UFCとWWEが社運を懸けてインターネットテレビ事業に参入
シンガポール大会を日本のファンは見られない!?
テレビ番組や映画をインターネットで配信する米国のネットサービス、「ネットフリックス(Netflix)」の利用者が、世界全体で4,000万人の大台を突破した。内訳は米国内の利用者が3,100万人余り、カナダや南米、欧州諸国などの利用者が900万人余りとなっている。日本ではサービスは提供されておらず、ウェブサイトを訪問しても「Sorry, Netflix is not available in your country yet」というメッセージが表示されるばかりだ。
ネットフリックスはもともとDVDを宅配でレンタルするビジネスで成長した企業。月額8ドル99セントで宅配レンタル会員になると、ストリーミング配信がおまけでついてくるという位置づけになっている。当初はパソコンでビデオを見るスタイルの受けが悪く、ストリーミングを利用する人は多くなかったのだが、やがてテレビそのものがスマートTVとしてインターネットにつながったり、ゲーム機のXbox、Apple TVといったデバイスを経由してインターネットにつながるようになり、さらにiPadなどのタブレット機でインターネット経由のテレビ番組や映画などを視聴するスタイルが急速に一般化するにつれ、ユーザー数が強烈な勢いで増加しはじめたのだ。北米ではいまや、1日のピーク時間帯におけるインターネット全体のダウンストリームトラフィック全体の実に31.62%を、ネットフリックスが占めるほどまでになっているという。
こうして、インターネットを経由したデジタルテレビサービスが急速に現実化してきたことを背景に、UFCとWWEが期せずして同時期に、自社版ネットフリックスのようなサービスを立ち上げる。本稿では仮に、UFCネットワーク、WWEネットワークと呼ぶことにする。
名称も価格もいまだ明らかにされていないUFCネットワークは、日本人選手祭りとなる1月4日のシンガポール大会から中継を行うべく、急ピッチでサービスインに向けた作業が行われている。