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平本蓮ドーピング疑惑騒動! パフォーマンス向上スペシャリストとして多くの格闘家をサポートするタケ ダイグウジさんに話を伺いました!(聞き手/ジャン斉藤)
【1記事から購入できるバックナンバー】
・RIZINとUFCの違いは? 初心者に優しい「MMAとドーピング」講座■タケ ダイグウジ
☆このテキストは8月22日に配信されたものを編集したものです
――以前からタケさんには計量オーバーやドーピングなど、ファイターの身体についてお話を伺ってきましたが、今回は平本蓮選手のドーピング疑惑騒動を取り上げます。なかなか物騒なテーマですが、まあDrokickは会員31名しかいないクローズな場なので拡散はされません、たぶん(笑)。
――以前からタケさんには計量オーバーやドーピングなど、ファイターの身体についてお話を伺ってきましたが、今回は平本蓮選手のドーピング疑惑騒動を取り上げます。なかなか物騒なテーマですが、まあDrokickは会員31名しかいないクローズな場なので拡散はされません、たぶん(笑)。
タケ ハハハハハハハ。ボクもRIZINファイターを指導してますし、20年近くこの業界にいますんで、べらべら喋ってもなんのプラスにもならないんですよ、本当に(苦笑)。
――専門家ほど慎重になるテーマですよねぇ。この件に関してはRIZINも平本選手も現時点で何も声明を出していません(この配信は8月22日に収録)。タケさんと電話が繋がる前に、この件に関するボクのスタンスを視聴者に説明してたんですが、この騒動は表に出てこない話も絡み合ってるから厄介ですよね。
タケ ジャンさんはどんな話をされていたんですか?
――ボクが話したのは今回の騒動には3つのポイントがあると。まず平本選手の検査結果が1つ目のポイント。2つ目はこの騒動を受けてRIZINのドーピングシステムはどう変わっていくのか。3つ目は告発騒動の裏側ですよね。SNSにアップされたあの電話の主は明らかに平本選手に近い方だし、告発前にこの音声情報を匂わす選手・関係者が見受けられた。いろいろと不審な点があるから、検査結果が判明したところでいろいろと問題化するんじゃないかなと。けっこう危ういと思ってますよ。
タケ まず言えるのは時期的にまだ検査結果は出ないんじゃないのかな(9月5日に結果判明)。RIZIN以外で国内で検査をやってるのはパンクラスさんのタイトルマッチですけど、試合後だいたい1ヵ月ちょっとあとぐらいに「陽性反応者は出ませんでした」と発表されてますよね。春先の女子のタイトルマッチで風邪薬が原因でどっちの選手にも出ちゃったことがありましたけど。
――パンクラス女子フライ級タイトルマッチの端貴代vs重田ホノカで両選手とも陽性反応が出たやつですね。風邪薬や漢方薬の使用で悪質ではないとして罰金等のペナルティだけでしたけど。
タケ あれは「うっかりドーピング」のたぐいで、罰金はあるとしても、あれを突くのはどうかなと思ったんですけど。あのときも発表までに試合後から1ヵ月以上かかっていますよね。
――試合が3月31日にあって、発表されたのは5月14日ですね。
タケ それくらいかかるってことですね。採取したものを海外に送って、その検査結果が戻ってくるまでのタイムラグ。UFCはもっと早いですけど、それでも1ヵ月後ぐらいじゃないのかなって。なので、ファンの皆さんも「まだ結果が出てないの?」と思うかもしれないですけど、そこは仕方ないんですね。
――あの電話のやり取りを聞いてトレーナーの立場からどう思われました?
タケ あの音声が本物かどうか、巧妙に編集されているのかは現時点ではわからないんですが……あの電話主の言い分だとちゃんとサイクルを組んでやってるんだろうなあってことですね。要はケア剤を入れて打ち消している。ビックリしたのは電話の主が注射のやり方を平本選手から引き出そうとしていたことですよね。本人が自らやってるんだって。
――そこは不自然ですか?
タケ だって、どこかのクリニックに行けば打ってくれますからね。以前のインタビューでもお答えしてるはずですけど、男性の更年期障害の予防で低容量のテストステロンなんかの補充療法をやってくれるクリニックはいっぱいあるんですよ。実際ボクの友人の開業医もやってますし、それを聞きつけて大相撲方面から「入れてくんないか」というオファーがあったみたいなので。
――大相撲はなかなかアレですよね……。
タケ だから町医者でもできなくはないんですよね。ただ、自分でも普通に買えちゃうから、ビルダーは自分でやってますよね。実際ボクのトレーナーの後輩で普通に打ってる子がいたんですけど、「錠剤を飲むと肝臓や内臓が荒れるからボクは注射です」って平気で言ってました。下っ腹、もしくはお尻に打つんですけど。
――あの音声ではSARMs(サームス)を使用していると。
タケ サームスは錠剤らしいんですよね。男性ホルモンを骨と筋肉に優先的に入れるもので、比較的副作用が少ないと言われているんですけど。サームスにもいっぱい種類があって、あの品番で調べたら、骨を強くして筋肉増強作用も高いのでちょっと副作用がある。いわゆる女性化だったり、あとは睾丸の萎縮や肝臓をケアするためにケア剤をある程度、入れておかないといけない。あの音声ではそのへんのことをちゃんと言ってますよね。怖いのは電話の主は平本選手にそれを言わせようとしてることだし、それを完璧に指導できているということは自分もやってる立場だと思うんですよ。
――電話の主も自分の身体に入れている可能性があると。
タケ 自分もやってるか、そういう指導してる。こういうふうにいうと「じゃあ、どこのトレーナーなのか」という話になっちゃうんですけど。ボディービルダーのトレーナーさんにはそのへんのことに異常に詳しい人がいっぱいいるんですよ。
――いまのMMAも、じつはやってるファイターが多いはずですよね。UFC以外は抜き打ち検査はやってないし、RIZINやパンクラスのように検査自体があることが稀。PFLは今シーズンからUSADAと提携して抜き打ち検査体制を整えましたが、それは昨シーズンに陽性反応者が大量に出たからで。
タケ そうですね。このあいだもヘビー級で優勝した選手が出場停止になりましたよね。
――2021年のPFLヘビー級リーグ戦王者ブルーノ・カッペローザですね。2023年にも9ヵ月出場停止処分を受けて、今回は1年間の出場停止。
タケ あとUFCでシャラ・マゴメドフの相手がケガで欠場したから、10日前に緊急オファーをされた選手が検査に引っかかって。試合をすることなくUFCからリリースされたうえに2年間のサスペンド。
――ジョイルトン・ルターバッハですね。「UFCからオファーがあると思わなかったからやっていた」と(笑)。
タケ そんなファイターは山程いると思いますよ(笑)。
――PFLの大量発覚騒動もそうですけど、ケア剤で打ち消せるから手を出したけど、結果的にうまくいかなかったわけですね。
・USADA提携後のUFC
・身体を見ただけではわからない
・現実的なドーピング体制とは?
・格闘家のプライドとモラル……まだまだ続く
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