Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは…衝撃の結末 UFC 196 米メディア・アンソロジー! はじけ飛ぶビッグプラン、焦土の中からうごめき始める新たな物語!







●オクタゴンサイドで観戦していたUFCプレシデントのダナ・ホワイトにとっては、何百万ドルもの札束が目の前で焼かれてしまった気分だっただろう。
ホリー・ホルムが落とされ、マクレガーも落とされた。もっともカネになる2人のスター選手が衝撃のアップセット負けを喫したのである。「ホルム vs. ラウジー」再戦実現は遠のき、UFC200でのマクレガーのメインイベントも怪しくなり、1年分のメガファイトの予定が一気に複雑化した。
「もうこの商売を16年もやっているが、1つだけ言えることは、計画をしても仕方がないと言うことなんだ。だって、どうなるか分からないんだから」(ホワイト)
もちろん、UFCの売り上げなどどうでも良いという人にとっては、今大会はトップ団体が提供してくれる愉悦の一夜だった。UFC196は、UFCが自社の将来の利益をプロテクトするのではなく、ファンの見たいものを提供することを証明したような大会だったからだ。MMA他団体やボクシング界では、こういうことがほとんどできていない。
UFCは、ラウジーの準備ができるまで、ホルムを待たせておいてもよかったのだ。ラウジーのキズが癒え、映画の仕事が終わる頃、ホルムとの再戦を組めば、MMA史上最大の売り上げが約束されたようなものだった。9月頃に実現するのではないかという噂も出ていたのだ。
「どうにか脱出できると思っているうちに、行きすぎてしまった」と語るホルムは、テイトにバックを許したことについては後悔しているが、そもそも試合を受けたことについては後悔していない。「どうしてこんな試合を受けるのか、ラウジーとの再戦まで待つべきではないのかと皆に言われた」とホルムは明かしている。「でも、戦うのは私の仕事だから」。
掛け率でもフェイバリットだったコナー・マクレガーは第1Rに気がついていた。フェザー級の対戦相手なら倒れているはずのパンチを受けても、ディアスは流血するだけで倒れない。マクレガーは背伸びをしすぎたのだ。
「あれほどのパンチがヒットすれば、フェザー級の選手ならとっくに砕け散っている。しかしネイトはそれを受けきった。大きな相手を蹴散らすためには、1発では足りないことがよく分かった。今回は、苦い、苦い薬になった」
「オレはチャンスに賭けた。これからも、挑戦を止めるつもりはないぞ。負けたからといって気後れするつもりもない。今回はうまくいかなかった。でも、これがファイトビジネスなんだ」

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