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「【 知ってるようで意外と知らない『ムーミン』特集 1 】 日本人とムーミン」
「あなたにとっての『ムーミン』とは?」ですね。
皆さんにとって『ムーミン』といえば?
「自分にとってこれだな」というのに投票してください。
1.アニメ
――――――
その他にあれば、コメントをお願いします。
確かに、ムーミンママは裸エプロンですね(笑)。
まあ、アニメが圧倒的ですね。
ただ、アニメと言っても、1969年の東京ムービー版、大塚さんがやってた『ムーミン』と、その後の虫プロ版『ムーミン』ってあるじゃないですか。
ああ、そうですね。「ねえムーミン、こっち向いて~♪」は、まあ昭和ムーミンですよね。
その後は平成ムーミンだったからな。
そこら辺の見分け方としては「 “スノークのお嬢さん” のことをなんと呼んでるか?」ですよね。
「ノンノン」と言ってたら大昔のやつだし、「フローレン」と言ってたらリメイク版の方だし。
最近のやつは「お嬢さん」になってるのかな?
そうですね。平成ムーミンじゃないですね。
「昭和の終わりのムーミン」と言うべきだったかな?
今度は皆さんの好きなキャラクターを答えてください。
9択になってます。
お願いします。
Q:いちばん好きなキャラは?
1.ムーミンパパ
――――――
結果を出してください。
(無印) (プレミアム)
……おお!
わりと分かれた。
面白いのが、無印の方のアンケートでは「パパ」は4.1%あって、「ママ」が0.3%なんですよ。
でも、プレミアム会員の方はそれが逆で、パパが0%で、ママが4.5%。
「なぜ!?」と思うんですけども。
ここに並んでる小さいぬいぐるみ見てください。
これ、僕が自分で好きで買ってるムーミンのぬいぐるみなんですけど、「ご先祖さま」、「モラン」、「ニブリング」、「メソメソ」、「海馬」、「ヘムレンさん(学者バージョン)」、「ヘムレンさん(警察署長バージョン)」なんですけも。
これが僕がいつも自分で使ってるマグカップなんですけど、これもムーミンパパですね。
この黒いパパのマグカップは、もう使い過ぎたせいで剥げてきてヒビが入ってるので、最近は主にこっちで飲んで、こっちが洗い物で使えなくなっている時は、これで飲むというふうな感じになってます。
なので、だいぶ皆さんとは違いますね(笑)。
母国のフィンランドとか、日本の次に人気のあるイギリスでは、「それぞれのキャラに万遍なく人気がある」と言われてるんですね。
日本みたいにスナフキンとかニョロニョロに集中するというのではなくて、ここに載っているようなキャラクターに万遍なく人気があるというのがムーミンの特徴だそうです。
ムーミンの原作本、たとえば僕が持ってるすごく古い『トーベ・ヤンソン全集』という講談社の本のムーミンであろうと、あとは今出ている文庫本のバージョンであろうと、とりあえずムーミンの単行本が、ほとんど全種類、いつでも手に入るというのは世界中で日本だけだそうです。
だから、Amazonなどによって日本の本屋が潰れているというのは、実は本に恵まれている日本という状況がどんどん崩れつつあるということでもあるんですけども。
それはまた別の話です。
というか、そもそも『ムーミン』のことを文芸だと、原作として小説があると理解している人自体が、かなり少ない。
その新聞連載の漫画がものすごくヒットして、それが各国語に翻訳されて、アメリカ以外の多くの国に広まったんです。
で、イギリスで、月曜から土曜まで毎日載る漫画が、1954年から70年まで、16年間も続いたので、その漫画のストックがほとんど無限にあるんですよね。
それが各国語に翻訳されてるので、ヨーロッパの新聞では、いまだにムーミンが現役で連載している新聞がいくつもあるんですね。
使い方はどうするかっていうと、いくつかあるサイコロの中から、見ずに3つくらいを手に取って、ガラガラっと転がす。
すると、「ニョロニョロ」と「ヘムレンさん」と「スナフキンのテント」というふうに、絵柄が揃う。
これで三題噺を考えて喋るというような、まあ、そういう知育玩具みたいなものがあるんですけど。
こんなものまで出てるのって、本当に日本だけなんですよ。この「サイコロを振ってお話をその場で即興で作る」っていうのは欧米でよくある玩具なんですけど、それのムーミン版。
