『そこそこ週刊・畠山理仁』
Vol.162
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『そこそこ週刊・畠山理仁』
追悼・羽柴秀吉さん(1)/「青森の大バカ者で終るか 天下を取るか」
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●サービス精神旺盛すぎる小田川帝国の国王
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偉大なるインディーズ候補、羽柴秀吉さんが亡くなった。
享年65歳。秀吉さんは2011年に肺がんであることを告白し、その後は闘病生活を送って入退院を繰り返していたが、2015年4月11日に肝硬変のため亡くなった。秀吉さんを15年以上取材してきた者としては、ただただ残念だ。今は「秀吉さん、お疲れ様でした」とご冥福をお祈りすることしかできない。
秀吉さんの本名は三上誠三という。青森県の五所川原市(旧北津軽郡金木町の出身で、若い頃から「自分は羽柴秀吉の生まれ変わりだ」と言って羽柴秀吉を名乗り、全国各地の選挙に立候補してきた。残念ながら一度も当選することはなかったが、それでも選挙に立候補し続けて、筆者に「こういう生き方もある」と教えてくれた。
筆者は2007年に秀吉さんの地元・青森県まで行き、広大な敷地にある秀吉さんの「小田川帝国」を秀吉さんに案内してもらったこともある。同敷地内にある秀吉さんのホテル(小田川温泉観光ホテル)の温泉に入ったこともある。なぜホテルに泊まらなかったのかというと、ちょうどホテルが改装中で宿泊ができなかったからだ。ちなみに宿泊料金は、まわりの相場よりもかなり高かった。ホテルの中を隅々まで案内してもらい、泊まる気満々だったので「今日は泊まれません」と言われた時はとても残念だった。
ちなみにこのホテル。以前はあちこちに秀吉さんの写真が貼ってあったという。筆者が訪ねた時はホテルの支配人は秀吉さんとは別の人で、
「お客様のことを考えて、社長(秀吉さん)の写真は一部を除いて全部外しました」
と言っていた。「帝国」なんだけど支配人の意見もちゃんと通る。たしかに社長の写真だらけのホテルはあまり儲からないだろう。支配人の人は、
「おかげさまでホテルは大繁盛です」
と言っていた。
このホテルは国会議事堂を模したホテルで、客室の上には「郵政省」「通産省」「法務省」などというプレートが取り付けられていた。「参議院小会議室(建設省)」という謎の看板もある。大宴会場は「衆議院本会議室」。食堂は「食糧庁」と徹底していた。しかし、なぜかホテル内にあるスナックの名前は「チャングム」。ここだけ治外法権。出島のようなものなのか。
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