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 * 堀潤のテレビでは言えない話 vol.11

       ~「クラウドファンディングの可能性」の巻~

         

     発行:8bitNews  2013.6.12 (毎週1回発行)

               

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皆さん!ブロマガの発行が明け方になってしまいました。ごめんなさい。


実は今日12日、8bitNewsは記者会見をします。これに先駆けて、ブロマガ読者の皆さんには先行案内します。


僕がメディア取材を通じて以前からお伝えしてきた「ジャーナリストのためのクラウドファンディング」を秋までにスタートさせます。インターネットで寄付や資金集めを行うクラウドファンディング大手Just Givingと協力し、これからサイトの構築に入ります。さらに、そのサイトの構築費用を僕ら自身がまずクラウドファンディングで集めようという試みを、本日午後2時からスタートさせます。https://shootingstar.jp/


Just Givingといえば、IPS細胞の研究によるノーベル賞受賞で知られる山中教授が研究資金を集めたサイト。英国が本拠地です。そのサイトの日本チームが、今日から新たなクラウドファンディングサイト「Shooting☆Star」を立ち上げます。リンクは上記の通りです。


8bitNewsは今後、Just Givingと二人三脚で、ジャーナリストのための資金援助の仕組みを日本に浸透させます。ぜひ、ご支援ください。


Shooting☆Starを通じて僕らに寄付していただくと、ギフトが届きます。オリジナルステッカーから、堀がプレゼン力向上のためのコーチ役になる!というものまであります。


本日午後2時以降、ぜひご覧になってください!

https://shootingstar.jp/


さらに今夜午後6時半からは、「講談社現代ビジネス×8bitNews ぼくらのジャーナリズム学校」というパネルディスカッション&ワークショップイベントを開催します。ゲスト講師は、ジャーナリストの牧野洋(まきの・よう)さん。元日経新聞記者で、長年海外特派員として活躍後、日経ビジネスの編集員を経て独立し、米カリフォルニアを拠点に発信を続けてきた方です。牧野さんと堀とでパネルディスカッションをした後、参加者の皆さんとワークショップをします。「個人による発信時代、何を、どのようにして発信すればよいのか」。関心のある方はぜひご参加ください。無料で、当日お申し込みも可能です!

 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36063

会場でお会いできるのを楽しみにしております。


さて!今月も、前置きが長くなりましたが。。。 今号のコンテンツはこちら!↓

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├○    堀潤のテレビでは言えない話  vol.102013.6.12

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├○  01.【堀潤のソーシャル日記から】

├○  2回 民主主義の血流としての情報公開

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├○  02.【ルポルタージュ】

├○  マスメディアが報じない本当の○○

├○  第10回  「三菱重工配管欠陥で多額の賠償へ 原発廃炉の真相は」

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├○  03.【ルポルタージュ】

├○  アメリカ・カリフォルニア取材報告

├○  特別編「菅直人元総理が訪米 現地で語った本音とは」

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├○  04.【メディア批評】

├○  そうだ!ニュースを語ろう

├○  第10回「主要メディアが伝えないネット選挙解禁の意義」  

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├○  05.【オンライン講座】

├○  そうだ!メディアを創ろう

├○  第10回 「音が撮れているのか気にしてみよう」

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├○  06.【告知】今週のスケジュール& お知らせ

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前回「Vol.10」へのリンクはこちらです。

[リンク] http://ch.nicovideo.jp/horijun/blomaga/ar250070




未読の方は併せてお楽しみ下さい。



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┗■  01.【活動日記】堀潤のソーシャル日記

   

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このコーナーでは1週間の堀のつぶやきから3本を選んで深堀り。

毎日新聞「MAINICHI RT」 の連載と連動しています。

NPO法人代表として、そしてジャーナリストとしての堀の1週間からのルポルタージュ。

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民主主義の血流としての情報公開

 

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【6月5日(水)】


堀 潤 JUN HORI@8bit_HORIJUN

サンディエゴで、菅直人元総理やNRC米国原子力規制委員会元トップのヤツコ氏などによるパネルディスカッションが始まった。菅氏が日本の事故について当時の状況を語っている。 http://instagram.com/p/aJJUA6tglv/

