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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/04/06
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今回は、ニコ生ゼミ3月25日(#223)から、ハイライトをお届けいたします。

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 なぜ漫画村に連載を申し出るマンガ家がいないんですか?

質問:
 例の漫画村の騒動のあと、漫画村のユーザーが1.8倍に増えたそうです。
 その数は日本人のツイッター利用者数を上回る人数だとか。

 ある意味、漫画村って、今 一番 読まれている雑誌なわけですが、そこで連載している人は何故か一人もいません。
 
 あくまで頭の体操として、思考実験として、モラルは取っ払って考えます。
 これって全国のマンガ家にとって、漫画村で連載を申し出るチャンスじゃないでしょうか?
 
 結構アウトなサイトだったニコニコ動画 自身も、最初は著作権的にはアウトなサイトだったのに、それがキレイになっていった。
 
 それと同じ過程が、これからは漫画村にも必要なはずで、漫画村的にも実績が欲しいはず。
 
 もし原稿料を出してくれるのだとしたら。
 もっと言えば、漫画村が上手く政治と折り合いを付けて 今後も続くのだとしたら。
 
 上手く言えないのですが、マンガ家の側にとって漫画村は、人気作品がアクセス数を稼いでいる実態がありつつもマンガで暮らせないヤツがいなくなる、究極のマンガ家 共産圏では無いでしょうか? 
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 つまり この人は、「実は今 日本で一番 売れている・読まれている雑誌は漫画村ではないか」と考えているんですね。

 「じゃあ、なんでマンガ家は漫画村に持込みしないんだ?」と。


 つまり、何で「漫画村でしか読めないオリジナルのマンガです」っていうふうにやっちゃうムチャクチャなヤツがいないんだと。

 そういう思考実験をやってるんですけども、思考実験としては凄く面白いです。


 視点も発想も、凄く面白いです。


 今、現実のマンガ家は正常化への道が見えないので、アクセスブロックっていうのを行政の方でも言い出してるわけですよね。

 日本の資産である “マンガ文化” っていうのが、このままでは経済的に破綻してしまうので、アクセスブロックなどの手段を取るかも分からないなんて事を言ってるんですけども。


 ま、そこにまで至るには、結構 時間がかかるでしょう。

 で、多分 これは時間との勝負だと思うんですよね。


 もし漫画村が作者に、たとえば漫画村の売り上げの10パーセントから17パーセントぐらいの還元を言い始めてしまったらですね。

 つまり、ここから色々と関わる訴訟問題とかを考えたら、「実は総売り上げの10パーセントから17パーセントぐらいをマンガ家に渡します、還元します」と。

 それで「払って欲しい人は こちらの方で、どのマンガが どれぐらい見られてて、それによって売り上げが どのぐらいあったのかデータを取ってますから、おたくの口座に振り込みますよ」なんて事をされたら、出版側の大義が無くなるわけですね。


 「漫画村のせいでマンガが潰れる」っていう大義が無くなっちゃう。

 ただ単に超メジャーな、いわゆるAmazonみたいな出版社が一つ出来るだけですから。


 で、これに漫画村が気づいて、この手を取り出す前に、つまり、こういうアナウンスをする前に叩き潰せれば、おそらく出版社側の勝ちなんですよ。


 で、アクセスブロックをされる前に漫画村がマンガ家たちに還元を始めたり、実際に還元を支払わなくても、「還元用に供託金を準備している」と。

 それで「供託金は、この国の、この口座に ちゃんと貯めている」という事をアピールされたら、出版側の負けなんですね。


 だから実はコレって時間との勝負であり、どこまで先を漫画村が考えてるのか。


 ここのところの一、二年しか考えずに、もう儲けて抜けを考えるんだったら、漫画村っていうのは あと一年ぐらいが手仕舞いで、そろそろ撤退の時期でしょうし。

 そこから先に行くんだったら、「実は私たちはマンガ家に払う意思はある! 出版社には払わねぇよ!」と。

 「17パーセントが少ないって言うんだったら、じゃあマンガ家と出版社とのKindleの契約書を見せてよ」と。

 「お前ら、絶対に17パーセントも払ってねぇだろ!」っていうのが、出版社にとっては すごい痛い突かれ所なんですよね(笑)。


 なので実はコレって、マンガっていうのを正常にしようっていう事にも出来る。

 それは “出版社” っていう負担から “マンガ家” を解放してあげようという “大義名分” を言い出したら、すでに日本で一番 読まれているマンガ雑誌として “漫画村” って、かなり勝てる体勢にはあるんですけどね。


 どっちになるのか、よく分からないところですね。

 本当に時間との勝負ですから。

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