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「【トランスフォーマーに至るオモチャの歴史 3 】 オイルショックで大型フィギュアが作れない!」
イスラエルに対して、エジプトやシリアなどのアラブ諸国が攻撃を開始して、第4次中東戦争が起こりました。
4倍って、まあすごいです。
中東の石油価格っていうのは、それまでは “石油メジャー” と呼ばれるアメリカの石油会社の何社かが連合して決めていて、こいつらの支配力がすごく強かったんです。
これに対して、中東の国々がアメリカの支配から脱出するために作ったのがOPECという組織なんですね。
このイスラエルという国は、他にも色々と、イギリスの変な約束とかがあって、もともと揉めに揉めてた場所なんですけども。
まあ、ここと中東の国々が揉めていたんですね。
まあ、OPECというのは、アメリカの石油メジャーの支配をひっくり返すためにアラブ諸国が作った原油価格を調整する団体です。
NHKなんかも終わっちゃうし、『11PM』とかも放送時間がすごく短くなりました。
他にも、「燃料を多く使う」という理由で、この時、JALは発注していたコンコルドをキャンセルしちゃったんですね。
本当はJALは1970年代なかばか後半頃に、超音速ジェット旅客機を使っての東京-ニューヨーク線を就航させるはずだったんですけども。
この石油ショックのおかげで「いつ原油が供給されなくなるかわからない! もう、国策として原発をやるしかない!」と言われるようになったんです。
この当時の中曽根内閣とかが動いたというのもあるんですけども、原子力発電に国が大きく舵を取った直接的な原因というのは、この第4次中東戦争とオイルショックと言われています。
この変身サイボーグって、ボディが透明なんですよ。
これを作るための原料のプラスチックが、そもそも供給されなくなってきたんです。
原油価格が4倍に上がるということは、ただ単に「値段が高くなる」というだけではないんですね。
そもそも日本に原油がこなくなるので、自由流通ではなくて “配給制度” に近くなっちゃったんです。
出版業界は、まだ比較的マシではあったものの、急に少年サンデーとか少年マガジンのページ数が減ったりしたんですよ。
なぜ原油価格が上がると漫画雑誌のページ数が減るのかというと、版下が作れないから、印刷が出来なくなるからなんですね。
当時から、出版の版というのは光学的に作っていたんです。
つまり、プラスチックで作った樹脂の上に光を当てて版を整形していた。
実は日本の出版社というのは、あらゆるものが石油で動いてるんです。
これは「石油をエネルギーとして動いている」という意味ではなく、「石油資源で動いているものがすごく多かった」という意味ですね。
結果、漫画雑誌のページ数も減らされることになりました。
「出版社に対して割り当てられる原油は、これくらいです」というふうに、割合が決められちゃったからですね。
僕らはですね、「原油、原油」って言ってるんですけども。
原油からは、アスファルト、重油、軽油、灯油、ガソリン、ナフサというものが作られます。
ナフサというのは、見た目はガソリンみたいなものなんですけど、こいつがプラスチックの材料になるんですよ。
原油から6%くらい取れます。
このナフサというのから、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼンという物が作られて、さらにこのプロピレンからプラスチックの原料である、小さい粒のペレットというのが作られるんですよ。
普通のオモチャの原材料というのは、ポリプロピレンとか塩化ビニールなんですけど、アクリル成分の方がコストが高いんですね。
繰り返しになりますが、「高くなる」んじゃないんですよ。「手に入りにくくなる」んです。
その結果、変身サイボーグというオモチャを作れなくなっていきました。
特に、この変身サイボーグが持っているいろんなパーツとかも、全て透明のアクリルみたいなもので作られていたので、どんどん生産しにくくなってきたんです。
ここから、トランスフォーマーに直に繋がっていく話になるんですけども。無料枠はこれまでにしておきます(笑)。
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