堀 潤 JUN HORI@8bit_HORIJUN

菅氏は「事故原因はそもそも3月11日の大震災以前に遡る」と語り、津波やテロの脅威から原子炉を守る安全対策が徹底されてこなかったと強調。「最悪の想定にあわせ五千万人規模で避難すれば国家としての機能が失われると感じた」と当時を振り返っている。ぶつけたい質問多いな。質疑応答これから。

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 民主党の菅直人元首相が、米サンディエゴを訪れた。地元の環境保護団体などの招きで、グレゴリー・ヤツコ元米国原子力規制委員会(NRC)委員長らとパネルディスカッションに臨むためだ。


 菅氏のスピーチは64日午前9時ごろ(現地時間)始まった。東京電力福島第一原発の事故発生時の対応を振り返るとともに、サンディエゴ近くにあるサンオノフレ原発の安全対策などについて持論を展開した。その中で菅氏はトルコやインド、ベトナムなどへの日本の原発輸出についての批判を展開。「私も3.11前は『原発は安全だから』と導入をお願いしてきた。原発の安全利用に賛成だったが、3.11後にはを考え方を180度変えた」と語り、世界は脱原発に舵を切り自然エネルギーへの転換を図るべきだ、とも強調した。


 こうした菅氏の言葉に対し、当時NRC委員長として対応にあたったヤツコ氏は「事故後、自ら福島県の被災地を訪ねた。10万人もの人々が今も故郷を追われている。原発政策は、事故が起きた場合の経済的損失を十分に考慮しなければいけない」と述べ、避難を続ける福島の人々を慮った。


 講演の模様は、インターネットの同時中継で、世界中に発信された。


 今回の施設を提供したのは地元サンディエゴ郡の役所だ。感心したのは議場にインターネット中継用のカメラや発信機材などの設備が備え付けられている点だ。政府や行政機関が持つ情報の公開を進めることを柱としたオープンガバメントを進めるオバマ政権下では、公聴会の様子などのほとんどがネット中継され、誰でも見られる環境づくりが進められてきた。


 正確な情報を共有し課題を洗い出し、熟議を重ね知恵を出し合って解決策を導きだす。民主主義の基本だ。


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【6月7日(金)】

堀 潤 JUN HORI@8bit_HORIJUN

東電福島第1原発:国会事故調資料公開 自民党が待った:毎日新聞 http://sp.mainichi.jp/m/news.html?ci=20130607k0000m010092000c&inb=sns&fm=rnk09… @mainichijpnewsさんから

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 筆者が米国滞在中、毎日新聞のweb版に目を通していると、気になる見出しが目に飛び込んできた。

 原発事故の原因や対応などについて検証するため昨年国会に設置された原発事故調査委員会による聞き取り資料の公開について、非公開を前提に行われた聞き取りが含まれるとして、自民党が待ったをかけているという内容だ。自民党は「非公開を条件に聴取したものを後で公開すれば国家の威信に関わる」として、公開を拒んでいるという。

 東電福島第一原発では、前政権による冷温停止状態の宣言以降も、水漏れを起こすなどトラブルが絶えない。収束には長い年月がかかることが確実だ。事故原因の検証もさらに必要で速やかな情報公開と共有で世界中から、収束に向けた知恵や技術を結集させなくてはならない。

 国家の威信にも関わるという発言には、同意できない。情報公開に消極的な姿勢は、民主主義を標榜する日本国にとって却って信頼や評判を下げる事になると危惧する。世界中の国々が日本の原発事故のその後を注視しているというのに。


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【6月8日(土)】

堀 潤 JUN HORI@8bit_HORIJUN

三菱重工製蒸気発生装置に不具合が見つかったサンオノフレ原発が廃炉へ。“@AP: BREAKING: Southern California utility says it will close troubled San Onofre nuclear power plant.”

