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チキンマンのクリスマス〜Holiday Special〜
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チキンマンのクリスマス〜Holiday Special〜

2019-12-25 00:00

    *この『ひろぐ』は
     Facebookにて連載中の粘土活劇
    『やめとけ!チキンマン』のクリスマス・スペシャル版です!

    「チキンマン!
     お前はかっこ悪いなぁ!
     へんな顔だし敵にも勝てないし!
     お前が正義の味方だなんて笑っちまうよ!」
    うるさい!
    黙れ!
    「この超人ヴェルデ様はかっこいいから
     どんなに悪い事をしても許されるんだ!
     かっこよければなんだってOKなのさ!」
    うそだ!
    そんなのは間違ってる!
    チキンマンは大声で叫びたかったが
    全然声が出なかった!
    「はっはっはっはっは!」
    待て!
    逃げるな超人ヴェルデ!
    俺の話を聞け!
    戻って来い!
    そんな夢を見て目が覚めた!

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    「また今日もいやな夢だったなぁ。」
    チキンマンは超人ヴェルデと出会った事で
    ヒーローである事がいやになり
    誰にも言わず旅に出た!
    誰にも会わないところで
    静かにいろいろ考えようとした!
    けどどこで寝ても
    チキンマンの夢には
    いつも超人ヴェルデが現れた!
    だからチキンマンは
    起きるたびにぼんやりする毎日だった!

    「久しぶりだなチキンマン!」
    その声は!
    不思議な雲に乗って現れたのは
    死んだはずの
    とり大名の店長だった!


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    「あなたは!とり大名の店長!」
    「お前またあいつの夢を見たのか?」
    「ええ・・・そうです。
     毎日毎日あいつが夢に現れます。
     どうしたらいいんでしょう?」
    「毎日夢で見るぐらいなら
     お前はきっとあいつに会いたいんじゃないのか?」
    「まさか!」
    「会いに行けばいいじゃないか!
     会っていろいろ話をしてみたらいいじゃないか!」
    「それは・・・どうでしょう。」
    「まったくこいつはいつもこうだ・・・。」
    とり大名の店長はぶつぶつ言いながら
    大きな大きな袋を取り出した!


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    「これは!
     えべっさんの福笹についてる袋ですね!」
    「そう!来月には効力が消えてしまう魔法の袋だ!」
    「そういうのって笹から外していいんですか?」
    「いい!
     お前はこれを持って
     今日だけ中崎町に帰るがいい!」
    「中崎町に?」
    「そしてこの袋から出てくるプレゼントを
     みんなに配るがいい!」
    「どうして俺がそんな事を?」
    「本物のヒーローになるための試練だ!
     さぁ行けチキンマン!
     私はいつでもお前を見守ってる!」
    そう言ってとり大名の店長は消えた!
    とり大名の店長は
    あまりに突然な事だったので
    自分がチキンマンに殺された事に
    気づいていないようだった!
    「亡霊め!
     二度と現れないように塩をまいてやる!」
    かくしてチキンマンは
    魔法の袋を持って
    一日だけ中崎町に戻る事にした!


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    あまりにも久しぶりなので
    中崎町がどっちなのかわからなくなっていた!
    「あっ!
     大阪ガスの人がいる!
     あの人に聞いてみよう!」

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    たまたま立っていた大阪ガスの人が
    親切に中崎町の方角を教えてくれた!
    「あっちだよ。」
    「ありがとう大阪ガスの人!」

    中崎町商店街の入り口にイーサンを見かけた!
    イーサンは胃酸ガンで商店街のカビを退治していた!
    「ようチキンマン!
     久しぶりじゃねぇか!」
    「イーサン!
     プレゼントをあげるよ!」

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    「ほう!お前が俺にプレゼント?
     何が入ってるんだ?」
    「さっき説明書を読んだとこだけど
     なんでもその人が
     今一番欲しい物が入ってるらしいよ!」
    「俺がが今一番欲しい物?
     どれどれ?」


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    「こいつぁ驚いた!
     特大じゃねぇか!
     これでしばらくは胃の調子が良くなって
     正月にはもちがいっぱい食えるぜ!
     ありがとよチキンマン!」
    「今日はみんなにプレゼントがあるんだ!
     よかったら扇町公園にみんなを集めてくれないか?」
    「いいだろう!」
    どうやってあんなに大きな胃薬が
    あの箱の中に入っていたのだろう?
    そんな事を考えながら
    チキンマンは公園でみんなを待った!

