Q3「就活しないでおこうかと思いますが、親には何と説明すればいいでしょうか? 」
親に何と説明するのか?
これ、大きな問題ですね。
「自分はAランクどころか、たぶんCランクあたりだな。いっそ就活なんかやめておこう。もっと身近で仕事を探そうかな」と、いったんは考えてみても、そうもいかないな、と思いなおす人が多い。
その大きな原因は、親にあります。親に一つひとつ説明しても、反対されるに決まっているからです。「ムリして大学まで行かせてあげたのに。あんたが卒業 するまでいくらかかったと思ってるの?!ちゃんと就活して、贅沢言わずに、ふつうの会社に入ったらいいでしょ? いまはネットで就活できるんだから、見つ からないはずないわ。就活もしないなんて、どういうこと?!」
高度経済成長期やバブル期を経験している親なら、絶対にそう言うはずです。
新聞やニュースをまじめに見ている親ほど、「最近は景気も回復してきたようだし、就職氷河期は脱したらしいわよ。怖がらないで就活してみたら?」と言うでしょう。
そんな親にはこう言い返しましょう。
「そう思うなら、具体的に就職先を紹介して」
親が自分より社会性があって、ましてや現に仕事をしているにもかかわらず、見える範囲に紹介できる仕事がなかったとしたら、いわゆる就職先なんてない、ということです。
もし、仕事を紹介してもらえたら、その就職先は親も安心して紹介してくれるようなところです。まじめにアプローチする値打ちがあります。何よりも親の紹 介というコネがあるから、アドバンテージ、優位性がある。真剣に考えてみるのがいいと思います。実際は、就職先を紹介してくれと言われれば、頭を抱えてし まう親のほうが多いと思います。
それは、「就職なんて、ふつうに活動していればできるはず」と、むかしの知識や思い込みに親がとらわれているだけなんです。とらわれているからこそ、ア レコレと言ってくるわけですが、それはまぁ、しょうがないですよね。自分の親なんだし。「心配しないで。いま仕事を探している最中だから」とか言って、仕 事を探しているフリだけは続けるしかないのかなぁ……。
まさか、そういうわけにもいかないですよねぇ。
「自分は働きたいんだけど、就活みたいなものには疑問を感じている」
やっぱりそういった問題意識を、親と共有するしかないでしょうね。つまり、仕事を探すのも親といっしょにやるしかないと思うのです。「大学まで行かせた んだから、就職先くらいあるだろう」と安易に口にする親に、「考えて。大学というのは、べつに就活のためにあるんじゃないんだよ。私は就職先じゃなくて仕 事を探そうと思うから、いっしょに探して」と、相談を掛け替えるしかない。
じつは、何か自分が困ったことがあったら、相手にその困ったことを相談して、いっしょに考えてくれる輪を広げていくことが、おそらく今後はすべての活動の戦略になると思います。
逆にいえば、親が何かで困っていたら、「どうにかして助けてあげることはできないだろうか?」と考える。それこそが、この本でくりかえし書いている「困った人を助ける」ことなのです。