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UFCの契約を勝ち取った鶴屋怜インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)


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――2月4日の「ROAD TO UFC」トーナメント決勝を制してUFCの契約を勝ち取った鶴屋選手ですけど、帰国後もう練習されてるんですね(取材は2月9日)。

鶴屋 帰ってきた翌日には始めてますね。

――もうちょっとゆっくりしてください!(笑)。金原正徳選手がクレベル・コイケに勝ったときもすぐにロータス世田谷で練習してて「休まないんだ!」ってビックリしたんですけど、世界クラスはやっぱり普段の姿勢から違うんですねぇ。

鶴屋 まあ自分の場合は他にやることがないってところはありますね。それにさすがに2部練じゃなくて1部練なんですけど。試合後は減量から解放されたところもあって食べ過ぎちゃうから、身体を動かさないと太っちゃうんで(苦笑)。

――あとあとキツくなるわけですね(笑)。あらためてUFC契約ゲットおめでとうございます!

鶴屋 ありがとうございます! UFCの契約は夢だったので嬉しいんですけど、もう早く戦いたいです。全然ケガもないんで、すぐにやりたいくらいですけどね。できればランカーと……。

――すぐに試合をしたいし、できればランカーとやらせろ!と(笑)。
試合後ダナ・ホワイトから何かプレゼントをもらったということは会うことができたんですよね。

鶴屋 いや、じつは会えなくて。ダナ・ホワイトさんの部下みたいな方から急に渡されて。よくわかんなくて持ち帰ってたらUFCジャパンの人が「それはダナ・ホワイトがくれたんだよ」と。ダナ・ホワイトさんからUFCジャパンの人にメールもあったみたいですね。

――鶴屋選手のMMAデビュー戦のあとにインタビューしたことがあるんですけど、あれから3年も経たずにUFC入りは超順調すぎますよね。

鶴屋 いまのところ順調にやれてます。自分の想像よりもちょっと早いくらいですね。デビューした頃は5年ぐらいでUFCに……くらいに思ってたんですけど。

――ピンチといえば、RTU準決勝前のケガくらいで。

鶴屋 そうですね。あのケガはけっこうヤバかったですけど、それを乗り越えられた経験は本当に大きかったと思います。

――試合後の「負けを知りてー!」は元ネタはとくにないってことですけど、刃牙・死刑囚編ではありますね。

鶴屋 あれはインパクトを残すためにというか……UFCでも注目されることは求められるので、ちょっと面白いこと言ってみようかなと。刃牙ってわけじゃないですね。自分は無敗ですし(笑)、UFCでも負ける気はしないんですけど、ランカーが味あわせてくれかなって。

――自分がどこまで強いのかが知りたいと。

鶴屋 いままで試合でダメージを負ったこともないんで。このままダメージがなくUFCチャンピオンになれるんだったら、それでいいですし(笑)。

――ノーミスでUFC制覇ですか(笑)。RTUは正直、物足りなかったところはありますか?

鶴屋 本当に全部フィニッシュで勝ちたかったところはあるんですけど。オールフィニッシュだと印象が違うじゃないですか。

――本戦のマッチメイクにも関わってきますね。

鶴屋 まあ準決勝はケガもしてたし、相手のクリマコが普通にうまかったところもあるんですけど。怖かったのはケガで欠場することですよね。リザーバーが出ちゃうので試合は延期してもらえないし、準決勝の前にケガしたときはホント危なかったです。

――トーナメントだから優勝まで3試合。ケガで欠場したら脱落という。トーナメント決勝の日程が後ろにズレたり、場所が上海からラスベガスに変更になったりしましたね。

鶴屋 場所が中国からアメリカになったのは、かなり大きかったなって。中国だと、もしかしたら相手の中国人選手への声援がすごくて、その空気に自分もジャッジも飲まれちゃう可能性もなくはないじゃないですか。なのでラスベガスでよかったかなって。

――中国だとアウェイ気味になるってことですね。1回戦の会場は上海でしたよね。相手はインドネシア人でしたけど。

鶴屋 あのときはそこまでお客が入ってなかったこともあって、試合という感覚がなくて緊張感はなかったというか。

――今回の会場UFC APEXの雰囲気はどうでした?

