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「シャーデンフロイデの謎 1・“ざまあみろ!”という感情」
まあ、「世界で1番有名なYouTuber」と言ってもいいでしょう。
チャンネル登録者数が1670万人。
わずか22歳にして年収14億円以上と言われています。
有名なエピソードとしては、「去年の年末に、青木ヶ原の樹海に死体を撮影しに行って、それを晒した」ということがありましたね。
まあ、その動画が大炎上したおかげで、お詫びした上に、自殺防止のために1億円以上を寄付したんですけど。
だけど、そんなことがあった直後にも、死んだカエルに電気ショックをしたり、池から拐ってきた仮死状態の鯉に人口呼吸をするなどの炎上気味の動画を投稿していて、全く反省してないということで、非難が殺到しているそうです。
YouTubeの運営方針としては“スリー・ストライク・アウト制”を取っているので、まだ1回目か2回目ぐらいしか悪いことをしていない彼のアカウントを削除することは出来ない、とのことなんですけど。
さらに、「ローガン・ポールに14億円も払っているということは、実はYouTube側は、それ以上に儲けているということ。だから、削除出来ないんじゃないか?」なんてふうにも勘ぐられて、まあ、揉めています。
アメリカでは、「許さない! ローガン・ポールのアカウントを削除するだけでなく、これまでの広告収入も全部没収せよ!」とか言ってる人もいて、炎上はまだまだ続いてます。
おまけに、ローガン・ポールがやってるような、「非常識なことをやって、アカウントを稼いでいる」という部分も大きいでしょう。
ローガン・ポールは、樹海の他にも、たとえば、『ポケモン』のモンスターボールの形をした大きなボールを通りすがりの自動車に投げつけて「ポケモンだ!」って言ってる動画もアップしています。
もう、本当に危ないですよね。
なんか、今回の炎上についての謝罪動画でも、またアクセス数を稼いだそうなんですけども。
シーズン3の第3話の『ホーマーの願い事』というエピソードにおいて、この言葉が使われているんですね。
このネッド・フランダースの家庭というのは、もう、何から何までが理想の家族なんですよ。
奥さんは優しくて、ホーマーが言うには「あいつの奥さんは、自分の奥さんと違って尻がキュッと上がっている」。
ホーマーの息子は家でも学校でも問題ばかり起こしているバカ息子なのに対して、フランダースの息子2人はお父さんの言うことを何でも聞いて、おまけにお父さんが大好きという、理想的なファミリーなんですね。
ホーマーはそれが羨ましくてしょうがないんです。
おかげで、パーティへの招待状を貰ったんだけども、悔しくて、素直に喜べないわけです。
「もう俺は、会社を辞めることにした!」と言って、ネクタイをその場で、バーベキューのグリルで燃やしちゃうんですね。
会社を辞めて何をするかというと、“左利きの専門店”を作ると言うんです。「アメリカ人の10人に1人は俺と同じ左利きだ! だから、左利きの専門店を作るんだ! 独立するぞ!」って言うんですね。
アメリカには“チキン占い”というのがあるんです。
「バーベキューの時に鶏とか七面鳥を丸々焼いた時に残った骨の両側を、2人が片方ずつ持って引っ張りあって、骨が割れた時に多く残った方の願いが叶う」みたいなものなんですけど。
これをネッドとホーマーの2人でやることになった時、もちろんフランダースの方は「自分の店が成功しますように」って願うんですけど、ホーマーの方は、ついつい心の中で「誰も客が入らずに閉店してしまうフランダースの馬鹿げた左利き専門店」という情景を思い浮かべて、これを願ってしまうんですね。
それを見たホーマーは、なんだか楽しくなって、ニヤニヤしながら「ネッドの店はガラガラだったぞ!」と家族に話します。
すると、ホーマーの娘である天才児のリサ・シンプソンが「パパはシャーデンフロイデよ」というふうに言ってくれます。
「シャーデンフロイデってなんだよ?」とホーマーが聞くと、「ドイツ語で“他人の不幸を喜ぶ恥知らず”っていう意味よ」とリサは続けるんですね。
まあ、アニメを見てる人間は、みんなわかってたことなんですけどね(笑)。
ホーマー・シンプソンというのは、実はかなり単純な性格で、自分が他人の不幸を喜んでいるだなんて思ってなかったんです。
なので、「いつもチヤホヤされて幸せそうだから、パパもつい……」って、一生懸命リサに言い訳をします。
「まあ、俺一人がそんな悪い想像をしても別にかまわないだろ」っていう、僕らもよくする言い訳みたいなものですね。
だけど、娘のリサは、そんな父親のことを、なんかすごく嫌な目で見るんですね。
このエピソードのオンエアは、なんと今から27年前の1991年。
『シンプソンズ』、メチャクチャ早いですね。
これはすごく売れてます。
そして、もう一冊は、たぶん、この本の元ネタになっている、リチャード・H・スミスの『シャーデンフロイデ 人の不幸を喜ぶ私たちの闇』という本ですね。
こちらは少し難しいです。
この2冊の本をベースにして、今日は話をしていきます。
なので、僕もかなりいろんなところを調べたり、あとは、洋書の翻訳本の方を読んで裏を取ったりしたので、一応、今日、話す部分については、わりと大丈夫な感じだと思います。
今日の前半では、この2冊の本の内容紹介と補足説明の話から入っていこうと思います。
読むんだったら、中野先生の方が読みやすいので、わりとパッと読めちゃうし、お薦めですね。
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