これが最初期のムーミンです。
スナフキンに髪の毛がないのが見分け方みたいなものなんですけども。
これ、日本以外ではほとんどオンエアされてません。
日本側が、ちょっと契約を破って他所の国に流しちゃったことがあるんですけど、それ以外では、他の国で見たことある人はいないんですね。
これ「作者が禁止した」って言われることがあるんですけど、正確に言うと、禁止したわけではないんですよね。
「日本のみでの上映を許可する」という契約になっているだけで。
ただ、92年以降は「再放送しないでくれ。商品も出さないでくれ」という要望が出されていて、その要望を受け入れる形で、放送やDVDなんかの発売も自粛しているというのが現実のようです。
まさにこれ、日本以外では見られない、“消されたムーミン” ということになっています。
この辺が原作者を怒らせたというふうに言われてるんですけど。
今になってみたら、原作の方のムーミンも、この丸っこいムーミンに近づいているから「作者何を怒ってんだ?」というような声もあります。
上は1949年に公演された『ムーミン谷の彗星』の舞台です。
ちょっと……というか、かなり着ぐるみが気持ち悪いですけども。
下が1974年の『ムーミンオペラ』の舞台ですね。
49年版の『ムーミン谷の彗星』の写真の方には、ここにトーベ・ヤンソン自身も、すごく ご機嫌 で写ってるんですけども、
これを、自分で製作者側に回った上で作るということは、「アニメでは」とか、「漫画では」、「舞台では」という媒体によって、ムーミンのイメージ、形が多少変わることは、トーベ・ヤンソン自身も納得してたはずなんですよ。
なので、とにかく『ムーミン』という原作の権利を得てアニメを作ろうという時も、いわゆる『巨人の星』のようなスポ根路線に持って行きたがっていた、と。
しかし、その時に、たまたま運悪く、ムーミンの再放送があったそうなんですよ。
しかも、東京ムービー版の(笑)。
フジテレビ側のスタッフは「トーベ・ヤンソンがまた怒ったらえらいことになる!」ということで、ムーミンの再放送時間になったら、トーベ・ヤンソンを無理やり熱海の海岸に引っ張り出して、「ヤンソンさん、ちょっと散歩しませんか?」って散歩をさせて、再放送を見せないようにしたという有名な話があります。
すごいよね、これ(笑)。
ところが、そうやって作った虫プロの72年版『新ムーミン』にも、トーベ・ヤンソンは満足せず、1992年くらいから以後は日本ですら再放送を自粛するという形になってしまいました。
新しく誕生した “ムーミンキャラクター社” という所の要請で、ほぼ『新ムーミン』『旧ムーミン』はですね、世界中で見れなくなってしまいました。
僕は、その真犯人というか、一番悪いヤツは宮崎駿だと思ってるんですけども。
この辺のさらなる深掘りは、後半にやろうと思います。
ムーミンパパ:
それでは、次のコーナーは「3つのムーミン」という話です。ウンパッパ!
――――――
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
番組内で取り扱う質問はコチラまで!
岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/05/29
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今回は、ニコ生ゼミ05月19日(#282)から、ハイライトをお届けいたします。
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今回は、ニコ生ゼミ05月19日(#282)から、ハイライトをお届けいたします。
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「【 知ってるようで意外と知らない『ムーミン』特集 1 】 日本人とムーミン」
ではですね、「日本人とムーミン」という話を始めます。
まず最初に『ムーミン』アンケートからやりたいんですけども、大丈夫でしょうか?
はい、久しぶりのアンケートです。
はい、久しぶりのアンケートです。
「あなたにとっての『ムーミン』とは?」ですね。
皆さんにとって『ムーミン』といえば?
「自分にとってこれだな」というのに投票してください。
――――――
Q:あなたにとって『ムーミン』とは?
