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店長が雑用屋に!? いったい何があったのか? 川名雄生“人生の総合格闘家”インタビュー(聞き手/ジャン斉藤)
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・極真世界王者・上田幹雄「大山総裁ならRIZINに殴り込んでいたと思います」
――川名店長のプライベートが急展開すぎるのでお話を伺いにきました!
川名 よろしくお願いします。いろいろと大変です……。
――川名店長を務められていた「北海しゃぶしゃぶ湘南藤沢店」が閉店されて、今度はが“雑用屋”を始めたわけです……お店の閉店はどういう事情だったんですか?
川名 遡ること今年の7月ぐらいに「このままだとお店がやっていけないな」って流れの中で、飲食店のプロの方にアドバイスもあって、お店をリニューアルしてたんですよね。藤沢という土地柄なのか、8月って1年の中で売り上げがいい月なんですけども。それに合わせて7月にリニューアルして8月に売り上げを確保。落ち気味な10月11月に備えようと考えたんですけども、その8月にずっこけちゃったっていう。リニューアルしたことによって、常連のお客さんが離れた分と新規のお客さんが入ってきた分のバランスが悪かったんだと思います。
――どんなリニューアルだったんですか?
川名 もともとは「ラムしゃぶ食べ放題」というかたちでやってたんです。
――ボクも取材がてらラムしゃぶを堪能させていただきました!
川名 それまでは牛を入れてこなかったんですけど、和牛のいいやつを入れて値段も上げてリニューアルしたんですけども……。8月の売り上げを見て「このまま続けても無理だな」と。それで9月ぐらいから閉店に向けて動いていたわけなんですけども。
――オーナーも閉店に同意されたんですか?
川名 いや、じつはもうボクがオーナーだったんです。コロナ禍の中にボクが社長になってたんです。
――あ、そうだったんですか。店長でなく社長になっていった。
川名 はい。でも「社長です!」みたいになると嫌らしいじゃないですか(苦笑)。
――たしかに愛され度が薄まりますね(笑)。オーナーの都合で店を閉めたわけではなかったんですね。
川名 以前はオーナーの方と一緒に頑張ってやってたんですけども 30歳も過ぎていたし、そろそろ1人で歩き始めるべきなのかなってことで、社長としてこのお店をやることにしました。
――コロナ禍のオーナーチャンジはけっこう大変だったんじゃないですか?
川名 コロナのときは補助金が出ていたんですよ。小っちゃい飲食店であればあるほど、そこは潤ってたんじゃないですか。でも、コロナが収まってくると、だんだん補助金も減っていきましたからねぇ。そしてコロナが終わっても飲食業には客足はなかなか戻らず……まあ客足はそんなに戻んねえだろうなぁとは思ってたんですけども。飲食業は売れてるところと売れてないところの差がガクッと出てきた感じですよね。
――物価も高くなっていますし。
川名 なによりいま自分もやっているウーバーイーツがある時点で、外食する人が減ってるんですよ。
――あー、たしかに出歩いて食べる機会は以前より減っていますねぇ。
川名 これでもけっこう粘っていたんですけども、リニューアルの結果が出た時点で続けるのは厳しいなって。「年末さえ超えれば客足は戻る」って思ってる飲食店は多いと思うんですけども、戻らないだろうなって。
――そうして閉店の決断したわけですね……。
川名 11月になれば鍋の時期なので、続けようと思えば年末もなんとかなるんですけども、来年の1月2月がどうなるかといえば……コロナ禍前と比べると売り上げが20~30%減っているんで。そうなってくると、年末だけちょっと戻ったとしても、他の月をカバーできるかといえば無理です。ここで判断するのであればリニューアルせずに閉じちゃえよって感じだったんですけどね。そこは自分的にやりきりたかったなって。リニューアルしてダメだったら諦めつく。だからいまはスッキリしたって感じですね。
――戦い切った、という。
川名 はい、やり切ったなと思ってます。それでお店をやめて「仕事どうするの?」ってなったときに、飲食店で店長をやったことがある、介護をやったことあるとか、そんなもんのスキルしかなくて、とくに資格もない。なんとかこれくらい稼げれば人並みには生活できるなっていうのを計算して、普通の一般の会社に就職して働くよりは、もう自分でやるしかないなと思ったんですよね。いまはウーバーイーツをやってますけど、まず都内でどれくらい稼げるかを試して。これくらい稼げるんであれば、絶対に都内に引っ越したほうがいいなってことで、いまは板橋のほうに住んでます。10月に閉店して11月中に引っ越しや、お店の物件の解約手続きをしました。お店はスケルトンにしなきゃいけなくなっちゃったんで、業者とやり取りしてバタバタしてましたね。
――電光石火過ぎますね! それで12月10日にはDEEPで試合(小金翔)があって。
川名 試合もしました。もう稼ぐしかないんで。あとはちゃんと給料分になるぐらいにはファイトマネーをもらえてるんで。そこはDEEPさんには評価されてるので、試合をこなすしかないなって。
――それで判定勝ち……よくやりきりましたね!
川名 でも、試合はお店をやってるときよりも楽でしたね(笑)。飲食店をやっていると毎日数字に追われるじゃないですか。それよりかは、いまのほうが全然楽ですよ。
――解放されたところがあるってことですか?
川名 そうですね。正直言っちゃえば、事業に失敗して抱えた負債もあるんですよ。
――額的には……。
川名 ●●円です。
――な、なるほど……。
川名 でも、それ以上マイナスになることはないんで。あのままお店を続けたら、もっとマイナスになってたんですけども。けっこうな負債を抱えたとしてもいまのほうが楽かなっていう。
――ウーバー以外にも、SNSでも雑用仕事の募集もしてますね。
川名 ウーバーだけやってても何も生まれないじゃないですか。ただ、配達スピードが速くなるみたいな(笑)。いまはウーバーで稼げてるからいいんですけども、ウーバーも賃金が下がってるんですよ。
――以前ほどウーバーで稼げないみたいな話があるみたいですね。
川名 これから先、賃金が下がることはあっても上がることはないと思うんですよね。だからウーバーは極力やめていきたいし、つなぎの仕事ですよね。ウーバー以外に何するのか?ってなったときに一般人よりかは体力があるんで、そこを売りにするしかない。体力とフットワークの軽さを売りにしてきていかないなっていうことで「なんでもやるよ」ってことで雑用係、便利屋さん。ただ、それっていろんな資格が必要だったりするんですよ。たとえば電気系、水道関係の知識があったりとか、便利屋さんもプロとしてあらゆる知識や資格が必要なんです。自分は「もっと下の雑用をなんでもやります」みたいな感じで。ただ、その雑用係は現役のあいだだけかなと思ってるんですよ。
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大阪にも来てもらいたいと思ったら。
交通費、宿泊代で5万円を超えてしまう。
チャンピオンに対して幾ら払えるのか?
めちゃくちゃ魅力的だけど、めちゃくちゃシンドイ金額だと思いました
お金と格闘家としてどう生きていくかというデリケートなところに触れた、ものすごく興味深い記事でした。
川名店長のお店はおいしくてファンだっただけに残念ではありますが、川名元社長として幸福になってほしいと心から願うばかりです。まずは借金返済から!
リアルな話が他人事と思えませんでした。