    チキンマンがプレゼントをくれると聞いて
    大勢の怪獣や怪人が集まって来た!
    「俺にもプレゼントはあるのか?」
    「久しぶりじゃないか狼怪人レッド・グラブ!
     もちろん君にもあるぞ!」


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    「こりゃ嬉しい!
     なにかの骨じゃないか!
     これが今一番欲しかったんだ!」
    魔法の袋からは
    どうやら本当に一番欲しい物が出てくるようだ!
    みんなは大喜びだ!

    「チキンマン・ブラック!
     君にはこれだ!」
    「やった!かっこいいラジコンが出たぞ!」


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    「ガマチョロギーじゃないか!
     わざわざ山形から来てくれた君には
     これをあげるよ!」
    「嬉しいねぇ!
     山形は寒いから
     こんな熱燗セットが欲しかったんだ!
     また山形に遊びに来てけらっしゃい!」

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    「クワガティオンにはこれだよ!」
    「嬉しいな!
     俺は弟が欲しかったんだよ!」
    こういうのが出てくる事もあるのか!


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    「おい!
     エビノオルニス!
     それをどうするんだ?
     飼うのか?
     食べるのか?」


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    「あっ!
     ピンクのひらめき砲だ!
     ありがとうチキンマン!」
    「めんどうなのが出ちゃったなぁ!」


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    「みんなとっても喜んでくれてるぞ!
     なるほど!
     悪と闘うだけじゃなく
     こういうのもヒーローの仕事なのか!」


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    一番欲しかったお菓子やおもちゃをもらって
    みんなは大喜びだ!

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    みんなにプレゼントを配り終えた頃
    あの超人ヴェルデが現れた!
    「ようチキンマン!」
    「・・・超人ヴェルデ。」
    「お前がいなくなってから中崎町は退屈だぜ!」


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    「んで?
     このかっこいい俺にもプレゼントはあるのか?」
    「どうだろうな。」
    チキンマンは魔法の袋に手を入れてみた!
    つかんで取り出してみたら
    超人ヴェルデへのプレゼントだった!
    「チキンマンからのプレゼントか!
     別にちっともうれしくないが
     もらってやるとしよう!
     けど!
     かっこいい俺だからな!
     一番かっこいいのが入ってなかったら
     怒るからな!」


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    超人ヴェルデはプレゼントを開けてみた!
    「おいチキンマン!
     ふざけるな!
     からっぽじゃないか!」
    「からっぽ?そんなはずはない!」
    「いいやからっぽだ!
     お前!
     俺をバカにするためにこんな事したんだろ!」
    みんなは超人ヴェルデを見て指をさして笑った!
    「いいや違うぞ超人ヴェルデ!
     その中には必ず
     その人が一番喜ぶ物が入ってるはんずなんだ!」
    「けども俺のはからっぽだ!
     もう許さねぇぞチキンマン!
     覚悟しろ!」
    その時チキンマンは何かに気づいた!
    「ちょっと待て超人ヴェルデ!」
    チキンマンは袋の中に手を入れて
    箱を一つつかんだ!
    それは自分へのプレゼントだった!
    チキンマンは包みを開けてみた!
    「そうか!
     やっぱりだ!」


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    「俺のもからっぽだよ!」
    「ど!どういう事だ!」
    チキンマンは今朝まで毎日
    超人ヴェルデのいやな夢を見ていた事を話した!
    そしてとり大名の店長に
    会って話をしてみろと言われた事も話した!
    「そうなんだ!
     そういう事なんだ!」
    「わけがわかんないぜチキンマン!」
    「こうやってお前にまた会って
     こうやって話ができた事!
     これが今の俺にとって一番うれしい事だったんだよ!」
    「って事は・・・俺もそうなのか?」
    「きっとそうなんじゃないか?」
    「・・・。」
    超人ヴェルデはからっぽの箱をじっと見つめて言った!
    「なぁチキンマン。」
    「なんだ?」
    「お前・・・もう帰って来ないのか?」
    「・・・いや!
     帰って来るよ!
     もうすぐね!」
    「・・・そうか!帰って来るのか!」
    超人ヴェルデはからっぽの箱を大事に抱えて
    なんだかうれしそうに消えて行った!


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    やぁ!
    久しぶりだね!
    俺の話を最後まで読んでくれた君にも
    お礼として魔法の袋からプレゼントをあげるよ!
    何が入っていたか教えてくれよな!
    けどもしも!
    俺とこうしてまた会えた事が一番嬉しいって言うなら
    残念だけど箱の中身はからっぽだよ!
    メリー・クリスマス!


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    ★チキンマンはまたどこかに消えましたが
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