1.アニメ
2.小説
3.漫画
4.グッズ
5.その他
――――――
まあ、漫画と言う人は、たぶん、ほとんど居ないと思うんですけど。
その他にあれば、コメントをお願いします。
「裸エプロン」(コメント)
確かに、ムーミンママは裸エプロンですね(笑)。
では、結果を出してください。
(無印) (プレミアム)
(無印) (プレミアム)
ああもう「アニメ」と答えた人が85%ぐらいですね。
「小説」の人が5%で、「漫画」はもう本当に居ないです。
で、小説と同じかそれより多いくらいが「グッズ」ですね。
その他の人はいったい何なんだろうな?
「小説」の人が5%で、「漫画」はもう本当に居ないです。
で、小説と同じかそれより多いくらいが「グッズ」ですね。
その他の人はいったい何なんだろうな?
まあ、アニメが圧倒的ですね。
ただ、アニメと言っても、1969年の東京ムービー版、大塚さんがやってた『ムーミン』と、その後の虫プロ版『ムーミン』ってあるじゃないですか。
「出来の良い方のアニメ」(コメント)
ああ、そうですね。「ねえムーミン、こっち向いて~♪」は、まあ昭和ムーミンですよね。
その後は平成ムーミンだったからな。
そこら辺の見分け方としては「 “スノークのお嬢さん” のことをなんと呼んでるか?」ですよね。
「ノンノン」と言ってたら大昔のやつだし、「フローレン」と言ってたらリメイク版の方だし。
最近のやつは「お嬢さん」になってるのかな?
「両方とも昭和だと思うのですが」(コメント)
そうですね。平成ムーミンじゃないですね。
「昭和の終わりのムーミン」と言うべきだったかな?
・・・
じゃあ、次の質問に行きましょう。
今度は皆さんの好きなキャラクターを答えてください。
9択になってます。
お願いします。
――――――
Q:いちばん好きなキャラは?
1.ムーミンパパ
2.ムーミンママ
3.ムーミントロール
4.フローレン
5.ニョロニョロ
6.スナフキン
7.リトル・ミー
8.その他
9.特になし
――――――
一応、9つに分けてますけども、どうでしょうか?
結果を出してください。
(無印) (プレミアム)
……おお!
わりと分かれた。
「スナフキン」の圧倒的な強さ!
すげえな、スナフキン。
そんなスナフキンの次に強いのが「ニョロニョロ」。
で、「特になし」がその次になるのかな?
すげえな、スナフキン。
そんなスナフキンの次に強いのが「ニョロニョロ」。
で、「特になし」がその次になるのかな?
ふんふん。「フローレン」も、もうすごいですよね。
ゼロですから(笑)。
ゼロですから(笑)。
面白いのが、無印の方のアンケートでは「パパ」は4.1%あって、「ママ」が0.3%なんですよ。
でも、プレミアム会員の方はそれが逆で、パパが0%で、ママが4.5%。
「なぜ!?」と思うんですけども。
僕は、これを見て頂いたらわかる通り、ムーミンパパなんですね。
ここに並んでる小さいぬいぐるみ見てください。
これ、僕が自分で好きで買ってるムーミンのぬいぐるみなんですけど、「ご先祖さま」、「モラン」、「ニブリング」、「メソメソ」、「海馬」、「ヘムレンさん(学者バージョン)」、「ヘムレンさん(警察署長バージョン)」なんですけも。
ムーミンってあんまり欲しくないんですよね。
ミーもスナフキンも別に欲しくないし、ニョロニョロにも思い入れがないんですよ。
ミーもスナフキンも別に欲しくないし、ニョロニョロにも思い入れがないんですよ。
これが僕がいつも自分で使ってるマグカップなんですけど、これもムーミンパパですね。
この黒いパパのマグカップは、もう使い過ぎたせいで剥げてきてヒビが入ってるので、最近は主にこっちで飲んで、こっちが洗い物で使えなくなっている時は、これで飲むというふうな感じになってます。
なので、だいぶ皆さんとは違いますね(笑)。
まあ、一番人気で50%くらい票を取ってたスナフキンなんですけど。
このスナフキンの人気というのは、実は日本だけで…
…まあまあ、たぶん日本が世界で一番のムーミン人気国なんですけど、この話は後でしますね。
このスナフキンの人気というのは、実は日本だけで…
