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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/09/11
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
9/13(日)に発売予定の岡田斗司夫の最新著作『頭の回転が速い人の話し方』から、ハイライトをお届けします。

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「なぜ生徒は先生の話を聞かないのか? 」



 さて、「誰にでも通じる話し方・伝え方」がとくに必要とされる職業といったら何でしょうか?
 おそらく、その中の一つが学校の先生だと思います。
 天才もいれば怪物みたいな不良もいるクラス全員に通じる話し方・伝え方をしなければならないからです。

 僕の講演に来てくださる人は、生徒という立場であると同時に、お客さんです。
 お金を払ってまで聞きに来てくださっているので、すごく熱心に僕の話を聞いてくれます。
 ところが、大学、高校、中学という場になると、お金を払っているのは保護者で、本人ではありません。
 「お金を払っているから聞かなきゃ損だ」「自分のためになるから聞かなきゃ損だ」とは考えてくれないんです。

 自分が生徒や学生だったころを思い出してみてください。
 心の中で、「聞いてほしいんだろ? 聞いてやろうかな、どうしようかな」と、常に値踏みをする態度でのぞんでいたはずです。
 そして、先生の言ってることに十分に価値があったり、面白かったり、あるを超えたところでようやく「聞いてやってもいいぜ」となるんです。
 たとえば、その生徒にとってある先生の評価が100点満点のうち80点の先生だと、「聞いてやってもいいぜ」となる。

 でも、60点の先生だったら正面を向かずに、体をひねったり、をついて聞くようになる。
 だから、教室という空間は姿勢が乱れるんですね。
 「足伸ばしてなら聞いてやってもいい」、もしくは「教室に行ってやってもいいけど、話は聞いてやらない」となってしまいます。
 さらに聞いたら聞いたで、「聞いてやったんだから、何かオレに良いものをくれよな」と考えます。
 たとえば点数とか、ほかの人間と扱いを変えるとか、どれでもいいから、何か支払いをくれという要求になるんです。
 子どもたち全体が、功利的に動いているからです。
 こういうふうに、彼らは、自分の中で先生を値踏みして、点数によって態度を変えるんです。
 余談ですが、その結果、彼らの頭の中に入るものの分量も差が出てきてしまいます。

 こうした関係を僕は体験したことがあります。
 聞きたくて聞いているんではなくて、「しょうがないな、親が契約しちゃったから聞いてやってもいいぜ」という態度の集団を前にして、「さて、こいつらにどう自分の話を聞かせようかな」と工夫しなければなりません。
 そのヒントになるのが、これからお伝えするユニバーサル・トークなんです。


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