☆このインタビューはニコニコチャンネル停止中の7月1日にnoteに掲載されたものです。
――超RIZIN3への参戦が発表されたヒロヤ選手ですが、昨年7月の超RIZIN2、そして年末興行とビッグイベントへの参戦が多いですよね!
ヒロヤ そうなんですよ。昨年は10月のRIZIN LANDMARKにも出てるんですけど、やっぱり注目度の高いイベントへの出場はうれしいです。
――超RIZIN3の対戦相手が所英男選手に決まりましたが、率直にどう思いました?
ヒロヤ いやあ、シンプルにめちゃめちゃうれしいですよ。やっぱり大晦日の新井丈戦で勝ったから、そういう知名度もあってレジェンドの選手と当ててもらえてるのかなと思うと、ボクのなかでも何かストーリー性を感じるので「ここは勝たないとな」と思ってます。
――所選手についてはどういう印象があります?
ヒロヤ 自分とちょっと似てるんかな? みたいな。キャラクター的に。
――あ、やっぱり。それは試合の盛り上げ方とか、お客さんのハートの掴み方とか?
ヒロヤ そうそう、似てますよね。泥臭くても自分の生き方を格闘技で見せてるというのはボクもそうなんですけど、やっぱり所選手の格闘技に対する向き合い方というのは、本当に長いスパンで続けられてるじゃないですか。HERO’S、DREAMのときに活躍していて、一回格闘技の波が落ち着いて、それでもまだ続けていてRIZINでもう一回頑張ってるというのを見ると凄く尊敬します。
――ちなみに、所選手の試合ってリアルタイムでご覧になってます?
ヒロヤ いやー、リアルタイムでは見たことないですね。だって、何年前ですか?
――所選手がHERO’Sで花開いたのは2005年、DREAMは2008年スタートです。
ヒロヤ その頃、ボク小学1年とかですもん(笑)。どっちかというと『ドラえもん』とかアニメを観てましたから。でも、やっぱり格闘技の世界に入ったらそのへんも全部わかるじゃないですか。UFC PIとか行くと、めちゃくちゃPRIDEの映像とか流れますからね。
――それはジムの中で?
ヒロヤ ジムもそうですけど、サウナやプールでも。しかも、日本人の試合がけっこう多くて。だから当時活躍していた人たちというのも知っていきますよね。
――所選手は「負けたら引退」と言われていますが、その相手に自分が選ばれてるというのも凄いですよね。
ヒロヤ そこもシンプルに格闘家としてうれしいですよね。そんなレジェンドの決意のある試合でボクを指名してくれてるのは。それにいまRIZIN側が、名前もあってマッチメイク的にもいい感じで試合が面白いであろうと認めてくれて、ボクを選んでくれたというのは、やっぱめっちゃうれしいです。
――試合もスイングしそうですし。
ヒロヤ 必ず面白い試合になると思いますよ。それに、ボクはすべてで圧倒する姿を見せたいんですよね。ボクは新年明けてアメリカ修行に160~170日ぐらい行ってたんですけど、そのあいだ丸々7ヵ月ぐらい試合をしてないんで。
――アメリカ修行の様子はヒロヤ選手のYouTubeにも上がってますが、そんなに長い期間行ってたんですね。
ヒロヤ じつは、7ヵ月も試合期間が空くのも初めてで。去年なんかブレイキングダウン、DEEP、RIZINを合わせて合計6試合してるんで。
――そんなに(笑)。
ヒロヤ けど、7ヵ月の空白を利用してアメリカに行って、ここでさらに強くなったところを見せたい……というか、自分がどんなパフォーマンスをするのか、それをリングで出すのが自分自身が楽しみです。
――ところで、ヒロヤ選手って印象としては打撃系とか寝技系とかではなく、本当にトータルファイターという感じですよね。
ヒロヤ オールラウンダーですね。「何が得意?」ってけっこう聞かれるんですけど、相手によるという感じです。まあでもオールラウンダーだから、最初の頃は勝ち星がつかなかったというのもあって。特化型じゃないんでね。
――そもそも、バックボーンは何かあったんですか?
ヒロヤ バックボーンはないです。まったくナシ。それで19歳くらいのときに格闘技を始めただけですね。
――それって地下格闘技からですよね。そこに出るきっかけってなんだったんですか?
ヒロヤ なんか、飛び入りでした。
――と、飛び入り!?
ヒロヤ 体重とか関係なく、めっちゃデカくてキックのチャンピオンみたいなヤツと試合しましたね。でも、そこでボク負けたんで「格闘技、クソおもんないわ」と思って。ケンカは自信があったんですけど「やっぱり格闘技は違うなあ」みたいな。そういう言いわけをして俺は格闘技から離れていたんですけど、その試合自体は凄く盛り上がってたんですよね。
――当時から沸かせるファイターだったんですね。
ヒロヤ ガンガン攻めはするけどKOされるという。で、後日、友達と飲んでるときに、そのときの主催の人たちにたまたま会って。「あのとき飛び入りで試合に出てくれとった子よね?」「また次、地元で大会あるから出てくれへん?」みたいな。だから俺は「出えへん、出えへん」とか言ってたんですけど、ボクと一緒にいた相方は「俺、出るわ」と。その相方は、同じ大会に飛び入りで出て勝ってたんですよ。
――その方も飛び入りなんですか(笑)。
ヒロヤ そうなると「なんか俺、ここでビビっとうと思われたらイヤやな」みたいな。若いんで、そういうのってあるじゃないですか。
――メンツの問題ですよね。
ヒロヤ だから「ほな、俺も出るわ」と。そこで出るとなったら、もう恥かきたくないんで、今度はめっちゃ練習したんです。そしたら一緒に出る予定だった相方は、そのあいだに捕まっちゃって。
――ええー! ちょっと話が急展開すぎます!