…まあまあ、たぶん日本が世界で一番のムーミン人気国なんですけど、この話は後でしますね。
母国のフィンランドとか、日本の次に人気のあるイギリスでは、「それぞれのキャラに万遍なく人気がある」と言われてるんですね。
日本みたいにスナフキンとかニョロニョロに集中するというのではなくて、ここに載っているようなキャラクターに万遍なく人気があるというのがムーミンの特徴だそうです。
・・・
こういう日本だけの特徴というのが、『ムーミン』にはあります。
それらをザッとまとめてみました。
それらをザッとまとめてみました。
これが、日本だけの『ムーミン』の特徴なんですけども。
まず1つ目は「全ての原作が手に入る」ですね。
これね、実は世界中で日本だけなんですよ。
これね、実は世界中で日本だけなんですよ。
ムーミンの原作本、たとえば僕が持ってるすごく古い『トーベ・ヤンソン全集』という講談社の本のムーミンであろうと、あとは今出ている文庫本のバージョンであろうと、とりあえずムーミンの単行本が、ほとんど全種類、いつでも手に入るというのは世界中で日本だけだそうです。
海外では、一般的に本の寿命が大変短くて、初版を刷って売り切れたら、もうそれまでで絶版になってしまうことが多いんですね。
なかなか再販されない。
なかなか再販されない。
日本みたいに「人気があるとすぐに再販」という、小さい本屋が日本中にあって、そこでいつも本が回ってるような読書環境って、本当にね珍しいんですね。
だから、Amazonなどによって日本の本屋が潰れているというのは、実は本に恵まれている日本という状況がどんどん崩れつつあるということでもあるんですけども。
それはまた別の話です。
・・・
あと、「グッズショップが多い」。
これも日本だけの特徴です。
これも日本だけの特徴です。
海外では、ムーミングッズのコレクターというのがほとんどいないんですよね。
というか、そもそも『ムーミン』のことを文芸だと、原作として小説があると理解している人自体が、かなり少ない。
というのは、『ムーミン』の最初の原作が発表されたのは1945年、第2次大戦が終わってすぐなんですけども。
そこから先、わりと定期的に単行本は出ていたんですが、メジャーになったのは1954年にイギリスで新聞連載の漫画で出てからなんですね。
そこから先、わりと定期的に単行本は出ていたんですが、メジャーになったのは1954年にイギリスで新聞連載の漫画で出てからなんですね。
その新聞連載の漫画がものすごくヒットして、それが各国語に翻訳されて、アメリカ以外の多くの国に広まったんです。
アメリカというのは、やっぱりね、大衆文化に関してはメチャクチャ防御するんですね。
他の国のものを入れないんですよ。
それに対して、ヨーロッパの大体の国では新聞に連載されていました。
他の国のものを入れないんですよ。
それに対して、ヨーロッパの大体の国では新聞に連載されていました。
で、イギリスで、月曜から土曜まで毎日載る漫画が、1954年から70年まで、16年間も続いたので、その漫画のストックがほとんど無限にあるんですよね。
それが各国語に翻訳されてるので、ヨーロッパの新聞では、いまだにムーミンが現役で連載している新聞がいくつもあるんですね。
なので、海外でムーミンといえば、まずは漫画なんですよ。最近はようやっと「アニメでムーミンを知った」という人が増えてんですけど。
なので、あんまり文芸とか小説というふうには思われていない。
『ムーミン』は、日本ではこういう細かいグッズが多くて、人気があるんですね。
たとえば、僕が持ってるムーミンのサイコロなんですけど。
使い方はどうするかっていうと、いくつかあるサイコロの中から、見ずに3つくらいを手に取って、ガラガラっと転がす。
すると、「ニョロニョロ」と「ヘムレンさん」と「スナフキンのテント」というふうに、絵柄が揃う。
これで三題噺を考えて喋るというような、まあ、そういう知育玩具みたいなものがあるんですけど。
こんなものまで出てるのって、本当に日本だけなんですよ。この「サイコロを振ってお話をその場で即興で作る」っていうのは欧米でよくある玩具なんですけど、それのムーミン版。
