込んで、周囲も追い込まれてホントに呼んでしまった。そこはまさに猪木イズムなんですけど。
――猪木さんのモハメド・アリ戦の実現もそんな感じですよね。
笹原 スコットも自分が言ったことを忘れてるかもしれないですが(笑)。で、公開計量に話を戻すと、ラバダノフの計量のときにヌルマゴに一緒に上がってもらって、ドサクサに紛れてコメントをもらおうかな……って企んでいたんですけど。全裸の大尊選手の姿を見て、お怒りになられたと....。で、ここからが本当にいい話なんですけど、そんなことがあって怒りのボルテージを上げたままさいたまに来てみたら…… RIZINの演出やお客さんの熱に「信じられない」とえらく感動したんですよ。
――ヌルマゴの喜びと感情を引き出したRIZIN(笑)。さいたまスーパーアリーナがなぜ聖地だったかを肌で感じたことでしょうね。きらびやかなオープニングセレモニー、選手の入場が映える長い花道、それを包み込むお客さんの熱気……。
笹原 「あんな風変わりなヤツもいれば、こんな素晴らしい演出と観客の熱がある。RIZINってなんてワンダフルなイベントなんだ」……って思ったのではと、勝手に想像しています(笑)。
――ある意味で大尊選手はいい仕事をしたってことにしましょう(笑)。次は元谷友貴 vsホジェリオ・ボントリン。
笹原 元谷選手の完勝ですよね。素晴らしい内容でした。
――こっそり対抗戦の中に入れておけば、RIZINは1勝できたのに(笑)。
笹原 だからRIZIN vs. UFCの全面対抗戦はRIZINの全勝ですよ!(笑)。ボントリンは調子が良さそうだったんですけど、元谷選手はファイトスタイルが変わってスキがなくなった感じがしますね。元谷選手は下からも全然強いから、昔は四つの体勢になったときに、平気で引き込んだりしてたんですけど、上位クラス相手だとやっぱり不利になるのでやらなくなった。それって相当組みを強化しなくちゃいけないですからね。
――堀口恭司もそうですけど、地道にコツコツやってきたことでスタイルチェンジに成功したわけですね。元谷選手は4連勝中でしたけど、ライコンでずっと「KOボーナス取れなかった……」って落ち込んでいたのでおかしくて。
笹原 堀口選手がRIZINバンタム級のベルトを返上することになると思うので、元谷選手をはじめとして、朝倉海、キム・スーチョル、井上直樹がどう絡んでいくか。どんな組み合わせでも面白いですよね。あとは、ボントリンはあの会場の熱気に平常心ではいられなかったようですね。UFCファイターのボントリンやヌルマゴすら魅了する、日本の格闘技熱を作っている日本のファンの皆さんは、本当に胸を張っていいと思いますよ!
――平本蓮vs梅野源治のスタンディングバウト特別ルールが今回の変化球カードでしたけど、変化球カードの編成が超大変だったみたいですね。
・平本蓮大晦日出陣の話し合いは、じつは……
・梅野源治の狂い咲き
・幻に終わったヒジありボクシング
・芦澤竜誠ワンマンライブ裏側
・PRIDEのテーマは乗り気ではなかった
・対抗戦MVPは武田光司
・ベラトールも驚いたアーチュレッタの○○
・泣き顔のクレベルと抱擁
・AJマッキー1000万円甲冑騒動……15000字インタビューはまだまだ続く!
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コメント
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他1件のコメントを表示
笹原さんお疲れさまでした!最高の大晦日大会でした!
ジャンさん、いつも、素晴らしい記事をありがとうございます。笹原さん、今回のRIZINは本当に終始最高でした。コロナ鎖国が終わって今後もとても楽しみです。素晴らしいエンターテイメントをありがとうございました。
ジャンさん、笹原さんの話聞かないと、大会は終わらないですね!
それにしても、対抗戦は、すべて最高の試合でした!
個人的には、ベラに乗り込むときは、是非朝倉海、未来、伊澤の3人は送り込んでほしいです😃
燃え尽きた!最高だ
武田光司のタフネスに藤田和之を感じる
私は武田光司のタフネスぶり…第2エンジンが搭載されたかのようなスタミナと、ド根性ファイトで相手が怯むそのスタイルが、かつての三崎和雄に見て取れます。
WWFサバイバーシリーズ2001を超える世紀の対抗戦でした。
オーナーがジャケットを叩きつけて続く時代じゃない!
オーナーがファンに頭を下げてくれて続く時代なんだ!
続くんだ。続いてくれるのが、それが嬉しいです。
三崎和雄!アツイ!!
何気にPRIDEのテーマで榊原さんがコールされるのが、感動しちゃったな。
本人が、喜んでたらいいんだけど。
他は納得した記事だったけど、YUSHIは𠮟っといて欲しかった。あの試合を肯定しないで欲しい。