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 米国で、日本メーカーがかかわる原発の廃炉が決まった。

 

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 去年1月、三菱重工業製の蒸気発生器の配管破損で水漏れ事故を起こし、稼働が停止していた米カリフォルニア州南部のサンオノフレ原発について、運営する米サザン・カリフォルニア・エジソンは現地時間6月7日、全ての原子炉を廃炉にする、と発表した。エジソン社は三菱重工に対し、損害賠償を請求するとしている。

 電力会社が廃炉を決めた背景には、この問題に対する米NRCの徹底した情報公開の姿勢が強く作用している。

 事故以来再稼働に向けて欠陥部品の再設計などを急ピッチで進め、安全が確保されたと主張してきた三菱重工や電力会社に対し、NRCは厳しい追求姿勢で、安全検査の不十分さやコンプライアンス違反が疑われる事例などを明らかにしてきた。内部資料などをネットで公開し、誰もが情報共有できるようにした。それらをもとに住民が直接電力会社やメーカーに対して疑問や質問、意見をぶつけられるよう各地で繰り返し公聴会を開催した。

 

 安全確保が徹底されない原発は動かせない。電力会社は政府や市民との熟議の中でいわば根負けする形で廃炉を決断した。民主主義の正当な手続きで、産業界に対して力を行使する事に成功した。


 情報公開は民主主義の血流だ。日本も徹底しなければならない。


講演や講師の依頼なども受け付けています

hori@8bitnews.org までぜひ!



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┗■  02.ルポルタージュ

     マスメディアが報じない本当の◎◎

     

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「テレビでは言えない話」というタイトル通り、「テレビでは扱いづらい」

という理由でなかなか放送されない話題もたくさんある。

国家や大企業を敵にまわしがちなテーマについては、局側の判断で

ニュアンスが弱められたり、企画そのものが採用されなかったりする場合もある。

このコーナーでは、そうしたマスメディアが報じない現場の実態をルポ。

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10 

「三菱重工配管欠陥で多額の賠償請求へ 廃炉の真相は 」


米国で、日本メーカーがかかわる原発の廃炉が決まった。

日の丸原発の海外輸出に大きな影響がでるのか。


三菱重工業製の蒸気発生器の配管破損で水漏れ事故を起こし、稼働が停止していた米カリフォルニア州南部のサンオノフレ原発について、運営する米サザン・カリフォルニア・エジソンは現地時間67日、全ての原子炉を廃炉にする、と発表した。エジソン社は三菱重工に対し、損害賠償を請求するとしている。


https://www.edison.com/files/060713_news1.pdf

※リンクは廃炉を発表したサザン・カリフォルニア・エジソンのプレスリリース


サンオノフレ原発で事故が起きたのは去年1月31日。3号機の配管が破損し、微量の放射性物質を含む水が漏れ出した可能性があることが明らかになった。定期点検中だった隣の2号基でも配管内の異常な摩耗がみつかった。その数は合わせて1万5千カ所以上に上り、米原子力規制委員会(NRC)は全基の稼働を禁じていた。NRCは事故原因について、三菱重工側の設計ミスだとも指摘した。


筆者は、去年6月からこの問題の取材を続けてきた。


一体なぜ今、電力会社側は廃炉を決めたのか


そこにはNRCの追求を恐れ、その後の賠償責任を巡る三菱重工側と電力会社の間の熾烈な綱引きがあった。

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◆「海の水が温かいんだ」サーフィンの名所“サンオノフレ”で放射能漏れ事故


サンオノフレ原発はロサンゼルスの南東およそ100キロに位置する。さらに車を40分ほど南に走らせると、人口122万人の都市サンディエゴがある。地元ではサーフィンの名所として有名で、原子炉は砂浜に面した海岸線に建てられている。

エジソン社と三菱重工は事故以来、再稼働に向けて、欠陥の見つかった部品の設計変更や新たに開発した配管の安全検査を進めてきた。去年10月には、安全性が担保されたとして、2基のうち1基を70%の出力で再稼働させたい、とNRCに申請していた。