あとは、カルタとかですね。ムーミンのカルタ、良いですよ。
読み札が全部名台詞になっているんですけど。
読み札が全部名台詞になっているんですけど。
ここまで出てるのって日本だけで、すごく珍しいんですね。
そういう国なんです。
そういう国なんです。
・・・
あとは、さっき話した「1969年、72年のアニメ版ムーミンを知ってるのも、世界中で日本だけ」です。
これが最初期のムーミンです。
スナフキンに髪の毛がないのが見分け方みたいなものなんですけども。
これ、日本以外ではほとんどオンエアされてません。
日本側が、ちょっと契約を破って他所の国に流しちゃったことがあるんですけど、それ以外では、他の国で見たことある人はいないんですね。
おまけに、1992年以降は、日本でも放送を自粛しています。
これ「作者が禁止した」って言われることがあるんですけど、正確に言うと、禁止したわけではないんですよね。
「日本のみでの上映を許可する」という契約になっているだけで。
ただ、92年以降は「再放送しないでくれ。商品も出さないでくれ」という要望が出されていて、その要望を受け入れる形で、放送やDVDなんかの発売も自粛しているというのが現実のようです。
まさにこれ、日本以外では見られない、“消されたムーミン” ということになっています。
これは大塚康生さんが作ったキャラクター設定ですね。
原作のムーミンが細長いのに比べて、すごく丸っこく描いてます。
この辺が原作者を怒らせたというふうに言われてるんですけど。
今になってみたら、原作の方のムーミンも、この丸っこいムーミンに近づいているから「作者何を怒ってんだ?」というような声もあります。
・・・
では、この1969年版、72年版のムーミンは、なぜ、作った側が自粛しなければいけないほど封印されたのか?
原作者のトーベ・ヤンソンが「イメージが違う」と言ったからと言われてるんですけど。
実はそのトーベ・ヤンソン、自分自身でムーミンを舞台化しています。
実はそのトーベ・ヤンソン、自分自身でムーミンを舞台化しています。
上は1949年に公演された『ムーミン谷の彗星』の舞台です。
ちょっと……というか、かなり着ぐるみが気持ち悪いですけども。
下が1974年の『ムーミンオペラ』の舞台ですね。
49年版の『ムーミン谷の彗星』の写真の方には、ここにトーベ・ヤンソン自身も、すごく ご機嫌 で写ってるんですけども、
もう、これを見たら「イメージが違う」どころじゃないんですね。
本当に。
本当に。
これを、自分で製作者側に回った上で作るということは、「アニメでは」とか、「漫画では」、「舞台では」という媒体によって、ムーミンのイメージ、形が多少変わることは、トーベ・ヤンソン自身も納得してたはずなんですよ。
しかし、「トーベ・ヤンソンは、日本で作るアニメーションに関して、最初から乗り気ではなかった」と言われています。
それはなぜかと言うと、トーベ・ヤンソン自身が「アニメーション」と聞いて想像したのが、当時、ヨーロッパで一般的にテレビ放送されていた “スラップスティック” という、アメリカ製の子供向けドタバタアニメだったんですね。
なので「あんな安物にされてはかなわない」と思ってた。
なので「あんな安物にされてはかなわない」と思ってた。
おまけに、日本側で『ムーミン』の製作を受けた東京ムービーという会社は、『巨人の星』で大儲けした後だったんですよ。
なので、とにかく『ムーミン』という原作の権利を得てアニメを作ろうという時も、いわゆる『巨人の星』のようなスポ根路線に持って行きたがっていた、と。
高畑勲が、さっきの『幻の長くつ下のピッピ』という本の中で証言してるんですけども。
「当時の東京ムービーは <『巨人の星』の夢をもう一度> だった」というふうに書いてるんですね。
「当時の東京ムービーは <『巨人の星』の夢をもう一度> だった」というふうに書いてるんですね。
つまり、ただ単に、フィンランドから来た妖精のムーミンの話を、『巨人の星』のように「何かの障害に対して抵抗して、ムーミンなりスナフキンなり誰なりが頑張って、大人の事情とかをぶち返して跳ね返したから勝ったんだ!」という話にすればいいと、最初から思い込んでたと高畑勲は言ってるんですね。