ヒロヤ だから「そいつのぶんも頑張らなあかん」となって、当てられたのが地下で4戦無敗みたいなヤツやったんですけど、負けると言われながらも勝ちましたね。で、当時って、ちょうど(朝倉)未来さんがROAD FCに出るぐらいの頃だったんですよ。
――未来選手がROAD FCに参戦していたのは2017年です。
ヒロヤ ボク、アウトサイダーのときは、正直「べつに地下のチャンピオンレベルでしょ」ぐらいに思っていたんですけど、ROAD FCで勝って「この朝倉未来って人、面白いな」「この兄弟、凄いな」と。そのときボクは夢が何もなくて、けっこう自分の人生に焦りを持ってた時期だったので、そこで「格闘技やりたいな」と思ったんですよね。「嘘でもいいから、この人らみたいになれたらいいな」という思いで格闘技をはじめました。
――当時、未来選手に直接コンタクトを取ったことがあったそうですよね。
ヒロヤ ああ、格闘技を始めて1年ぐらい経ったときに、どうせ本気でやるなら東京がいいんやろうなというのは薄々は気づくじゃないですか。でも、ぶっちゃけ行きたいジムもべつにないし、この朝倉未来という人のファイトスタイルめっちゃいいなと思ってたので、そのときにインスタでDMしましたね。
――その行動力は凄いですよ。
ヒロヤ そうっすか? ただ、未来さんもまだYouTubeとかやられてなかった頃だったので、普通に返事もくれて。そのときの返答としては、和術慧舟會HEARTSを紹介されたんですよ。「フライ級ならHEARTSとかのほうがいいかもしれないですね」と。
――というか、返事をくれた未来選手もやさしいですね。
ヒロヤ YouTubeをやる前だったので、送るタイミングもよかったのかもしれないですね。いまは絶対に返ってこないですよ(笑)。
――大忙しいですもんね(笑)。
ヒロヤ いやー、もう死ぬほど忙しいと思います。でも、その頃から凄い人だし、シンプルにカッコいいなと思ってたんで。
――当時というのは、関西でずっと練習されてたんですよね?
ヒロヤ 最初、兵庫県姫路市にある華王州(カオス)という道場で練習していたんですけど、地下で絶対に負けたくなかったんで、始めて1年ぐらいでパラエストラ加古川でプロと練習するようになって。そのあとに、神戸の総合格闘技道場reliable(リライアブル)という、けっこうパンクラスとかDEEPに選手を出してるジムがあるんですけど、そこが打撃特化型のジムで。ボクも打撃が課題だったんで、そこから1年はreliableさんに行かせていただきました。
――未来選手にDMを送ったのはどの時期だったんですか?
ヒロヤ パラエストラ加古川から次に移るぐらいの時期ですね。で、未来さんからはHEARTSを紹介されたんですけど、未来さんと一緒に練習できないなら意味ないなと思って。だから「未来さんは東京でどういう練習しているんですか?」と聞いたら「一緒に練習できるというよりは、ボクは出稽古のほうが多いんで」みたいなことだったので、「覚悟あるなら来てください」と言ってくれたんですけど、そのときは上京しなかったんです。
――やっぱり一緒に練習したい思いが強いから。
ヒロヤ まあでも、正直そこは俺が一歩踏み出せなかった部分なんかなと思ってるところなんですよ。さっき「行動力がある」と言ってくれましたけど、そのときは「東京はまだ違うのかな……」と思っちゃったっすね。
――次のきっかけとして「朝倉未来一年チャレンジ」があって。引き寄せられてる感じがありますね。
ヒロヤ だから、いまとなってはそのとき行かなくて正解……いや、どっちでも正解だと思うんですけどね。ぶっちゃけ、どうせ行ったら頑張れるタイプではあるんで。
――ただ、一年チャレンジの企画があったとしても、またそこで選ばれるのも大変ですよね。だって500人とか1000人くらいの応募があったと言われてますし。
ヒロヤ それくらいあったみたいですね。
――自分が選ばれると思いました?
ヒロヤ 絶対に選ばれるなと思いました(キッパリ)。
――えー、凄い!
・DMを送ったことを明かしたのは……
・地獄の「朝倉未来1年チャレンジ」
・DEEPの“朝倉兄弟ロード”
・批判と炎上を耐えるメンタル術
・まだ「RIZINの」ではなく「ブレイキングダウンの…」
12000字インタビューはまだまだ続く……
この続きと浅倉カンナ、安保瑠輝也、ドーピング問題、くるみ……などの「10本14万字・格闘技記事」が550円(税込み)が読める詰め合わせセットはコチラ
この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック!1記事200円から購入できます!