今回の『4タイプ』のコーナーです。
4タイプとは、人間を4つのタイプに分ける僕の分類法です。
左半分は、効率性や具体性が大事。
数値に置き換えて考えたりする司令型、法則型。
右半分は抽象的・感情的に考える注目型・理想型です。
人間性や人間関係が大事な人たちです。
上半分は、いつも他人を意識する行動を取るタイプ。
下半分は、いつも自分の中にあるものを意識して行動するタイプ。
人間はこういう4つのタイプに分かれると、前回も話しました。
今回は、「動機」の違いでこの4つのタイプについて話してみましょう。
これを見て下さい。
注目型というのは、多くの人から愛され好かれ尊敬されたい。
まあ僕も注目型なので、愛され好かれというのはともかく、なんか目立ちたい。
面白いことをやりたい。
面白いことをやって「岡田さん、面白いな」と「みんなから」言われたいというのが行動の動機になる。
それに対して、競争に正々堂々と戦って勝って1番になりたい。
勝ったと「みんなに」わかってもらいたい、認められたいというのが、司令型ですね。
同じわかってもらいたいでも、自分が描く理念を「一人でもいいから」評価(共感)してほしいい、自分が描く理念の一部が出来たことをちゃんとわかってもらいたいと考えるのが理想型です。
これに対して、わかりたいのが法則型です。
真理や法則、原則や本質を見出したい、それを実験したり情報を集めて証明したいと考えます。
これらが動機の差です。
今日は4タイプの具体的な話をしていこうと思います。
テーマは漫画家。
当然、漫画家にも4タイプがそれぞれいますが、その中でも司令型、ちょっと面白みの強い司令型漫画家のマンガの特徴を話していこうと思います。
というのも、司令型の漫画家には、すごく特徴があるからです。
4タイプで見た時に、司令型って、今自分がやれることが基準なんです。
理想型の漫画家って、絵が常に進歩するんですよ。
もう描けば描くほど、ドンドン上手くなる。
だからその漫画家の単行本を揃えると、後の時代に行くにつれ、絵がドンドン、まあ独特になってくる、独自になってくる。
たとえば『刃牙』の作者とかも理想型です。
俺の言い方をすると、もう絵が「ドンドンドンドン、ヘンテコになってくる」ですけど、まあファンの人にとってみれば、「ドンドンドンドン上手くなってる」ですね。
ドンドンその人が描けるものが増えている、描きたいように描けるようになっているという感じでしょうね。
でも司令型は、ある程度のとこまで描けたら、もう絵に対して全く考えなくなるんですよ。
工夫しなくなって、まったく変わらなくなる。
それは、絵が上手いか、下手か、といったレベルとは無関係です。
自分の絵のレベルが、自分のマンガの説明のために必要十分だと漫画家が感じた時点で、何も工夫も努力もしなくなるのです。
その結果、絵がなんだか図解みたいになっちゃってるという漫画が生まれたりします。
そういう作品の場合は、必ず司令型の漫画家です。
というわけで司令型の漫画家の代表例です。
そういうわかりやすい司令型の漫画家を3人挙げてみます。
まあ大体こういうのって、男の漫画家が多いんですけどね。
まず一人目、福本伸行。
『カイジ』を描いてる人ですね。
『カイジ』描いてる人は昔からの独特の鼻とか独特の顎とか、独特の髪の毛の後ろの方とか描いてるんですけども、まあ昔からといってもですね、あの画法が完成したのって、多分『天』を描いた頃か、『銀と金』を描いた頃だと思うんです。
それまでの人情漫画を描いている時は、あそこまでじゃなかったんです。
でも、ある時、「俺の漫画はここでいい!」っていう見切り線みたいなものを見つけたんでしょうね。
そこから先、ピクリとも絵が上手くならないんですね。
そんな福本伸行は司令型の漫画家です。
同様に、『ドラゴン桜』とか『アルキメデスの大戦』を描いてる三田紀房という漫画家がいます。
この人も、まあ絵が上手くならないというか(笑)、自分の漫画のことをまるで図解みたいに思ってるんですね。
後で説明します。
この人も、司令型漫画家です。
あと『島耕作シリーズ』の弘兼憲史、この人もそうです。
たぶん『ハロー張りネズミ』くらいまでは絵が上手くなってたんですけども、ある所から『社長島耕作』の頃からですかね、全く上手くなる気配がない。
というか、上手くなりたいと思わないんですね。
これも司令型の特徴です。
その中でも今日は、『ドラゴン桜』の作者、三田紀房さんの『インベスターZ』という漫画をベースに、「絵が図解みたい」というのはどんなことかを具体的に説明しようと思います。
次号へ続く