鶴屋 RTUの前にファイトナイトをやってたじゃないですか。そこで使っていたオクタゴンをそのまま使わず、別のオクタゴンに変えたんですけど。それが小さかったんですよね。これはかなり狭いなって。
――ああ、スモールバージョンのオクタゴン。ファイトナイトのオクタゴンのままやれば手間は省けたのに。

鶴屋 自分もそう思ったんですけど、交換するために1~2時間待たされましたね。大きさが全然違うことがわかったんで、それはそれで経験かなと。

――ファイトナイト終了まで何をしてたんですか?

鶴屋 会場近くのホテルにいました。会場まで10分か15分くらいですね。ファイトナイトが終わったぐらいで会場に入って、試合まで2時間くらいあったんでアップしたりとか。

――試合は圧勝だったわけですけど、顔面に打撃一発もらったことで「打撃が心配」とかいろいろと言われてます(笑)。

鶴屋 ハハハハハハ。他の選手が1試合で何十発ももらってるのに、何を言ってるんだって感じはするんですけど(笑)。打撃ができないんじゃなくて、打撃をしなくても勝てるだけなんで。もしピンチだったら全然打撃をやって勝てますし。

――組みで勝てるなら打撃戦をするまでもないってことですね。

鶴屋 あのときも向き合った瞬間、圧があんまないな、けっこうビビってんなって感じがして。「タックルにいけるな」と思ったところに一発もらって。そこでやっとスイッチが入った感じですね。

――やる気スイッチが入っちゃったわけですね。

鶴屋 ホントは一発ももらわないまま勝ちたかったし、最初のタックルでテイクダウンしたかったんですけど。相手もしっかり脇を差してきたところを見ると、ちゃんと研究してきたのかはわからないですけど。一発もらっただけで、あんなに言われるなら「これからどうなっちゃうんだろう?」って(笑)。

――「パンチ一発すらもらってくれるな」という期待感があるってことです!(笑)。

鶴屋 ヌルマゴもそんなに打撃をやらないでチャンピオンになったし、無敗でチャンピオンになれば誰も何も言わないって感じですよね。

――もうひとつ言われがちなのがRTUで席巻した「首投げ」ですね。バックを取られる危険があるから、ある程度のレベルのファイター相手だと首投げは使えないと言われています。

鶴屋 首投げがどうのこうの言ってる奴に関しては、自分が小学校からずっとやってきてるし、一瞬で返されたりしないですよね。練習でも全然使ってますし、トップクラスにも全然かかりますし。

――トップクラスにも! 何かコツがあるんですか?

鶴屋 ちょっと普通の首投げとちょっと違うのかな。普通の人は投げるみたいな感じですけど、自分の場合は巻き込むみたいな感じの首投げなんで。たぶん自分と一緒に練習をやってる人だったら、首投げを使っても全然大丈夫っていうと思うんすよね。

――実力者揃いのパラエストラ千葉ネットワークでは。

鶴屋 誰でも投げれるっすね。自分より体重が重い相手のほうが投げやすいっす。

――UFC本戦でも首投げが通用する自信があるわけですね。

鶴屋 もうバンバン決めます。脇を差されたら首投げめっちゃかかるんですよ。脇を差しても何にもしない人いるじゃないですか。だからわざと脇を差させて、そこから首投げできるんですけどね。

――首投げを有効利用している選手って他にいます?

鶴屋 たしかにあんま見ないですね。父親(鶴屋浩)ぐらいですかね(笑)。

――親子で受け継ぐ秘伝! 女子では三浦彩佳選手とか。

鶴屋 ああ、たしかにそうですね。何回か見たことあるっすけど、たぶんあっちは柔道っぽい首投げじゃないですか。自分のはレスリング系なんでまたちょっと違いますね。

――お父さんは試合に集中できる環境を整えてくれたりして、その存在は大きいわけですよね。

鶴屋 そうですね。ちゃんと2部練できるし、今回もフィジカルトレーニングをセッティングしてくれたんで。フィジカルやってから身体もでかくなれたっていうか、筋力が増えたっすね。

――通常何キロくらいなんですか?

鶴屋 通常67~68キロくらいですかね。試合がなくて食っちゃったりすると73キロまで増えたことあるっすね。

――フライ級で73キロはなかなかですね(笑)。

鶴屋 太りやすい。でも食っちゃうんですね、減量の反動で。だから練習してある程度の体重はキープしときたいんですよね。

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