しかし地元住民や環境保護団体は、原発の安全性に疑問が残るとして再稼働に反対。事故を起こした装置のみならず、原発の敷地を取り囲む津波防御壁の高さが、東日本大震災級の地震による津波には十分に対応しきれず、事故が起きた時の避難計画も不十分だとして、NRCに対して再稼働を認めないよう訴え続けてきた。

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一方、サンオノフレ原発で働く労働者による組合は、生活が成り立たなくなるとして、エジソン社に対し、早期再稼働を強く求めてきた。地元の雇用維持は、原発を抱える地域の共通の課題だ。


NRCはこうした状況を受け、1年以上にわたり定期的に周辺地域で公聴会を実施。エジソン社と地元住民との対話の場を設けるとともに、原子炉の安全性について独自に検証を続けてきた。当初は電力需要の増える昨夏にも再稼働容認か、とも報道されたサンオノフレ原発だったが、NRCは再稼働に向けて慎重な姿勢を見せ続けた。

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◆日本メディアが報じなかった三菱重工へのNRC立ち入り調査


再稼働にいよいよ黄色信号が灯り始めたのが去年11月。NRCのチームが神戸にある三菱重工の事業所を調査したところ、再設計した配管の安全検査の手順に不備が見つかったとして、三菱重工以外の第三者機関による再検査の実施を求めたことが明らかになった。NRCは三菱重工側とメールでやり取りした往復書簡をウェブサイトで公開、地元メディアは一斉にこの問題を報じた。

http://pbadupws.nrc.gov/docs/ML1233/ML12333A144.pdf

※リンクはNRCのホームページで公開された三菱重工とのNRCの報復書簡のまとめ


 NRCは今年3月、三菱重工とエジソン社が設計上の不具合を事前に把握しながら十分な改良をしなかったとする三菱重工作成の報告書を公表。再稼働に向けて追加の修正申請が必要になることを明らかにしていた。


筆者はこれまで各地の公聴会を訪ね歩き、その様子をカメラにおさめてきた。その都度、地元や周辺から1000人近くが参加し、NRCやエジソン社と3、4時間にわたって対話を続けた。NRCは住民らやエジソン社から聞き取りを続け、不安材料が明らかになるたび、再稼働に向けた見通しをその都度先延ばしにしてきた。NRCのそうした常に中立な姿勢が印象的だった。


NRCは米国史上最悪と言われる1979年のスリーマイル島でのメルトダウン事故以来、電力会社などからの独立性を担保しようと組織改革に努め、NGOなど第三者機関との連携を強化してきた。


今回エジソン社に廃炉を踏み切らせたのは、NRCが時間をかけ再稼働申請を検証してきたことが要因の一つだ。1ワットも生み出さない原発の維持に多額のコストがかかるのは「利用者や株主にとっても不経済だ」として、廃炉を決めた。


稼働を止めた去年1月からの維持費や再設計にかかったコストの一部支払いを、エジソン社はすでに三菱重工に請求している。請求額は100億円を超えるとも言われている。今後は廃炉にかかる費用などがさらに重くのしかかる。


◆エジソン社の不正をNRCが追求予定だったとの声


エジソンが突如廃炉を決めた背景には、地元議員からの厳しい追求や、NRCが予定していた立ち入り調査の存在があると言われている。今回の廃炉を決定づけたのは、上記の三菱重工作成の報告書の存在だ。これは、もともとは地元カリフォルニア州選出のバーバラ・ボクサー連邦上院議員が入手し、メディア向けに公表したものだ。彼女はNRCに対して、報告書の存在について詳しい調査と説明を求めた。今年2月のことだ。


三菱重工側は、自ら進んで「三菱重工もエジソンも自ら不具合を知りながら十分な改善をせずに設置した」とする報告をしたのか? 上院議員とともにこの問題を追求してきた地元団体からは、賠償責任の負担割合に関わるとの声が聞かれる。


この報告書をNRCが公表した直後、エジソン社は「三菱重工側は装置は安全だと説明を繰り返した」と、報告書の中身を否定した。つまり、自分たちは不具合を事前に把握していなかったというのだ。責任は三菱重工側にある、エジソンはそう主張した。