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いさぎよく恋する動画を見てもエエじゃないか! vol.8
2017-05-25 21:591進路か…。
家でお姉ちゃんたちが話し合っていたのを思い出しながら、
俺は将来どうなるんだろうと考えを巡らせていた。
この英語の授業で、今回の中間テストはすべて返ってきた。
結果はお察しなので、俺は潔く"目を背ける"ことにした。
今は成績がどうこうよりも、彼女ができるかどうかの方が重要なんだ。
休み時間に入るチャイムが鳴り終わってすぐ、のぼりが声をかけてきた。
「どうしたの~?浮かない顔して。そんなに点悪かったの?
まぁ元々良くなかったけど、さすがに3年になってヤバくなってきたって感じ?」
「あのなぁ…」
何をペラペラと喋ってるんだ。誰のせいで浮かない顔してると思ってる…。
「でもまだまだ巻き返せるって!切り替えていこーっ!!」
俺の背中を強めに叩き、のぼりは教室を出て行った。
ついこの間まで、今年こそはと意気込んでいたのがウソのように落ち込んでいる自分に気づいて、
余計にため息が出てきた -
いさぎよく恋する動画を見てもエエじゃないか! vol.7
2017-05-16 08:051「ふふっ、見てたぞ、見てたぞ〜〜〜」
振り返ると後ろには、武志が立っていた。
今のやり取りを一部始終を見られてたかと思うとちょっと恥ずかしい。。
「なにお前、あいつらの中の誰かに気があるの?」
「いや、そ、そ、そんなんじゃね〜〜〜し!!!」
なんだか気が動転して、図星っぽい反応になってしまった。
「いいって、いいって、俺に隠し事はなしだぜ?
ま、俺の方でもちょっとお前に話したい事があっから、
これからゲストにでも寄ってかね?」
ゲストは、駅前にあるファミリーレストランで、
俺と武志が、学校の帰りにちょくちょく寄る店だ。
いつもはテストそっちの気でバカ話をするのが常だったけど、
今回は武志が猛勉強してきたこともあり、あまり気が進まなかった。
とは言っても、特に断る口実もなく、
武志に押し切られるようにして、2人はゲストに入った。
「いやぁ〜やっぱりゲストの特盛ポテトは最高だな!!」
武志は、 -
いさぎよく恋する動画を見てもエエじゃないか! vol.6
2017-05-09 19:001結局女子とまともに話すタイミングもないまま、放課後が来てしまった。
「ふぅーっ!終わった終わったぁ!
健斗〜、一緒に帰ろうぜ〜」
近づいてくる武志を、俺は手で制止した。
「ん?」
「悪い、俺ちょっと予定あるから」
そう言って足早に教室を出た。
何を急いでいるかというと、さっき帰っていく女子の会話が聞こえたのだ。
そしてその話題とは、そう! U・RA・NA・I!
このチャンス、逃してなるものか!
1階へ降りる階段途中でターゲットを見つけた。
「今日のラッキースポットがシュークリーム屋さんだったから〜朝から気になっちゃって〜」
スマホの占い画面を見せながら話しているのは河原木だ。1年のとき同じクラスだったけど、話という話はした記憶がない。
「じゃあブロンドママ行こっか」
会話相手は長峰か。今年初めて同じクラスになったものの、まだ関わりはない。
ちなみに"ブロンドママ"とは、そこそこ有名なシ
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