※リーテックとはReal Estate Technologyの略で、直訳すると「不動産テクノロジー」です。 不動産事業にIT技術を活用することを意味しています。
今週も先週に引き続きweworkについての記事を書かせていただければと思います。
【wework上場延期発表によりソフトバンクGに大きな損失が?】
ソフトバンクビジョンファンドによるweworkへの投資が損益分岐点に達するために必要な企業価値は、約2.6兆円であるとあるアナリストは分析しました。ソフトバンクビジョンファンドのweworkへの直接出資額は、約1兆円にのぼり、ソフトバンクビジョンファンドは、1株あたり平均65.8ドルで、1億1400万株のwework株を取得していたと予想されます。仮にweworkの企業価値が1月の約5兆円を維持できていれば、ソフトバンクの含み益は7000億を超えていたと言われます。
逆にweworkが企業価値約2兆円で上場した場合、ソフトバンクGは1300億円以上を失っていたとのこと。これらの試算をもとにソフトバンクGが利益を得るために必要な、weworkの上場時の企業価値の最低ラインは2.5兆円であると分析しています。
【wework、会社の信用が急降下】
格付け会社であるフィッチ・レーティングスはweworkを運営する米we companyの格付けをCCCプラスに2段階引き下げました。ジャンク級でかなり低い格付けとなりました。weworkIPOで少なくとも30億ドルを調達し、株式上場を条件とする銀行からの融資でさらに60億ドルを獲得する狙いがありました。フィッチによると、weworkの格付け見通しはネガティブ。S&Pグローバルも、weworkの格付けを「B」から「Bマイナス」に引き下げました。フィッチは、weworkが実効性の高い資金調達への合意を取り付け、業績立て直しを計画通り遂行できるなら、格付けを見直す可能性があるとのこと。
【大幅な人員削減で急場を凌ぐ?】
共同最高経営責任者アーティー・ミンソン、セバスチャン・ガニンハム両氏と共同創業者ミゲル・マッケルビー氏が従業員との会合で、経費カットの取り組みに人員削減が含まれると述べたそうです。ある出席者によると、経営陣の1人は人員減について、できるだけ倫理的に実施されると発言したといいます。ブルームバーグによると、weworkの親会社がwe company人員減を検討しており、削減する人員が千人単位となる可能性があると伝えていました。経営幹部は最近、分離される公算がある事業部門を含めて、削減が約2000人になるとの見通しを示したとのこと。これは6月末時点の同社従業員1万2500人の約16%に当たります。
ミンソン共同CEOは会合で、同社をここ数週間動揺させている不確実性について従業員に謝罪しました。会合はweworkのマンハッタン本社で行われ、全従業員にライブ配信されたそうです。経営陣は顧客とテナントがweworkのサービスにはまだまだ関心があると述べ、根幹事業と顧客に重きを置くよう要請しました。また、出席者によると、幹部はweworkの成長継続を見込んでいるものの、そのペースが鈍化すると予想しているほか、事業規模を適正化する取り組みとして、一部事業の売却も検討しているそうです。
【大ピンチ?どうなるソフトバンクビジョンファンド】
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、ソフトバンクGの今期の営業利益予想を従来に比べ約6000億円に下方修正しました。ソフトバンクビジョンファンドによる投資先企業の株価の下落、特にシェアオフィス事業を手掛けるweworkの上場申請の取り下げや企業価値低下の可能性を反映しました。あるアナリストによるとリポートで、ソフトバンクGの今期営業利益予想を1兆5900億円から1兆100億円に減額したとのこと。前期との比較でなんと57%減。ソフトバンクビジョンファンド事業の利益予想を5900億円からたったの100億円に大幅に引き下げたことが原因である。
【今週の筆者まとめ】
今週も引き続きweworkについての記事を書かせて頂きました。今回の失態の原因は会社の評価が実際の評価よりも高く見積もられすぎたからになります。所謂バブルの一種だと思いますが、バブルの渦の中にいるときはなかなか客観的な視点を持つことができないものですね。これを教訓に筆者も波に流されず本質を見る、常に客観的に物事を俯瞰して考えることを意識していこうと思いました。
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