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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「セカンドクリエイターという関わり方」
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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「セカンドクリエイターという関わり方」

2016-02-08 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/02/08
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    おはようございます。

    今日は『解決!ズバッと』はお休み。
    絶賛発売中の岡田斗司夫の最新著作『カリスマ論』から、ハイライトをお届けします。

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    「セカンドクリエイターという関わり方」


     ドナーやサポーターは馴染みがありますが、3つ目の「セカンドクリエイター」というのは何でしょう?
     この言葉は、キングコング西野くんの造語です。
     セカンドクリエイターの実例を、彼の取り組みを元に解説しましょう。

     次の節で詳しく紹介しますが、キングコング西野くんは芸人の枠に留まらない、多彩な活動を展開しています。
     そのひとつが絵本作家。
     彼は絵を専門的に学んだこともないのに、プロ顔負けの絵を描き、絵本まで出版して話題を呼びました。
     西野くんの画風は極めて緻密で制作に時間がかかっているのですが、彼は作品自体には大した思い入れを持っておらず、ファンからのリクエストがあったら原画をすぐに貸し出します。

     送った原画はファンが一人で鑑賞するのではありません。
     「個展を開催する」という条件を呑んでくれたファンに送るんですね。
     個展といっても大げさなものではなく、そのファンの行きつけの本屋やカフェでもいいですし、自分が店をやっているならそこで飾るもよし。
     極端な話、自宅の居間に飾って、友達を呼ぶだけでもいいんです。

     貸出枚数にも制限は付けません。
     リクエストした人が飾れるという枚数を、どんどん送ります。
     送料は着払いにしてもらいますから、西野くん側の経費はゼロです。
     原画を受け取ったファンは、「西野亮廣原画展」とでも張り紙して、原画を展示。
     これだけで、立派なマイクロ個展のでき上がりです。

     西野くんの描いた絵本は、本屋さんに置かれているだけだと、西野くんのファンかマニアックな絵本ファンにしか手にとってもらえません。
     でも面白いことに、縁あって西野くんのマイクロ個展を見て、絵が気に入った人は絵本もほしくなるんです。
     美術館に行く人ならわかると思いますが、いい作品を見た後は、ちょっとしたグッズを買いたくなります。
     展示会のパンフレットを買ったり、絵が印刷された絵はがきを買ったりして、余韻を味わいたくなるんですね。
     映画のパンフレットもそうでしょう。

     だから、西野くんの個展を開催するファンは、原画だけでなく西野くんの絵本も10冊、20冊とリクエストすることになります。
     人間は、よい体験をしたら、それを思い出すためのおみやげがほしくなる生き物。
     その習性を、個展から絵本の販売につなげたわけです。

     その結果、日本中のいろんな書店や小さなギャラリーで、西野くんの原画展が年中開かれるようになりました。
     西野くん自身で原画展を開こうとすると、あれやこれやと手間がかかって大変ですが、マイクロ個展なら「西野くんの絵のファン」に原画と絵本を送るだけなので、大した手間はかかりません。

     ファンが開くマイクロ個展にやってくるのは、そのファンの友人や顔なじみだったりすることが多いでしょう。
     小さな個展とはいっても、絵本の10冊や20冊くらいはあっという間にはけてしまいます。
     これが積もり積もって大きな売上になるわけで、なかなか馬鹿にはできません。
     今、出版不況だと言われていますが、本を売るルートは何も書店ばかりではないのです。

     このように、個展を開いて本を売ってくれるファンを、西野くんは「セカンドクリエイター」と呼んでいます。
     自分は作品を作るクリエイターだが、それを広めてくれる人も実はクリエイターだ。
     自分がファーストクリエイターなら、広げてくれる人はセカンドクリエイターだというのが、西野くんの主張です。

     セカンドクリエイターがいてくれることで、カリスマは自分の影響力を一層広げることができる。
     そして、セカンドクリエイター自身も、画商、イベントプロデューサーの楽しさを体験できる。
     よい個展を作るのはクリエイティブな仕事ですから、セカンドクリエイターという表現は言い得て妙です。
     
     セカンドクリエイターは、何も絵の分野だけに限りません。
     カリスマのトークやセミナーを文字起こしして電子書籍にしたり、イベントの様子を撮影してDVDやBlu-rayとして販売したり、ネットで配信したりする。
     カリスマのロゴやスタンプを作って販売する。
     これらもセカンドクリエイター活動といえます。

     これらから得られた収益をカリスマとファンが折半するようにすれば、ファンは大したリスクなしに、「起業ごっこ」ができます。
     最初はごっこ でも、それが本格的なビジネスに育つことは十分にあり得ます。

     カリスマの生み出したコンテンツを、ファンが二次的に拡大生産し、世間に広めていく。
     セカンドクリエイターという存在は、今後ますます注目されるようになるでしょう。


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