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衆院選の「各党の主張」と「国民の関心」の間に、なぜ埋められない大きな乖離があるのか
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衆院選の「各党の主張」と「国民の関心」の間に、なぜ埋められない大きな乖離があるのか

2012-12-21 17:00
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衆院選を目前にして、マスコミ各社が世論調査を行った。
この中で、僕が興味深く感じた質問項目があった。
毎日新聞が「最も重視する争点は?」という質問をしていたのだ。
これに対して、いちばん多くの人が選んだ回答は「景気対策」だ。
32%の人が選んでいる。
自民党総裁の安倍晋三さんの主張が、反映した結果だろう。
安倍さんは大胆な「金融緩和」を繰り返し述べた。
通貨の流通量を増やし、国債を日本銀行に買わせる、という主張だが、
その内容が報道されただけで、たちまち円安になり、株価は上がったのだ。
その意味では、自民党のやり方がうまくいっていると言えるだろう。

次に多かった回答は、「年金・医療・介護・子育て」だ。23%の人が回答している。
民主党政権が見事に失敗した分野だ。
そして「消費増税・財政再建」は10%、「東日本大震災からの復興」が7%、と続く。

では、いま注目されている、「原発・エネルギー政策」はどうか。
なんと7%にとどまっているのだ。
どの政党も、この選挙の焦点は「原発」だと言わんばかりだ。
各党があれだけ「脱原発」「卒原発」、そして「原発ゼロ社会」をうたったのに、
7%の国民しか関心を示さなかったのである。なぜなのか。

どの政党も本気で原発問題に立ち向かっていないことに、国民は気づいてしまったのだと
僕は見ている。
先日の「朝まで生テレビ!」は、「脱原発」をテーマに取り上げた。
そこで僕は各党からの出演者に次のような問いを投げかけた。
「代替エネルギーはどうするのか」
「原発をなくすのはいいとして、使用済み核燃料の問題はどうするのか」
この僕の質問にきちんと答えられた政治家は、一人もいなかった。

彼らは「脱原発」を主張している。
だが、その主張は単なる掛け声だけで、具体的な道筋がない。リアリティがないのだ。
彼らのそのリアリティのなさが、画面に映し出された政治家の表情に、如実に現れてしまった。
テレビは恐ろしいものである。

この選挙に関する世論調査では、3つの重要な問題が忘れられていると僕は思った。
ひとつは「沖縄の基地問題」だ。2つめが「日本人拉致問題」、3つめが「少子化問題」。
どれも非常に大きな問題である。だが、これらを争点にする政治家は少ない。
理由は簡単だ。票につながらないからだ。

たとえば、「沖縄の基地問題」の現状は非常に危ういと僕は危惧している。
多くの国民が「沖縄だけの問題」と考え、「日本全体の問題」として受け止めていないように
見えるからだ。
だから、僕がテレビ番組で沖縄問題を取り上げても、視聴率はよくない。

この選挙で選ばれた政治家、政権を担うことになる政治家たちに僕は言いたい。
多くの国民が求めている、景気対策、年金・医療の問題は、もちろん早急に取り組むべきだ。
そして、原発・エネルギー問題は、単なる選挙のスローガンで終えてはならない。
現実にどうするのか、はっきりと道筋を示してほしい。

そしてなによりも、選挙の争点にならなかったが、しかし、非常に重要な問題である、
沖縄問題、拉致問題、少子化問題にしっかり取り組む政治家が、出てきてほしいと僕は願う。
これらの問題で苦しむ声なき声が消し去られないように、これからも、この3つの問題に
僕は厳しく斬り込んでいく。
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ゲキビズ田原通信
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沖繩基地問題、どうして東京の政治家エリートたちはこんなにも無関心なのだろうか。そして、少子化問題、子育て環境は改善の見通しはあるのか。

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