なので、『ムーミン』を引き受けた東京ムービーとしても、最初から、原作者の意向に沿うというよりは、原作者をなんとか説得して「これでないとアニメーションというのは当たらないんですよ。
日本でヒットしないんです」と上手く言いくるめて、『ムーミン』を作るつもりだったんじゃないか、と。
それが後々でぶつかったんじゃないかというふうに言われています。
日本でヒットしないんです」と上手く言いくるめて、『ムーミン』を作るつもりだったんじゃないか、と。
それが後々でぶつかったんじゃないかというふうに言われています。
・・・
まあ、そういう当時の事情がありつつも、東京ムービーの偉い人達の思惑は外れて、原作者のトーベ・ヤンソンは説得されず、後に東京ムービーから虫プロに担当が変わることになりました。
制作会社が変わってから、虫プロとしては、かなり原作寄りの話にはしたんですよ。
『ムーミン』のデザインも、ちょっと鼻を長くしたんですけども。
それがまた、日本のファンにはすごく不満で。
「なんで東京ムービー時代のかわいい顔じゃないんだ!」というクレームが来たりしたんですけども。
『ムーミン』のデザインも、ちょっと鼻を長くしたんですけども。
それがまた、日本のファンにはすごく不満で。
「なんで東京ムービー時代のかわいい顔じゃないんだ!」というクレームが来たりしたんですけども。
まあ、原作者もファンも、お互い不満を持っているというような状態になってしまいました。
1969年版のアニメ放送が終わった後に、1972年に、もう一度『新ムーミン』というのが虫プロ製作によって作られることになりました。
その前の年の1971年、まあ両者の関係を良くするために、トーベ・ヤンソンは日本のスタッフ側から日本に招待されたんですね。
しかし、その時に、たまたま運悪く、ムーミンの再放送があったそうなんですよ。
しかも、東京ムービー版の(笑)。
フジテレビ側のスタッフは「トーベ・ヤンソンがまた怒ったらえらいことになる!」ということで、ムーミンの再放送時間になったら、トーベ・ヤンソンを無理やり熱海の海岸に引っ張り出して、「ヤンソンさん、ちょっと散歩しませんか?」って散歩をさせて、再放送を見せないようにしたという有名な話があります。
すごいよね、これ(笑)。
ところが、そうやって作った虫プロの72年版『新ムーミン』にも、トーベ・ヤンソンは満足せず、1992年くらいから以後は日本ですら再放送を自粛するという形になってしまいました。
2010年頃から、YouTubeやニコニコ動画などで『旧ムーミン』『新ムーミン』をアップして、なんとか非合法に保存しようという動きもあったんですけども。
新しく誕生した “ムーミンキャラクター社” という所の要請で、ほぼ『新ムーミン』『旧ムーミン』はですね、世界中で見れなくなってしまいました。
もう日本でも、ほとんど見れないですね。
昔は全話揃ってたんですけど、ほとんどが削除されてしまいました。
昔は全話揃ってたんですけど、ほとんどが削除されてしまいました。
この辺り、『ムーミン』がなぜオンエア出来なくなったかについては、実はもうちょっと深い事情があります。
僕は、その真犯人というか、一番悪いヤツは宮崎駿だと思ってるんですけども。
この辺のさらなる深掘りは、後半にやろうと思います。
それでは、パパお願いします。
――――――
ムーミンパパ:
それでは、次のコーナーは「3つのムーミン」という話です。ウンパッパ!
――――――
ということで、「3つのムーミン」という話に入ります。
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動画や全文が気になった方は、【岡田斗司夫アーカイブ】でご覧になれます。
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だから僕は、質疑応答が大好きです。
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