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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「ジブリ・初期きれいごと4部作」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「ジブリ・初期きれいごと4部作」

2016-09-28 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2016/09/27
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    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回はスタジオジブリの宮崎作品の総評価を行います。

    まず僕は「初期・きれいごと4部作」と呼んでる作品があります。
    これはジブリの初期の作品で、主人公が正しくて、楽しくて、ちゃんと漫画映画になっている4作品なんです。

    今回は『風の谷のナウシカ』を語ろうと思います。

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    「ジブリ・初期きれいごと4部作」

    『風の谷のナウシカ』
    『天空の城ラピュタ』
    『となりのトトロ』
    『魔女の宅急便』

     これが僕が考える「初期・きれいごと4部作」です。

     ひどいですか?
     さんざん考えたんだけど、だめかなあ?

     特徴としては、作家性よりは、職人性を前に出してる作品ですね。
     宮崎駿の内面性を出すよりは、空想で作った作品に近い。

     内面性とは、たとえるなら『シン・ゴジラ』は庵野秀明の「内面」が出てます。

     その意味で細田守さんのアニメはピンと来ないです。
     ぜんぜん内面性が見えないんですね。

     作家性よりは、職人性が強い人なのかもしれません。
     あんまり、ぶっちゃけた話をしてくれない。
     そこらへんが僕の琴線にあまりふれない。

     『時をかける少女』から『バケモノの子』にいたるまで、細田アニメはピンと来ないんです。

     『風の谷のナウシカ』は1984年の作品。
     もちろん中間発表にも登場してます。

     宮崎さんは、制作当時に「こんなアニメは二度と作らせてもらえないだろう」と思ったそうです。
     
     当時の宮崎駿っていうと、興行的に失敗してあまり売れないイメージだった。
     なので「ナウシカは、最初で最後の作品」と挑んだ意欲作で、ハイファンタジーです。

     ファンタジー業界には、ハイファンタジーとローファンタジーが存在します。。

     どういう意味かというと、現実とのつながりがある物語をローファンタジー。

     たとえば『ハリーポッター』
     現実のロンドンの街から魔法の世界に行くので、ローファンタジーなんです。

     別に“ハイ”とか“ロー”は、「高級か、そうでないか」という意味ではありません。

     現実と地続きで感情移入しやすいかどうか。
     もしくは、まったく架空の世界を書かなきゃいけないかどうか。

     ナウシカはハイファンタジーですね。

     一応、「産業社会の崩壊から千年後の世界」って言ってますけど、今のこの社会は出てきてませんから。

     今回、あらためて『風の谷のナウシカ』を再見してみました。
     今になって見てみると、絵作りが地味です。

     もちろん、すごくうまいし、おもしろい。
     でも、絵作りが地味です。

     劇場公開が1984年。
     
     同時期の公開作品が『うる星やつら ビューティフルドリーマー』
     それと劇場版の『超時空要塞マクロス』

     つまり、両方とも絵づらが派手だった。
     そこへ、「内容はあるけど、地味」なナウシカが登場してしまった。

     動員数は91万人。
     ジブリ作品では、かなり少ない数字です。

     僕らの中で『風の谷のナウシカ』は、かなりのヒット作品って印象がありますよね。
     だけどヒットしたのは翌年なんです。

     85年にテレビで放送して、それで人気が上がったから。
     すごく人気があったような気がするんですけど、91万人しか動員できなかった。

     なので、あまりヒット作とは呼べないんです。

     作品の内容も、最後の方は『さらば宇宙戦艦ヤマト』と同じになっちゃった。
     『さらば宇宙戦艦ヤマト』の最後って、敵に特攻するんですよ。

     それと同じように、ナウシカがオームの前で手を広げて「やめてーっ!」て言って、死んで生き返るっていう。

     これは宮崎さんが、後々まで「妥協して、宗教的になってしまった」と言う作品になりました。
     
     ジブリの第一回作品としては、すごくいいんです。
     おもしろいし、アイデアもいっぱい入ってる。

     だけど、やっぱり地味なんですよね。


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